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最後の浮世絵師「月岡芳年」が手がけた『新形三十六怪撰 おもゐつつら』

武者絵から美人画まで、多彩なジャンルの浮世絵を手がけていた月岡芳年。
無残絵や血みどろ絵などが有名で、グロテスクな描写が癖になっている人も多いのではないでしょうか。
刺激の強い表現を生かして、武者絵だけではなく妖怪やお化けを題材にした作品も多く手がけています。
芳年の描く浮世絵は、一度見たら忘れられない大きなインパクトをもっています。

無残絵を得意とする月岡芳年は妖怪を題材にした絵も多く描いている

芳年は、幕末から明治中期ごろに活躍した浮世絵師で、インパクトのある無残絵を手がけていたことから、「血まみれ芳年」と呼ばれることもあります。
また、浮世絵の勢いが失われつつあった時代に活躍していた浮世絵師であるため、最期の浮世絵師とも称されています。

『新形三十六怪撰 おもゐつつら』は、日本古来の物語に登場する妖怪やお化けを描いた新形三十六怪撰シリーズの一作品です。

月岡芳年が描いた『新形三十六怪撰 おもゐつつら』とは

『新形三十六怪撰 おもゐつつら』月岡芳年 [引用元:wikipedia]
『新形三十六怪撰 おもゐつつら』月岡芳年 [引用元:wikipedia]

作品名:新形三十六怪撰 おもゐつつら
作者:月岡芳年
制作年:1892年
技法・材質:錦絵・和紙
寸法:37.0×25.3cm
所蔵:北九州市立美術館

『新形三十六怪撰 おもゐつつら』とは、日本のお伽話である「舌切り雀」のワンシーンを描いた浮世絵です。
葛籠から飛び出す妖怪たちと驚いて尻もちをついているお婆さんの姿が描かれています。

妖怪やお化けを題材にした浮世絵は、新形三十六怪撰シリーズだけではありません。
日本と中国の怪奇談や英雄に関する伝説を題材にした「和漢百物語」シリーズや、月を題材にした「月百姿」シリーズなど、多くの連作において妖怪やお化けを浮世絵の中に登場させています。
その中でも、「新形三十六怪撰」は、芳年が晩年に制作した妖怪やお化け絵の集大成といわれているのです。

日本のむかしばなしを題材にして描かれた『新形三十六怪撰 おもゐつつら』

題材となっている舌切り雀は、ケガをした雀を発見したお爺さんが手当てをしたところから話が始まります。
助けてもらった雀は、一緒に住んでいるお婆さんが準備していた障子を張り替えるための糊を、知らずに食べてしまいます。
怒ったお婆さんは、雀の舌を裁縫ばさみで切り落として、家から追い出してしまいました。

雀が心配なお爺さんは、山を探し回り、雀の住みかを発見します。
雀は、お爺さんに糊の件を謝罪し、手当てへの感謝の気持ちを伝えると、お礼として葛籠を渡しました。
お爺さんが家に帰って葛籠を開けてみると、なかには金銀財宝がたくさん入っていました。
これを見たお婆さんは、自分も葛籠をもらうために雀の住みかに押しかけます。
強引に奪うようにして葛籠を受け取ると、家に着くまで開けてはいけないという雀の忠告を無視して、道端で葛籠を開けてしまいます。
すると、葛籠の中からは金銀財宝ではなく、さまざまな妖怪たちが一斉に飛び出してきたのでした。

新形三十六怪撰は月岡芳年の集大成的作品群

新形三十六怪撰は、芳年が神経病とたたかい、苦悶の中で完成させた36図の連作です。
日本古来の説話や歴史物語の中に登場する幽霊や妖怪、化身、奇異を描いた作品群で、芳年自身が見た幻覚の世界を描いています。
『新形三十六怪撰 源頼光土蜘蛛を切る図』や『新形三十六怪撰 内裏に猪早太鵺を刺図』など、武者が化物を退治するシーンや幽霊が多いのも特徴の一つ。
『和漢百物語』から描き続けてきた妖怪絵の集大成ともいえるでしょう。
1889年に刊行され、完結したのは25年後と、芳年が亡くなった後のことでした。
後半の作品のうち数点は、芳年の版下絵をもとに、門下であった水野年方や右田年英がサポートし、完成させています。

過激な表現とダイナミックな構図で人々の心をつかんだ月岡芳年

今回紹介した『新形三十六怪撰 おもゐつつら』をはじめとした数々の作品は、大胆で迫力のある構図や過激な表現が人々の記憶に強く焼き付き、現代でも多くの人の心を惹きつけているといえるでしょう。
芳年が描く妖怪は、恐ろしいだけではなくどこか妖艶さを含んでおり、その魅力に引き寄せられた人の心に付け入り、凍りつくような恐怖と残酷さを現します。
恐ろしさだけではなく、人々を惹きつける妖しい魅力をもった芳年の作品は、直接自分の目で見てみたくなるものです。

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