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尾竹国観 の『絵踏』—キリシタン迫害の象徴と波乱の歴史

尾竹国観は明治から昭和にかけて活躍した日本画家で、兄弟の越堂、竹坡とともに「尾竹三兄弟」として知られています。
『絵踏』は1908年に制作され、キリシタン迫害をテーマにした作品で、その内容は日本画界に大きな衝撃を与えました。
しかし、展覧会での波乱のため、わずか4日間の展示にとどまり、その後長い間人々の目に触れることがありませんでした。
2024年の特別展「オタケ・インパクト」にて、この「幻の作品」が初めて公開されることになり、再評価の機会が訪れたのです。

尾竹国観とキリシタン迫害を描いた『絵踏』

尾竹国観は、明治から昭和にかけて活躍した日本画家で、兄の越堂と竹坡とあわせて尾竹三兄弟と呼ばれることもありました。
14歳で富山博覧会に出品し三等賞を受賞するなど、若い頃からその才能を発揮しました。
16歳で日本美術協会の一等賞を受賞し、以降も数多くの展覧会で受賞を重ねています。

国観の『絵踏』は、1908年に制作された作品で、キリシタン迫害の象徴的な場面である「絵踏」のシーンを描いています。

尾竹国観が描いた宗教的迫害の象徴『絵踏』とは

『絵踏』尾竹国観 [引用元:泉屋博古館東京 公式HP]
『絵踏』尾竹国観 [引用元:泉屋博古館東京 公式HP

作品名:絵踏
作者:尾竹国観
制作年:1908年
技法・材質:絹本着色
寸法:ー(記載なし)
所蔵:個人蔵

国観が1908年に制作した『絵踏』は、日本のキリシタン弾圧をテーマにした衝撃的な作品です。
この作品は、キリシタン信者が聖像を踏むことで信仰を放棄することを強制される「踏み絵」の場面を描いており、宗教的迫害を象徴しています。
『絵踏』には、乳飲み子を抱えた母親や老夫婦、武士や農民のほか、宣教師とみられる白人や中国風の人物など、多様な背景を持つ41人の登場人物が描かれています。
この多様性は、さまざまな階層や背景を持ったキリスト教徒が多くいたことを示し、信仰がどのように広がっていったかを物語っているのが特徴です。
また、群像を通じて、信者たちが直面した宗教的な圧力や内面的な葛藤が視覚的に強調されています。

絵の中で描かれる信者たちの表情や姿勢には、苦悩や拒絶の感情が込められ、観る者に強烈な印象を与えます。
尾竹国観の『絵踏』は、単なる歴史的な描写にとどまらず、宗教的な自由の重要性を問う作品でもあるといえるでしょう。

尾竹国観の『絵踏』と展覧会の波乱

尾竹国観が1908年に発表した『絵踏』は、キリスト教信者が踏み絵を踏まされるシーンを描いた作品で、そのテーマが当時の社会的な圧力や宗教的迫害を反映しています。
しかし、この作品はただの歴史的な描写にとどまらず、展覧会での波乱によって「幻の作品」としても名を馳せることとなりました。

『絵踏』は国画玉成会の展覧会に出品されましたが、その展示は長く続きませんでした。
開幕日に行われた懇親会で、国画玉成会の会長・岡倉天心と国観の兄・竹坡が、展覧会の審査員の選定方法を巡って激しい衝突を起こしたのです。
この衝突は激化し、竹坡は国画玉成会から除名され、国観も兄に従って脱会することになりました。
この事件が影響し、国観の『絵踏』は展覧会の会場から撤去されることとなり、実際に展示されたのは開幕初日からわずか4日間だけでした。
『絵踏』が展覧会から撤去されたことから、この作品は「幻の作品」として語られることが多くなったのです。
短期間の展示ゆえに、その迫力や社会的メッセージを直接目にする機会は限られており、存在感を強く印象づける要因となったといえるでしょう。

また、この事件は尾竹三兄弟のアナキズム的な表現を強めるきっかけともなりました。
従来の美術界に対する反発が高まり、彼らは独自の画塾展を開催し、自由で前衛的な表現を追求し始めます。

尾竹三兄弟の反骨精神と独立心は、その後の日本画の革新へとつながります。
『絵踏』を巡るできごとは、彼らが従来の美術界に対して挑戦的な姿勢を貫き、後の前衛的な日本画の方向性を示す重要な転機となったのです。
このように、『絵踏』は単なる一枚の絵画としての枠を超え、その波乱の経緯も含めて、日本美術史の中で特別な位置を占めることとなりました。

『絵踏』が撤去された理由と再評価

『絵踏』は、1908年に発表されるも、展覧会での運営上の問題により、展示初日からわずか4日後に会場から撤去された作品です。
撤去は作品内容の評価に関係するものではなく、展覧会での運営上のトラブルによって引き起こされたものでした。
キリスト教の迫害をテーマにしたこの絵画は、当初は多くの注目を集めましたが、その後、長い間人々の目に触れることはありませんでした。

しかし、2024年の特別展「オタケ・インパクト―越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム―」において修復され、初めて公開されることとなります。
『絵踏』の公開は、尾竹三兄弟の作品や彼らの活動が再評価される機会となり、改めてその独自の視点や表現が注目されています。

社会的メッセージを込めた代表作であり波乱万丈な人生を歩んだ『絵踏』

国観は、独自のスタイルと視点を持ち続けた日本画家で、彼の作品は、当時の日本社会に対する鋭い洞察を反映し、特に『絵踏』はその代表作として高く評価されています。
この作品は、国観の芸術的な革新性や社会的メッセージを強く感じさせるものであり、今もなおその価値が再評価されています。
『絵踏』は、単なる歴史画ではなく、彼の時代に対する深い洞察を反映した作品であり、その社会的なメッセージは今もなお多くの人々に響き続けているのです。

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