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浮世絵版画の作り方:制作の工程を知るともっと楽しい

江戸時代から、庶民の間で広く人気を集めていた浮世絵。
さまざまな画風やデザインで親しみやすい浮世絵ですが、実際にどのように作られているか知らない人も多いでしょう。
浮世絵にかかわっているのは浮世絵師だけではありません。
さまざまな職人の手が加わり、美しい浮世絵が完成されているのです。

制作の流れやどのような職人がかかわっているのかを知ることで、浮世絵の新たな魅力を発見できるかもしれません。
浮世絵を鑑賞するときの楽しみが増えるよう、制作工程について知っておくとよいでしょう。

 

浮世絵はどうやって作られていた?

浮世絵と聞くと、喜多川歌麿(きたがわうたまろ)や葛飾北斎(かつしかほくさい)など、絵師を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、浮世絵は絵師がすべての作業を担っているわけではありません。
企画を版元が、原画を絵師、版木を彫師、紙に摺るのを摺師というように、分業制で制作されています。それぞれ専門職人が作業を担うことで、クオリティの高い浮世絵が誕生しているといえるでしょう。

企画 <版元>

版元とは、現代でいう出版社のような存在です。
浮世絵を売り出す店を指しており、商品の企画・プロデュースも行います。
出版全体の責任者でもあるため、時代にあわせてどのような浮世絵を出せば売れるか、見極める能力が必要な仕事です。

江戸時代に活躍した版元として有名なのが蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)。
版元の社長でありメディアの王と呼ばれています。
葛飾北斎や喜多川歌麿などの有名な絵師の才能を見出し、さらには東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)など独特な浮世絵師も生み出しました。

もとは、吉原の引手茶屋を間借りして書店を開いていました。
24歳のころに吉原の案内書である『吉原細見(よしわらさいけん)』の編集者に選ばれ、出版の道を歩み始めます。
数々の偉才をこの世に送り出した蔦屋重三郎でしたが、寛政の改革により浮世絵は、風紀を乱すものとして厳しく規制されてしまいました。
1791年には、山東京伝の洒落本・黄表紙の3冊が取り締まりの対象となり、山東京伝は手鎖50日、蔦屋重三郎は財産の半分を没収されてしまいます。

しかし、蔦屋重三郎は幕府の規制にも負けず、前代未聞のエンターテイメントを仕掛けます。
当時はまだ無名だった東洲斎写楽が描いた28枚の役者絵を、一挙に売り出す大胆な企画を打ち出しました。
その後も東洲斎写楽は、10か月ほどで140点もの作品を発表し、一躍有名になりました。
のちに忽然と姿を消したためさまざまな噂が飛び交う、謎多き絵師として現在でも語り継がれています。

蔦屋重三郎は、東洲斎写楽がデビューしてから3年後の1797年に、江戸わずらいと呼ばれていた脚気により亡くなっています。

絵を描く <絵師>

絵師とは、現代でいうイラストレーターのような存在です。
版元から依頼を受けた絵師は、下絵となる画稿を墨一色で描き、そのあとに決定稿となる版下絵を制作していきます。
浮世絵が話題に上がるときには、浮世絵師の名前も一緒に挙がるため、多くの有名絵師の名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
多くの浮世絵師は、木版画の原画を描きながら、肉筆画も手がけていました。当時、肉筆画の方が高い画料を設定できたため、多くの絵師が描いていたと考えられます。

江戸時代の有名浮世絵師といえば、菱川師宣(ひしかわもろのぶ)や歌川国芳(うたがわくによし)などもその一例です。
菱川師宣は『見返り美人』を描いた絵師として有名で、江戸時代初めに活躍していて浮世絵の始祖とも呼ばれています。

歌川国芳は、江戸時代末期に活躍した浮世絵師です。斬新で奇抜なデザインやアイディア、高い画力により、浮世絵の枠には収まりきらない魅力的な作品を数多く生み出しました。有名な作品に『相馬の古内裏』があります。

版木を彫る <彫師>

彫師とは、絵師が描いた原画をもとに、木製の板を彫っていく職人です。
彫師の作業は、1枚の作品に対して複数人で分担するケースもありました。絵師によって版下絵のクオリティはさまざまですが、多くの場合で髪や頭髪などは簡単な線で描写されています。

そのため、髪の毛1本1本の細かな描写は、彫師のセンスと技量にゆだねられていました。
大元となる主版を彫った後に、絵師の色さしに沿って色版も彫っていきます。

紙に摺る <摺師>

摺師とは、彫師が彫った版木に顔料を染み込ませて、紙に摺って浮世絵を完成させる職人です。全体のバランスを見ながら、版木や紙、絵の具などを微調整して摺っていきます。
一般的には、色版がズレてしまうのを防ぐために、始めに主版を摺り、次に色版の順で重ね摺りしていきます。
色版の摺り方にも工夫がされており、仕上がりの美しさを優先して、摺り面積の小さい色から順に、薄い色から優先して摺られていきました。

 

浮世絵職人たちの高度な技術

浮世絵は、分業によって高い品質を維持し、多くの有名作品が誕生しています。
浮世絵職人たちの高度な技術により、レベルの高い作品が多く制作され、江戸時代の人々を楽しませていました。
彫師の技法として、毛割と呼ばれるものがあります。美人画や役者絵などのように人の顔をメインに描かれた浮世絵では、髪が流れるような細かい描線や生え際の美しさも魅力の一つでした。これらを表現するために、彫師は1mmに2本ほどの髪の毛を彫ることもありました。

摺師の技術として、一文字ぼかしと呼ばれる技法があります。
浮世絵のぼかしたい部分の版木に、水を含ませた布や刷毛をあてて濡らし、その上に絵の具をおいていきます。にじんできたタイミングで紙に摺る技法をぼかしといい、水平かつ真っすぐなぼかしを一文字ぼかしと呼んでいました。
ぼかしは、海や空などのグラデーションを表現するために用いられる技法です。

 

浮世絵の作り方を知ると、その技術の高さがより分かる

浮世絵は、浮世絵師がすべての作業を担って完成されているわけではなく、分業により制作されているとわかりました。
販売のための企画やプロデュースを版元が、絵のデザインを絵師が、絵師の原画を版画にするのが彫師、紙に摺って完成させるのが摺師です。
分業を行い、それぞれの専門技術を集結させることで、美しい浮世絵が作られています。
今後、浮世絵を鑑賞する際は、浮世絵師が描いたことだけではなく、さまざまな職人の思いが込められていることを感じながら見てみてはいかがでしょうか。

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