色鮮やかで独特な文様が魅力のペルシャ絨毯。ペルシャ絨毯は手織りで作られているため、製作に時間がかかります。丁寧かつ綿密に織りあげられたペルシャ絨毯は、はっきりと文様が浮かび上がり、美しさが際立つでしょう。手間がかかっている分、その価値も高まります。芸術的価値の高いペルシャ絨毯の製作期間や作業の様子を知り、その美しさと価値を再認識しましょう。
ぺルシャ絨毯の製作期間は?
ペルシャ絨毯を1枚製作するためには、およそ1年から3年近くの時間が必要です。もちろん、サイズや目の細かさにより所要時間が変わりますが、織りの工程では1日に数ミリしか進められないため、製作には長い年月を必要とします。
ペルシャ絨毯はノットが高密度で、薄くしなやかな仕上がりなものほど価値が高まります。薄手の絨毯を作るには細い糸を使用しなければなりません。細い糸を使用すればその分製作期間も長くなるでしょう。そのため、完成まで10年の月日がかかることも。上質な素材と繊細な製作を行っているペルシャ絨毯ほど製作に時間がかかり、希少価値が増すのです。
ペルシャ絨毯の製作に年数がかかる理由
ペルシャ絨毯の製作は、年単位の時間がかかります。製作に膨大な時間と手間がかかるのは、ペルシャ絨毯が手織りで製作されているためです。ペルシャ絨毯は素材を希望する色に染め上げてから織る作業に入ります。
必要な材料や道具はいたってシンプルで、縦糸と横糸、パイル用の糸の3つの素材と、織り機とナイフやはさみ、重たい櫛状の道具だけです。織り機の縦方向に横幅分の縦糸を並べていき、そこに横糸を織りこみ、パイルを結んでいく作業を繰り返します。サイズが大きいほど1列にかかる時間も長くなり、この数ミリの1列を仕上げるのに1日かかる場合もあり、ペルシャ絨毯としての形になるには数年の月日が必要なのです。
ノット数が多く目が細かいほど製作期間は長くなる
ノットとは、ペルシャ絨毯の編み目の細かさを表す言葉です。この結び目が多ければ多いほど、密度が高く、高価なペルシャ絨毯とされています。ノットが細かく数が多いということは、その分糸を織る回数も増えるでしょう。そのため、ノット数が多く目が細かいほど製作期間は長くなります。
ノットが荒いと、ペルシャ絨毯の醍醐味でもある美しい文様がはっきりと浮かび上がりません。そのため、ノット数はペルシャ絨毯の命ともいえます。ノット数が多ければ手間もかかりますが、その分美しい文様がはっきりと描かれた美しいペルシャ絨毯を作りあげられるのです。
製作期間をかけるからこそ希少で美しいペルシャ絨毯に
ペルシャ絨毯の製作に時間がかかるのは、手織りにこだわり味わい深い文様を丁寧に製作しているためです。製作にはおよそ1~3年、長いものだと10年もの年月がかかります。天然素材や天然染料にこだわり、さらにノット数の多い密度の高いペルシャ絨毯には、より高い価値がつくでしょう。手織りならではの美しさは、時間と手間をかけて作り上げられています。ペルシャ絨毯は、数年の歳月をかけて丁寧に手織りされていると知ったうえで鑑賞すると、また違った楽しみ方ができるでしょう。