日本画というと、古風な旅館やホテルに飾られている掛軸を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
日本画と一口にいっても、美人画や風景画、山水画などさまざまなジャンルがあります。
中には個人的にコレクションして鑑賞を楽しんでいる人もいます。
現在、所有している日本画を手放したいと考えたとき、価値ある作品の可能性があるため、そのまま処分してしまうのではなく、一度買取査定に出すのがお勧めです。
目次
日本画を買取してほしいと思ったら…
日本独自の魅力を持った日本画を買取してもらうのであれば、専門買取業者への相談がお勧めです。
国内外で人気の日本画
日本画とは、明治時代以降にできた言葉で、海外との交流が盛んになり西洋の美術品や芸術品が多く日本にもたらされるようになってきたころ、西洋画と区別する目的で名づけられました。
そのため、明治時代より前に制作された絵画作品は、日本画ではないと主張する人もいます。
平安時代や奈良時代ごろに描かれた掛軸や絵巻物は、やまと絵と呼ばれています。
やまと絵は、もともと中国や朝鮮半島から伝わってきた唐絵と呼ばれる絵画の技法や様式を参考に、日本独自の画風を確立させた絵画です。
近年、海外では日本美術を集めて大規模な展覧会を開催するシーンが増えており、日本画が国内外から大きな注目を集めています。
ヨーロッパを中心に開催されている日本美術の展覧会は、国際的な文化交流としての役割もあります。
海外では、日本の美術作品だけではなく、葛飾北斎や喜多川歌麿などの浮世絵師も人気が高い傾向です。
古くから海外でも日本美術のコレクターがおり、現在でも日本画を集めている人も多くいるでしょう。
コレクションや相続品の日本画はありませんか
これまで自ら収集してきた日本画のコレクションや、親族の相続品として譲り受けた日本画をお持ちで、手放す方法を検討している方もいるでしょう。
もし、日本画を処分するのであれば、一度査定を依頼し日本画の価値を確かめてみることがお勧めです。
作家も分からず自分では価値がないと感じていても、査定によって実は有名な絵師が描いた作品であった、と判明することもあります。
もし、買取によって手元に現金が入れば、新しくお気に入りの日本画を購入する資金にもあてられます。
日本画の手放し方で困ったら、専門知識を有する骨董品買取業者に相談して、まずは査定してもらいましょう。
知っておきたい、日本画高額買取ポイント
所有する日本画を手放すとき、買取を依頼するのであれば、なるべく高額で買い取ってもらいたいと考えるものです。
買取を依頼したい日本画の査定額を事前にどのくらいか確認するためにも、査定でチェックされるポイントを知っておく必要があります。
査定のポイントを自分が所有する日本画の特徴を照らし合わせて、高額買取が可能か確認しましょう。
人気画家(絵師)の作品は価値が高い
日本画作品は、人気絵師が描いた作品であれば、価値が高い傾向にあり、高額買取が期待できます。
有名な日本画絵師には、竹内栖鳳、下村観山、鏑木清方、横山大観、上村松園などがいます。
そのほかにも、人気の絵師は多くおり、知らない絵師であっても高価買取の可能性はあるため、まずは査定をしてもらい、日本画の価値を知ることが大切です。
高額査定のためのポイント
高額査定が狙える日本画であるか判断するポイントは、作家ものであるか、作品の状態が良好であるか、付属品がそろっているかなどです。
作家物かどうか
日本画の買取では、無名作家よりも有名作家の作品であるほうが高値で買い取ってもらえる可能性が高まります。
国内外で人気の高い絵師であれば、買い手もつきやすいため、より高額買取が期待できます。
誰が描いた作品かが重要視されるため、絵師が特定できれば価値がつきやすいといえるでしょう。
所有している日本画の作家を知らない場合は、作品の中に落款がないか、鑑定書や保証書が付属していないかを確認し、作家名が分かったら人気の絵師であるか一度調べてみるのもお勧めです。
傷や汚れなどのダメージがないか
日本画の買取では、作品の状態も価格に大きな影響を与えます。
状態がよければそれだけで価値は高まり、傷や汚れなどのダメージの程度が重いほど、評価は下がってしまうでしょう。
ただし、ダメージがあっても買取をしてもらえないわけではないため、諦めず一度査定に出してみるのがお勧めです。
日本画の主なダメージには、シミやカビ、変色、破れなどがあり、量よりも程度が買取価格に影響をおよぼします。
シミやカビは、薄く修繕が可能であれば、買取価格が大きく下がることはありませんが、修繕が難しいほど汚れてしまっている場合は、評価が一気に下がってしまいます。
変色は、経年劣化や日光の紫外線により生じますが、正しく保管すれば変色を抑えることが可能です。
将来、買取を希望するのであれば保管方法から注意しておく必要があります。
破れは日本画作品にとって致命的なダメージであり、絵が描かれている部分が破れてしまっていると、価格が大幅に下がってしまうでしょう。
ダメージがあると買取価格が下がってしまうケースがほとんどですが、買取自体はしてもらえることも多いため、下手に修繕するのではなく、一度査定に出してそのままの状態の価値を教えてもらうことをお勧めします。
付属品は揃っているか
日本画を買取に出す際は、鑑定書や保証書、箱などの付属品もまとめて依頼しましょう。
付属品がそろっていると買い手がつきやすくなるため、買取業者も高値で買い取ってくれるケースがあります。
特に、鑑定書や保証書は、日本画を描いたのがどのような絵師であるかを証明する大切な書類のため、処分せず必ず日本画と一緒に保管しましょう。
相続で譲り受けたり、ネットオークションで購入したりするとき、付属品がそろっているか事前の確認がお勧めです。
そのほか
日本画の買取では、落款やサインの有無、作品のシリーズや題材によっても価格が変動します。
同じ絵師が描いた作品でも、人気のシリーズや題材のほうが高値で買い取ってもらえる可能性があります。
また、落款やサインが作品に入っていれば、描いた絵師の証明になるため、価値が高まるでしょう。
日本画を手放すにはどんな方法がある?
日本画を手放そうと考えた際、骨董品買取業者への依頼だけではなく、ネットオークションやフリーマーケットでの売却、リサイクルショップの利用、不用品回収業者や遺品整理業者への相談などいくつかの方法が考えられます。
どの方法にもメリット・デメリットが存在するため、特徴を理解したうえで自分にあった手放し方を選びましょう。
ネットオークションやフリーマーケットで売却
ネットオークションやフリーマーケットを利用した売却は、自分で価格設定できる自由さがあります。
日本画の価値を自分で把握していれば、適切な価格でお手持ちの作品を売却できます。
しかし、出品から発送作業まで自分で行う必要があり、慣れていないと手間や負担を感じるかもしれません。
また、なかなか買い手が現れずすぐに売却できない点もデメリットの一つです。
コミュニケーションが上手くいかず購入者とトラブルが発生するリスクもあるため、手間をかけずに手放したいと考えている方は、別の方法を利用しましょう。
リサイクルショップで売却
リサイクルショップであれば、全国各地に店舗があるため、さまざまな地域にお住まいの方でも利用しやすいメリットがあります。
店舗に持ち込み最短即日で売却できるため、いますぐ買い取ってもらい手元に現金が欲しいという方にお勧めです。
ただし、リサイクルショップは、骨董品の買取を専門としているわけではないため、日本画の価値を正しく判断できない可能性があります。
本来の価値よりも低い価格での売却になってしまうケースも多いため、高額買取を狙うのであればお勧めできません。
不用品回収業者や遺品整理業者へ相談
不用品回収業者や遺品整理業者は、まとめて複数のものを処分したいと考えている方にお勧めの方法です。
店舗に出向く必要がなく、まとめて回収してもらえるため、自宅の整理を行いたいときに適しています。
ただし、リサイクルショップ同様に骨董品に関する知識があるとは限らないため、まとめて安値で回収されてしまうケースも多いでしょう。
所有する日本画の本来の価値を知りたい、高値で買い取ってもらいたいと考えている方は、次に紹介する骨董品買取業者の利用がお勧めです。
骨董品買取業者へ相談
骨董品買取業者は、日本画をはじめとした美術作品に対する知識や査定経験が豊富なため、お手持ちの作品の価値を正しく判断してくれます。
有名絵師の作品かもしれない、落款はないが人気絵師の作風に似ている、などと感じているとき、高価買取してもらえるかもしれないと期待するでしょう。
骨董品買取業者であれば、これまでの実績と経験により適切な価値を提示してくれるため、納得のいく買取ができます。
ただし、骨董品買取業者によって買取価格が多少変動するため、複数の業者に査定を依頼し、最も条件のよい業者に買い取ってもらう方法がお勧めです。
人気日本画家の作品には、贋作も多い…
人気日本画家の作品は、高価買取が期待できますが贋作も多いため注意が必要です。
落款やサインが入っていても、後から書き加えられ、作品自体はまったく別の人物が描いたものも存在します。
贋作にはほとんど価値がつかないため、偽物が多く出回っている人気日本画家を把握しておくことも大切です。
横山大観
生没年:1868年-1958年
横山大観は、近代日本画の巨匠とも呼ばれる人物で、「大観といえば富士」と多くの人がイメージするほど、富士山を題材にした作品が有名です。
大観は、現代でも人気の高い日本画家であるため、作品も高額買取が期待できます。
それゆえに贋作も多く市場に出回っており、大観が描いたとされる作品を買取に出す際は、贋作の可能性もあると心得ておきましょう。
本物の作品は、取引価格が数千万円にものぼることから、贋作で稼ごうと考える人も多くいるのではないかと推察できます。
竹内栖鳳
生没年:1864年-1942年
竹内栖鳳は、近代日本画の先駆者とも呼ばれており、戦前の京都画壇を代表する大家です。
京都の円山派や四条派をベースにし、写実性を重視した画風が特徴で、栖鳳が描いたけものからは匂いまでが伝わってくるといわれるほど、生き生きとした動物画を描いています。
現在でも高い人気を誇っており、横山大観同様に贋作が多いことでも有名です。
買取金額は、作品の題材やシリーズによって異なりますが、数十万円から100万円以上するものまであります。
栖鳳とみられる作品をお持ちの場合、高価買取が大変期待できますが、その分贋作である可能性も高い点に注意しましょう。
谷文晁
生没年:1763年-1841年
谷文晁は、江戸時代後期に活躍した南画家で、古画の模写や写生をベースに絵を学び、山水画や花鳥画、人物画、仏画など幅広いジャンルの日本画を描いています。
文晁は、特殊な理由で贋作が多く出回っている画家で、鷹揚な性格であった文晁は、弟子に求められると自分の作品ではなくとも落款の使用を認めていました。
自身の画塾「写山楼」では、誰もが文晁印を利用できる状況であったため、弟子が自分で描いた作品に文晁の落款を押し、文晁の作品だと偽ってお金を稼ぐものもいたそうです。
そのため、文晁作品の贋作は、古くから多く市場に出回っており、現在でも昔からの贋作が相当数残っていると考えられます。
日本画買取は実績ある専門買取業者へ相談を
大切にしてきた日本画を手放す際は、専門の買取業者に相談しましょう。
人気のある絵師が描いた作品であれば、高価買取も期待できますが、その分贋作の可能性もあります。
どちらにせよ、価値を正しく判断してもらい、納得したうえで売却を行うためには、経験豊富な査定士に査定してもらうのがお勧めです。
専門買取業者であれば、査定経験も豊富であるため、安心して相談できるでしょう。