最高額で売るなら、
だるま3で解決!

最高額で売るなら、だるま3で解決!

輪郭線は浮世絵最大の特徴!西洋絵画にはない独自の技法

浮世絵の大きな特徴の一つとして、輪郭線が挙げられます。
西洋絵画ではあまり見られない技法で、日本の浮世絵の雰囲気を作っている、独自の技法ともいえるでしょう。
輪郭線がなぜ描かれているのか、どのような描かれ方をしているのか知ることで、浮世絵の新たな楽しみ方を発見しましょう。

江戸時代に上流階級だけではなく、一般庶民の間にも広く知れ渡り人気を集めた浮世絵。
ただ、絵柄を楽しむのではなく、輪郭線をはじめとした技法部分にも目を向けると、浮世絵の新たな一面を発見できるかもしれません。

浮世絵の特徴、輪郭線について

浮世絵の特徴であり魅力の一つでもあるのが、輪郭線です。
西洋絵画ではルネッサンス以降、輪郭線をはっきり描くことはせず、人物に陰影をつけたり遠近法を活用したりして写実性を感じられる絵画を描いていました。

一方、浮世絵をはじめとした日本画の多くは、輪郭線がはっきりと描かれています。
浮世絵でも、西洋からもたらされた遠近法も取り入れられてはいますが、輪郭線を使って印象的な画面を構成する手法が好まれました。線で囲んだ部分をそれぞれ単色で表現しているのも特徴的です。

浮世絵は、写実性を重視するよりも、見たものにインパクトを残し心を惹きつけることを目的に描かれていたともいえます。

 

浮世絵にはなぜ輪郭線があるのか

浮世絵が、絵師1人で制作しているのではなく、複数の職人が分業して制作している点も、輪郭線が描かれる理由の一つといえます。

絵師によって描かれた輪郭線を頼りに、彫師が板を彫り進めていく工程があるためと考えられるでしょう。
浮世絵作品が完成されるまでには、絵師・彫師・摺師の3つの職人がかかわっています。
まずは絵師が、浮世絵のデザインとなる下絵を制作します。このとき、色の指定や細部の彫りや摺りを細かく指定していくことも。

原画が完成すると、それをもとに彫師が版木にデザインを彫り進めていきます。
まずは、黒1色で表現される輪郭線を彫っていきます。主版が完成したら、摺る色ごとに版木を分けて彫り、表現する色の数だけ色版が用いられるのです。

主版や色版が完成したら、摺師が紙に摺っていき浮世絵ができあがります。
このように浮世絵は分業により制作されていることから、デザインの目印となるよう輪郭線が描かれているとも推察できます。

 

浮世絵に見る、輪郭線

浮世絵でよく見られる輪郭線は、絵師によって特徴があります。
輪郭線の描き方によりさまざまな印象を表現しているのです。
歌川国芳(うたがわくによし)の『於岩ぼうこん』や歌川国貞(うたがわくにさだ)の『通俗水滸伝豪傑百八人之一個 混江龍李俊』、楊洲周延(ようしゅうちかのぶ)の『竹のひと節 本朝二十四孝 狐火』でも、輪郭線が工夫して描かれており、それぞれ異なる特徴を持っています。

歌川国芳『於岩ぼうこん』

歌川国芳が描いた浮世絵『於岩ぼうこん』でも、輪郭線がはっきりと描かれています。
虫籠と団扇を手にして踊るお岩の姿を描いた作品で、背後には朽ち果てたお岩の姿が重なり、同じようにポーズを取っています。
お岩とお岩の亡霊の間には、はっきりとした輪郭線が描かれているのがわかるでしょう。

『於岩ぼうこん』歌川国芳
『於岩ぼうこん』歌川国芳[出典:The Art of Japan]

『於岩ぼうこん』は『東海道四谷怪談』系統の舞台の一部を描いたもので、物語の終盤を表している作品です。
多くの悪事を働いた主人公の夢に美しい娘お岩が登場します。次第に亡霊としての姿を現していく、幻想的かつ恐ろしいシーンを描いています。

歌川国貞『通俗水滸伝豪傑百八人之一個 混江龍李俊』

楊洲周延が描いた『竹のひと節 本朝二十四孝 狐火』でも、輪郭線が描かれています。
この作品は『本朝廿四孝』と呼ばれる浄瑠璃や歌舞伎、日本舞踊の演目の一つとして有名な物語のワンシーンを描いたものです。

着物の裾の曲線もはっきりとした輪郭線で表現されています。
また特徴的なのが、中央の人物よりも両端でポーズを決めている人物の輪郭線を薄く描いている点です。
輪郭線の濃淡により、遠近感を表現しているともいえるでしょう。

『通俗水滸伝豪傑百八人之一個 小季広花栄』歌川国芳
『通俗水滸伝豪傑百八人之一個 小季広花栄』歌川国芳

楊洲周延『竹のひと節 本朝二十四孝 狐火』

楊洲周延が描いた『竹のひと節 本朝二十四孝 狐火』でも、輪郭線が描かれています。
この作品は『本朝廿四孝』と呼ばれる浄瑠璃や歌舞伎、日本舞踊の演目の一つとして有名な物語のワンシーンを描いたものです。

着物の裾の曲線もはっきりとした輪郭線で表現されています。
また特徴的なのが、中央の人物よりも両端でポーズを決めている人物の輪郭線を薄く描いている点です。
輪郭線の濃淡により、遠近感を表現しているともいえるでしょう。

 

浮世絵独自の技法「輪郭線」は、現代の漫画文化の原点ともいえる

輪郭線は、西洋絵画ではあまり見られない日本独特の表現方法です。
浮世絵で描かれていた輪郭線が、日本の漫画の原点になったともいわれています。
輪郭線を意識して西洋絵画との違いを比べたり、数多くの浮世絵においてどのような輪郭線の描かれ方をされているのか見たりしながら浮世絵を鑑賞すると、これまでとは違った楽しみを発見できるかもしれません。

ぜひ、浮世絵を鑑賞する機会があれば、構図やデザインとともに、輪郭線という細かい部分にも目を向けてみましょう。作品や絵師による描かれ方の微妙な違いなども楽しめます。
浮世絵の魅力を再認識することにもつながるでしょう。

人気の買取業者はこちら 人気の買取業者はこちら

人気浮世絵買取業者はこちら

あなたのお家にある “浮世絵、高く” 売りませんか?

買取業者を探す