仏像は、仏教徒でなくても彫刻の美しさや仏像それぞれの表情など、眺めているだけで心が洗われるような気持ちになれます。
自分の心の在り方を見つめ直したり、気持ちを整えたりするために、先代が仏像を持っていたという家もあるのではないでしょうか。
仏像は骨董品として価値があり、仏像が好きな人はもちろん、骨董品のコレクターからも人気です。
仏像を買取してもらうには、どのような業者がよいのか、どの仏像作家の作品が骨董価値が高いのかなど仏像の買取について見ていきましょう。
目次
仏像の買取依頼を検討中ですか?
仏像が家にあっても神聖なもののイメージがあり、手放すとなると簡単に捨てられず、どうすればよいか迷ってしまうこともあるでしょう。
せっかくなら、仏像に魅力を感じている人に譲りたいものです。
実は、仏像は状態や作家によって、骨董品として高額買取してもらえる可能性があります。
いつの時代も仏像は人気
昔は、仏教の信仰が篤かった時代もあり、仏像を所有する家もたくさんありました。
現代は宗教も多様化し、仏像もインテリアとして楽しむ人や、仏教を信仰していなくても仏像の魅力を楽しむ人がいます。
現代にも人気の仏像作家は存在し、仏像の魅力を伝え続けています。
日本に古くからある仏像は、こうして昔も今もたくさんの人に愛されているのです。
自宅に眠る仏像はありませんか
昔から代々受け継がれてきたものや、最近相続したもの、これまでコレクションしてきた仏像などを手放したいと考えているなら、買取業者に相談してみましょう。
仏像の状態や、作家によっては高額買取してもらえるかもしれません。
仏像を高額買取してもらうには
仏像を高額買取してもらうにはさまざまな条件があります。
仏像は、作家によりデザインが違うことから、作家が誰であるかが買取価格に最も影響します。
保存状態が良いか
仏像の高額買取には、保存状態の良し悪しが大きく響きます。
汚れや傷、割れている部分があると買取価格が下がってしまうため、これから仏像を売る予定の方は、保管方法に注意が必要です。
有名な作家の作品や、人気の作品でも保存状態によっては査定額が下がります。
仏像は木、象牙、金、石などデリケートな素材で作られているため、直射日光の当たらない場所で高温多湿を避けて保管しましょう。
付属品や鑑定書があるか
仏像はレプリカも多く出回っているため、オリジナル品かどうかを判別するためには 、鑑定書が必要です。
鑑定書は、一般的に既に亡くなっていて、本物かどうか作者本人に確認が取れない作品に対して作ります。
そのため、鑑定書があるものは本物だとすぐに判断でき、査定もスムーズです。
また、共箱と呼ばれる仏像に付属している箱には、作者の印が入っていることが多く、箱があるだけでその仏像が本物であることが証明されます。
共箱は必ず合わせて査定に出しましょう。
作家物であるかどうか
高額買取対象の仏像は、作家物であることが重要です。
作家物というのは、制作者が自身の意図や思いを載せている作品のことをいいます。
そのため、手法やデザインも伝統に乗っ取ったものだけではなく、作家のオリジナルが含まれている作品を指します。
作家物であるためには、作者が誰であるかもポイントになるため、有名な作家が作った作品であることが、仏像の価値を決めるといっても過言ではありません。
仏像は、素材や保管状態によって価格が変わりますが、それ以上にどの仏師の作品かが大切なのです。
仏師を判別する場合も、先述の共箱に情報が記載されているため、共箱の有無がポイントになります。
仏像を手放すとき、どんな方法がある?
いざ仏像を手放すとなると、どの業者に頼めばよいのでしょうか。
回収業者や骨董買取業者など、仏像を回収してくれる業者はひとつではありません。
大切に受け継がれてきた仏像なら、大切に扱ってくれる業者に預けたいものです。
ネットオークションやフリーマーケット
仏像は、ネットオークションやフリーマーケットでも多く取引されています。
海外にも仏像のファンが多く、ネットオークションなら国内にとどまらず海外までより多くの買い手の目に留まるでしょう。
オークションは自分で値段設定ができるため、最低でも希望価格で取引でき、うまくいけば希望価格以上で取引できます。
値引き交渉の対応に追われたり、買い手がつかなかったりすることもあるため、自分で出品するのは労力がかかるのが難点です。
また、仏像への知識があまりなく価値のあるものを誤って低額で売ってしまうことも起こり得ます。
知識がなければ詐欺に合う可能性もあり、自分で出品するのはリスクが高いため注意が必要です。
リサイクルショップで売却
リサイクルショップの魅力は、その場で査定と売却が行われるため、即日売却ができます。
そのため、最短で換金することが可能です。
ただし、リサイクルショップは、仏像などの骨董に詳しい査定士が在籍していることは稀で、仏像の価値にあった査定額にならないことがあります。
売却時に時間の猶予があるなら、まずはオンラインで査定を行っている別の専門業者に査定してもらってから、リサイクルショップに持ち込むのがお勧めです。
不用品回収業者や遺品整理業者へ相談
仏像が複数点ある、他にも回収してほしいものがあるなど、まとめて回収してほしい場合は、不用品回収業者や遺品整理業者へ相談する方法があります。
遺品整理業者は、屋内や倉庫の片付けなども行っている業者が多いため、家を売却予定で家財道具を一掃したい方は活用してみましょう。
不用品回収業者や遺品整理業者は、まとめて回収することを想定しているため、査定額などもある程度業者のルールで決まっており、1点1点の査定額をその価値に合わせて丁寧に変動させない場合があります。
しっかりと価値に合った査定額を求める場合には不向きでしょう。
骨董品買取業者へ相談
骨董品買取業者には、骨董品に詳しい査定士が在籍しているため、安心して骨董品を持ち込めます。
骨董買取業者は買取実績や買取方法が業者によってさまざまです。
しっかりと買取実績を確認し、自分に合った買取方法の業者を見つけましょう。
仏像の査定士が在籍しているかどうかも確認しておくと安心です。
無料査定してくれる業者も多いため、査定後価値を知り手元に置いておきたいと思った場合売却する必要がなく、査定料も取られません。
今すぐに売却予定がなくても、所有している仏像の価値を知っておくために、一度査定にトライしてみるのもお勧めです。
高価買取が期待できる仏像作家は?
仏像は1500年ほど前にインドから日本に渡り、さまざまな仏像作家の手によってたくさんの仏像が作られてきました。
中でも骨董として日本で流通が多いのは、明治から昭和にかけて活躍した仏師の作品です。
高村光雲
高村光雲は、明治19年に東京彫刻会を設立した、日本近代彫刻の父とも言える仏像作家です。
明治維新後の廃仏毀釈運動により、仏師の仕事がなくなり、木彫りも衰退していく中、
高村は、西洋美術を学び、写実主義を木彫りに取り入れます。
この高村の活躍により、日本の木彫りは近代にも残されました。
高村光雲の仏像作品の中では『聖観音菩薩』が人気で、オリジナル品はかなり高額になることが期待できます。
松久宗琳
松久宗琳は『延暦寺東寺五智如来像』、『大阪四天王寺丈六仏』などを製作し、主に京都や奈良で活動した仏像作家です。
京都市内に京都仏像彫刻研究所を設立し、工房で数多くの仏像を製作しました。
寺の仏像製作も多く手掛けていましたが、置物サイズの仏像も人気で、松久の作った原形を銀製や銅製に変えたものが骨董として流通しています。
関野聖雲
関野聖雲は、16歳のとき高村光雲に弟子入りしました。
明治39年に入学した東京美術学校の卒業作品『白拍子』は学校による買い上げとなるほどの実力です。
同校で23年ほど教授として指導していました。
1作品に対し1道具を作ったというほど、道具へのこだわりが強い作家でもあります。
関野の作品は京都浄瑠璃寺の『吉祥天立像』の模刻が有名です。
高村の弟子ともあって、関野の作品も高額買取査定対象です。
松本明慶
現代を代表する仏師松本明慶は、2002年に高野山金剛峰寺に恵果阿闍梨尊像を奉納するなど多くの仏像製作を行っています。
松本は、1991年に総本山より大仏師の称号を授けられ、自身の父と息子の親子3代に渡って皆大仏師の照合を得ているのです。
数々の賞も受賞し、メディアにも取り上げられ、現代仏師としてまたたくまに有名になりました。
松本の仏像は骨董やアンティークとしてではなく、現代アートとしてコレクターに人気です。
100人に1人の逸材といわれる松本の美しい彫刻は、非常に価値のある現代美術作品なのです。
仏像の買取は実績のある骨董買取業者へ相談を
仏像は、共箱に作者の印があることが多く、素人でもある程度見分けられますが、プロにしっかり査定してもらうことをお勧めします。
仏像は仏を彫った作品のため、なるべく丁寧に、そして仏像の価値がわかる業者に買い取ってもらう方が気持ちもすっきりするでしょう。
仏像を手放したくなったら、仏像の査定ができる骨董買取業者へ相談してみてください。