床の上の芸術品とも呼ばれるペルシャ絨毯。ペルシア王朝時代から長きにわたって織り継がれてきた伝統的な絨毯です。ペルシャ絨毯は構図や文様もさまざまですが、サイズも複数あり大きさによって呼び名が異なります。敷物としてはもちろん、タペストリーとして壁に飾ったり、テーブルクロスとして使ったり、さまざまな使い方ができます。ペルシャ絨毯のサイズを知ることは、用途の幅を広げることにつながるでしょう。
ペルシャ絨毯のサイズ・用途はさまざま
ペルシャ絨毯の明確な起源はわかっていませんが、遊牧民として暮らす人々が羊毛で衣類やテントを作って生活していたところから、糸を紡ぐ技術を身に付け敷物づくりが始まったといわれています。また、ペルシャ絨毯が広く利用されるようになったのはイスラム教徒の発展があったからです。イスラム教徒では1日5回、ひざまづいて祈祷を行います。その際に足元に敷くようになったのがペルシャ絨毯でした。
踏まれるほどに魅力が増すといわれているペルシャ絨毯はさまざまな用途に利用できます。玄関やリビングなどの敷物としてだけではなく、イスラム教の礼拝に利用されたり、装飾品として飾られたりもしています。また、古くからは敷物としてだけではなく、袋状にして物を収納したり、食品を貯蔵したりと収納用品としての活用もされてきました。カーテンのように部屋を仕切るインテリアとしても利用でき、遊牧民にとっては欠かせない生活アイテムの一つでした。
現在では玄関や家具の下に敷いて、自宅のインテリアとして利用する人も多くいますが、その構図や文様の美しさから、美術品としての扱い方もされています。独特の文様や存在感に魅了され、タペストリーとしてペルシャ絨毯を壁にかけ、楽しむ人も増えています。
用途にあわせたペルシャ絨毯のサイズ選びを
ペルシャ絨毯はサイズや形が豊富にあります。サイズごとにお勧めな使い方は以下のとおりです。
ミニ:座布団として使いやすいサイズ。
ボシティ:クッションを意味するペルシャ語。本来はクッションを加工するためのもの。日本では玄関マットとしてよく使われている。
ザロチャラク:女性や子ども用の礼拝絨毯として使われていた。日本では玄関やベッドサイドでの利用が多い。
ザロニム:男性用の礼拝絨毯として使われていた。広めの玄関や2人掛けのソファーの足元に向いているサイズ。
ドザール:最も人気のサイズ。3人掛けソファーの足元にぴったりなサイズ。
バルデ:カーテンを意味するペルシャ語。3畳に近いサイズでリビングのテーブルやソファの足元に使いやすい。
キャレギ:頭を意味するペルシャ語。もともとイランでは部屋の中央にキャレギを敷いて、左右の側部にケナレ、上部に幅の狭いキャレギを敷く形が主流だったが、西洋式の家が増え敷き方が変わってきている。現在は、リビングやダイニングに用いられている。日本では和室に敷く場合もある。
ガリ:キャレギよりもさらに大きいサイズで、欧米で人気のサイズ。日本ではリビングの大きさに合いにくいため、あまり輸入されていない。
ケナレ:細長い形をしているため、日本では廊下に利用しやすいサイズ。
また、ペルシャ絨毯の形には、長方形はもちろん正方形(スクエア)や円形(ラウンド)、楕円形(オーバル)などがあります。ペルシャ絨毯は長方形の人気が高く、ほかの形の生産は少ない傾向です。
生活空間を彩るペルシャ絨毯はサイズもさまざま!
ペルシャ絨毯にはさまざまなサイズや形があります。長方形の人気が高く、最も多く生産されています。正方形や円形、楕円形の生産は、長方形と比べると少ない傾向です。ペルシャ絨毯はサイズにより適した使用用途が異なるため、お買い求めの際はどのような目的で使いたいかを決めてから選ぶとよいでしょう。また、規定のサイズだけではなく、オリジナルの大きなサイズのペルシャ絨毯も作られています。自宅の大きさや雰囲気にあわせたペルシャ絨毯を購入するなら、オリジナルサイズの商品も検討してみましょう。