浮世絵の描かれた切手を見たことがある方もいるでしょう。
もしかすると、絵柄に惹かれて購入し大切に保管したままの方もいるかもしれません。
縦横数センチのスペースに日本ならではのアート「浮世絵」が描かれた「浮世絵切手」は、実は海外でも人気です。
場合によっては、意外な金額で買取されるケースもあるでしょう。
目次
浮世絵切手とは?
浮世絵切手とは、葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵が描かれた切手です。
切手の絵柄に初めて浮世絵が用いられたのは、1946年 のことでした。
このときは額面1円の普通切手として、葛飾北斎の浮世絵が採用されています。
その後、1947年からは切手趣味週間シリーズの記念切手として、さまざまな浮世絵切手が発行されました。
浮世絵の作品によっては、切手になったことで有名になったものもあります。
また、日本を象徴する浮世絵が描かれているため海外でも人気です。
価値のある浮世絵切手
浮世絵切手はこれまでに多数発行されており、過去に人気だった切手が復刻版として再発行されるケースもあります。
そのなかでも特に知名度が高く、価値のある浮世絵切手には次のようなものがあげられます。
買取に出す場合は、基本的に発行枚数の少ない切手のほうが高額です。
また、バラ切手よりシート切手のほうが高額で取引されやすいでしょう。
切手趣味週間シリーズ:『見返り美人』
『見返り美人』切手は、江戸時代に浮世絵を確立し「浮世絵の祖」 とも呼ばれる菱川師宣の作品を図案にしたものです。
1948年に初めて発行され、1991年、1996年、2021年にも再発行されています。
1948年に発行された際はコレクター向けで発行枚数が少なかったのですが、人気であっという間に売り切れました。
その後の切手収集ブームのきっかけになったともいわれます。
希少性が高い1948年発行の切手であれば、使用済みでも買取してもらえる可能性が高いでしょう。
切手趣味週間シリーズ:『月に雁』
『月に雁』切手は、『東海道五十三次』や『名所江戸百景』などで有名な歌川広重 の作品を図案にしたものです。
1949年に発行されており、この前年に発行された『見返り美人』切手とともにその当時から現在に至るまでとても人気があります。
バラ切手でも、高額で取引できるでしょう。
未使用のシートであれば、かなり高値になると期待できます。
1996年にも復刻版 が発行されていますが、こちらは額面以上の価値はありません。
国際文通週間シリーズ:『東海道五十三次』
『東海道五十三次』切手は、歌川広重の浮世絵を図案として1958〜1962年に発行されたものです。
「文通によって世界平和に貢献しよう」を目的とする国際文通週間 が世界共通で設置され、その初回記念切手として1958年に『東海道五十三次・京都』が採用されました。
これが好評だったことから、その後も年1回で発行されています。
特に人気なのが1960年発行の『蒲原』、次に1958年発行の『桑名』で、これらは高額買取が期待できます。
国際文通週間シリーズ:『富嶽三十六景』
『富嶽三十六景』切手は、葛飾北斎の浮世絵を図案として1963〜1969年に発行されたものです。
こちらも国際文通週間シリーズの切手で、『東海道五十三次』切手が人気だったことから続けて日本を代表する浮世絵の『富嶽三十六景』が採用されました。
『保土ヶ谷』や『不二見原』 などがありますが、特に人気の高い切手は1963年発行の『神奈川沖浪裏』です。
ただし希少性はそれほどなく、『東海道五十三次』切手ほどの高価買取にはならないでしょう。
浮世手切手の買取を依頼するなら適切な保管を
浮世絵切手は、図柄の種類や発行年度によって高額で取引されているものもあります。
ただし、状態によっても価値が大きく変わるため、いずれ買取を依頼しようか迷っているのであれば適切な保管を心がけてください。
例えば、汚れていたり欠けがあったりする切手では買い取ってもらえないおそれがあります。
保管時のシワや折れなども、大きなマイナスポイントです。
切手の価値を落とさないためにも、専用のストックブックに入れて日が当たらず湿気のない場所に保管しましょう。

