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色鮮やかで美しい孔雀を題材とした掛軸

掛軸の題材としても特に目を引く美しさの孔雀。

圧倒的な美しさで人々を魅了してきた孔雀は、多くの著名作家によって描かれています。

神秘的な姿が魅力の孔雀は古くから日本芸術の画題として扱われてきました。孔雀はギリシャ神話で女神ヘラの象徴といわれ、仏教の世界では孔雀明王といわれています。またインドでは国鳥になっています。

 世界中で時代を超えて人々の視線を集めてきた孔雀が、日本にもたらされ芸術作品に取り入れられていった軌跡を辿ってみましょう。孔雀の歴史や魅力を知ることで日本の美術作品の楽しみ方も増えるかもしれません。

 

孔雀はいつから日本にいた?

生きた宝石ともいわれる美しい鳥「孔雀」の絵が日本に入ってきたのは飛鳥時代といわれています。
日本書紀の記録によると、598年に朝鮮半島の新羅から推古天皇のもとへ献上品として孔雀が贈られました。
以来、日本で孔雀は仏教彫刻や仏教絵画として表現されてきました。
たとえば、狩野派発展の基礎を確立したとされる狩野元信は『四季花鳥図屏風』のなかで四季折々の花と一緒に艶やかな孔雀を描いています。

江戸時代に入ると、絵師たちは鶏や鶴など日本に生息する鳥以外にも孔雀やオウムなど舶来の鳥をモチーフに絵画を制作するようになりました。
孔雀は花鳥画の一部としてだけではなく、日本絵画の主役としても描かれるようになっていきます。
孔雀を主題として描いた有名作品の一つに、尾形光琳が描いた『孔雀立葵図屛風』があります。

江戸時代後期になると、写実派の絵師である森狙仙が印象的な孔雀の絵を描きました。
森狙仙といえば「猿描き狙仙」と称されるほど生き生きとした猿の絵を描くことで有名ですが、この写生に重きをおいた彼の画風は、孔雀をはじめとするほかの動物の絵画においてもその技術を存分に発揮しています。

 

縁起物としての孔雀

鮮やかで美しい羽根が印象的な孔雀は、生命力が強い鳥といわれており、毒蛇や害虫すらも食べてしまうといわれています。そのため、古来より孔雀は、邪気を払う鳥として信仰されてきました。
また、繁殖力も高いため子孫繁栄の意味をも持っている鳥です。そのため、結婚式用の着物には孔雀の柄がよく利用されています。

古くから不滅のシンボルとして世界中で崇められるとともに、孔雀の美しい羽と優雅な姿は富をイメージさせ、繁栄をもたらすとされてきました。特にインド文化では孔雀が富と吉祥の象徴とされており、寺院や宮殿の装飾や祭りでよく使用されています。

キリストの聖書では、扇のように広げられた孔雀の飾り羽は太陽を表しており、神の象徴として扱われています。また古代ギリシャ人は孔雀の肉は死後も腐らないと信じていたため、孔雀は不死の象徴となりました。

 

有名作家も描いた、美しい孔雀

飛鳥時代に日本へ伝わってきた孔雀は、多くの掛軸作家によって描かれています。
世界中の人々を魅了する孔雀を日本作家はどのように描き、表現しているのか気になるところです。また作家の画風や特徴が反映された孔雀画を見比べて鑑賞してみるのもよいでしょう。
有名作家が描いた孔雀作品を知り、孔雀掛軸の鑑賞の楽しみ方を見つけてみましょう。

円山応挙

作家名:円山応挙(まるやまおうきょ)
代表作:『牡丹孔雀図屏風』
生没年:1733年-1795年

円山応挙は日本写生画の祖といわれている画家で、江戸時代の半ばに京の都を活動の場としていました。
円山応挙が描く多くの作品は、優れた写生技術と余白の空間意識が見事に表現されています。
数多くの名作を生み出した円山応挙は、孔雀の絵を描いていることでも有名。円山応挙が描いた『牡丹孔雀図屏風』には、雄孔雀が太湖石に立ち美しい飾り羽をたらしている様子と、そのそばに歩み寄る雌孔雀が描かれています。

円山応挙は狩野派や舶来玩具に使われていた西洋の遠近法や陰影法、さらには中国の写生的な花鳥画に学んだ南蘋派などさまざまな画風から学び、絵の技術を磨いていきました。『牡丹孔雀図屛風』も円山応挙の高い写生技術と装飾的な画風が魅力を呼び、人々から人気を集めていました。

作品を細かくみていくと、雄孔雀の首から胸元にかけては羽毛が詰まって膨らんでいるような表現が、絵具をあまり盛らずに表現されています。
飾り羽は重なりを表現するかのように、下から繰り返し線を重ねて描かれているのが分かります。
これらの高い絵の技術により、量感や質感が巧みに表現されているのが魅力といえるでしょう。

長沢芦雪

作家名:長沢芦雪(ながさわろせつ)
代表作:『牡丹孔雀図』
生没年:1754年-1799年

長沢芦雪は20代後半で奇想の画家と呼ばれ、人気絵師として多くの有名作品を残しています。
そしてその長沢芦雪もまた迫力のある孔雀の絵を描いています。
『牡丹孔雀図』は、孔雀の羽の質感を表現しているかすれた墨線や、意識的に形をゆがませている玉模様、水墨画のにじみによりリアリティのある岩など、長沢芦雪の形態感覚や運動感覚が活かされた作品です。
空中には紋白蝶が飛んでおり、牡丹の花弁や地面に小さな蟻や蜘蛛まで描かれています。
随所に繊細な長沢芦雪の絵画技術がみられる『牡丹孔雀図』は、すみずみまで鑑賞したい作品といえるでしょう。

伊藤若冲

作家名:伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)
代表作:『孔雀鳳凰図』
生没年:1716年-1800年

伊藤若冲は江戸時代に活躍した画家の一人。
独学で絵を学び、1800年に84歳で亡くなるまで多くの名作を生み出し続けました。
伊藤若冲作品の魅力は、卓越した技巧から生み出される色彩豊かで綿密な描写と、どこか超現実主義を思わせるような幻想的な表現力です。
斬新な発想力や常識に捉われない画法が今日まで多くの人を魅了しています。
伊藤若冲は動物や植物などの自然を題材にした作品を多く残しており、孔雀を題材にした作品も描いています。

『孔雀鳳凰図』は伊藤若冲の生誕300年にあたる2016年に発見された絵画です。
42歳前後に制作された絵といわれており、伊藤若冲の画風がまだ成熟する前の時期にあたります。そのため、この作品からは初々しさが感じられるものの、細部まで綿密に描かれた描写が魅力的な作品であるといえるでしょう。

 

『孔雀鳳凰図』伊藤若冲 (岡田美術館 収蔵)[引用元:岡田美術館 公式HP]
『孔雀鳳凰図』伊藤若冲 (岡田美術館 収蔵)[引用元:岡田美術館 公式HP]

 

縁起の良い孔雀掛軸を観賞しましょう

鮮やかで大きく広がった羽が印象的な孔雀を題材とした作品は、日本でも多く描かれており、写実的な作品から色鮮やかで幻想的な作品までさまざま。現に、孔雀を題材とした掛軸も多く残されています。
孔雀の幻想的な姿は、現在に至るまで多くの絵師たちの創作意欲を掻き立て、今もその作品は多くの人を魅了し続けています。

孔雀は古くから世界中で縁起の良い鳥とされ、子孫繁栄の意味や不死の象徴、富と繁栄をもたらすなどといわれてきました。
日本の絵師たちが描いた孔雀作品を鑑賞するとき、孔雀の絵に込められた意味や思い、歴史を想像して見ると、より一層深く作品を堪能することができるでしょう。

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