最高額で売るなら、
だるま3で解決!

最高額で売るなら、だるま3で解決!

浮世絵独特の美しい白は、日本の和紙だからこそなせる業

江戸時代、庶民の間に広まっていった浮世絵は、階級に関係なく多くの人々が楽しめる娯楽としての立ち位置を確立しました。現代では、当時の浮世絵作品を美術館や博物館で見かけることが多いでしょう。しかし、有名絵師の浮世絵は現代でも摺られており、伝統的な手法を用いて制作された浮世絵を自宅でも楽しめるのです。

浮世絵にはどんな和紙が使われていた?

浮世絵をはじめとした日本の絵画作品は、繊細な材料と制作により成り立っています。とくに絵が摺られる和紙は、制作後の劣化を防ぐためにも、十分な品質を確保する必要がありました。

浮世絵版画には丈夫な和紙が欠かせなかった

浮世絵は、一般的に「奉書紙」と呼ばれる手すき和紙に摺られていました。奉書紙の主な原料は、楮に白土を混ぜ合わせたもので、純白の美しさから高級和紙として取り扱われていました。主に最高級の公文書に使われることも。楮は、繊維が長く丈夫な紙を作るのに向いている原料です。成長も早く2、3年で収穫できるため、環境にも優しい原料といえるでしょう。

浮世絵は、1枚の紙に何色も色を摺り重ねていくため、丈夫な紙でないと破れてしまうおそれがあるのです。そのため、楮を含む耐久性に優れた和紙が好んで使用されました。

高級和紙「越前奉書」

「越前奉書」は、公用紙や写経紙、版画用紙、紙幣などに用いられる最高級紙です。福井県の嶺北地方にある越前市で作られてきた和紙で、職人が地道に技術を磨き、現在もなお最高級の和紙を生産しています。

越前和紙の発祥は、今から約1500年ほど前にまでさかのぼります。26代継体天皇が越前に潜んでいたころ、岡太川の上流に美しい女神が現れ、村で紙漉きを生業とすれば生活が楽になると村人に説き、紙の漉き方を伝授したそうです。

越前和紙の名が全国に広まったのは、「鳥の子紙」と「越前奉書」がきっかけです。武家社会の時代、和紙は公用紙として用いられるようになり、このとき重宝されていたのが越前鳥の子紙でした。紙の色合いが鶏の卵のように淡かったことからその名がつき、品質の良さから紙の王者とも呼ばれていました。

その後、室町時代に越前奉書が誕生しました。越前奉書は、ふっくらと厚手の質感が特徴的です。奉書は、公家や武家の公用紙を指しており、楮を原料とした丈夫で上質な楮紙が用いられていたため、奉書紙と呼ばれるように。越前奉書は、1338年に将軍の命令を記す奉書専用の最高級紙として使われたことで、全国に広まっていったそうです。江戸時代には、幕府の御用紙となり、高級浮世絵版画用紙として多くの名作を制作する際に用いられました。

 

和紙だからこそできる、浮世絵の美しい表現

丈夫な和紙は、何度も異なる色を摺る浮世絵の制作で重宝されてきました。紙をちぎってみると紙の繊維がはっきりと見えます。繊維が細かく絡み合っているため、絵の具の粒子がしっかりと染み込み、200年近く前に制作された作品でも、はっきりとした色合いが残っているのです。

喜多川歌麿の描いた、肌の質感

江戸時代中期に活躍した浮世絵師・喜多川歌麿(きたがわうたまろ)。美人画を得意としており、繊細で品のある描線が特徴です。女性の仕草や気品、表情の美しさが繊細かつ華麗に表現された作品が多く存在します。『婦女人相十品・ポッピンを吹く女』も代表作の一つで、肌の柔らかな質感を、和紙をうまく生かして表現している特徴があります。

『婦女人相十品・ポッピンを吹く女』喜多川歌麿
『婦女人相十品・ポッピンを吹く女』喜多川歌麿

歌川広重の描いた、降り積もる雪

江戸時代の末期に活躍した浮世絵師・歌川広重(うたがわひろしげ)。四季折々の美しい自然や天気などを表情豊かに表現した画風が特徴です。とくに、雪や雨の表現に優れていて、歌川広重を超える浮世絵師はいないといわれています。歌川広重の代表作『東海道五十三次』の『蒲原 夜之雪』では、蒲原に降り積もる雪のやわらかな質感や量感を、和紙の肌の白さを活かしつつ墨のぼかしを重ねグラデーションを作ることで、見事に表現しています。

『東海道五拾三次 蒲原 夜之雪』歌川広重
『東海道五拾三次 蒲原 夜之雪』歌川広重[出典:wikipedia]

 

鈴木春信の描いた、着物

江戸時代中期に活躍した浮世絵師・鈴木春信(すずきはるのぶ)。美人画や若い男女の恋模様などを多く手掛け、人気を集めていました。男女ともに色っぽいというよりは、華奢で可愛らしい姿の画風を得意としており、中国美人画の影響が見受けられる作品も多く残されています。鈴木春信の代表作『雪中相合傘』では、美しい女性の白い着物を和紙そのものの色合いで表現しています。

しかし、よく見ると女性の着物にうっすらと模様が浮かんでいるのです。こちらは空摺と呼ばれる技法で、版木に色を付けずに摺って和紙の表面に凹凸を生み、模様を描く方法です。

葛飾北斎の描いた、白波

江戸時代を代表する浮世絵師で、世界的な人気を誇っている葛飾北斎(かつしかほくさい)。生涯現役を貫き多くの作品を世に残した葛飾北斎の画風は、同じ絵師が描いたとは思えないほどの多彩さが特徴です。浮世絵だけではなく、狩野派や土佐派、西洋画法など多様な絵画から学びを得たため、多彩な作風が生まれたと考えられます。

葛飾北斎の代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』では、躍動感ある波が輪郭線を用いてはっきりと描かれています。また、数種類の藍色を重ね摺りすることで、和紙そのものの白さが強調され、白波の白さがはっきりと表現されているのが特徴的です。

『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』葛飾北斎
『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』葛飾北斎

 

日本の和紙の良さを生かした、美しい浮世絵

日本の和紙の良さを引きたたせる浮世絵作品。浮世絵作品と和紙には深いつながりがあります。丈夫で繊維が絡み合った和紙を利用することで、古くに制作された浮世絵でも、鮮やかな色合いを保った状態で現代に残されているのです。和紙の白さを浮世絵の表現方法として用いている作品も多くあります。今後、浮世絵を鑑賞する際は、作品のモチーフや画風だけではなく、用いられている和紙にも注目してみてはいかがでしょうか。

人気の買取業者はこちら 人気の買取業者はこちら

人気浮世絵買取業者はこちら

あなたのお家にある “浮世絵、高く” 売りませんか?

買取業者を探す