皆さんは、クロード・モネ(1840年-1926年)を知っていますか?
印象派の名前の由来にもなった『印象・日の出』を描いた人物でもあり、印象派の特徴である筆触分割法の生みの親でもあります。色を混ぜたり重ねたりせず、隣り合わせにおくことで、遠くからみると光による色の移ろいが表現されている画期的な方法で、印象派画家の描いた作品の光の表現には思わず見とれてしまいます。
今回は、日本橋三井ホールで開催されている没入型展覧会「モネ&フレンズ・アライブ」に行ってきました!映像と光と音と香りで、印象派を知っている人も知らない人も印象派画家たちが作り出した世界観を楽しめる展示となっています。
目次
モネ&フレンズ・アライブは日本橋三井ホールにて開催中
没入型展覧会「モネ&フレンズ・アライブ」の東京展は、2024/7/12から日本橋三井ホールにて開催中です!
近年、映像や音を利用した没入型のイベントが増えてきていますが、今回紹介するのは、印象派の面々と作品に焦点をあてた展覧会です。世界的に権威のある展覧会「サロン・ド・パリ」の会場を皮切りにスタートした新しい形の展覧会が、ついに日本にも初上陸しました!
企画・プロデュース・制作を務めるのは、オーストラリアのメルボルンに本社を置く企画制作会社「GRANDE EXPERIENCES」。
「GRANDE EXPERIENCES」は、これまで言葉や国の壁を越えて、33の言語、世界6大陸180都市以上で250回の展示会を開催してきました。
今回の没入型展覧会「モネ&フレンズ・アライブ」でも、巨大スクリーンに映し出された印象派画家の作品たちを音や光が演出し、より魅力的にみせてくれて、私たちを印象派の世界に引き込んでくれること間違いなしです!
展示について
会場内はすべて撮影OKで、SNSへの投稿もOKとのことなので、スクリーンに映し出される印象派画家の作品の撮影や、フォトスポットでのおしゃれな写真の撮影をどんどん楽しみ、SNSにアップして展覧会を盛り上げましょう。
初日、当日券の販売もありましたが、販売開始時間が午前11時からでした。その日の混雑状況によって当日券の販売時間が異なったり、中止になったりするようなので、当日券を購入しての鑑賞を予定している方は、事前に公式サイトでチェックしておきましょう。
さっそくチケットを購入して入場すると、エスカレーターで昇ってくださいとスタッフの方に案内されます。
エスカレーターへの道には、印象派画家たちの肖像画が壁一面にどーんと描かれていました!
印象派を代表する面々の肖像画を横目にさっそく会場内に入っていきましょう!エスカレーターで昇っていくと会場順路の案内板があるので、それに従って展示を見ながら進んでいきます。
なお「モネ&フレンズ・アライブ」では、印象派画家が実際に描いた作品の展示はありませんのでご注意ください!映像による演出でたくさんの作品を鑑賞できますが、実際の絵画作品は展示されていません。
印象派を代表する画家たちの紹介
展覧会のはじめには、印象派画家たちの一人ひとりの生い立ちや、作風などの背景を紹介するパネルが並んだ通路があります。
印象派を知っている人も知らない人も、この通路で知識を深めてからメインとなるスクリーン映像をみれば、より楽しめること間違いなしです!
「モネについては知っているけど、スーラのことはあまり知らないかも…」など印象派といってもさまざまな画家がおり、全員について詳しく理解している人は少ないでしょう。
映像を楽しむためにも、ゆっくりじっくり解説をみながら進むのもおすすめです!
通路の途中にも楽しい仕掛けがまっています!
QRコードを読み取りアクセスすると、代表作である睡蓮の上で踊るモネのキャラクターのARが出現します!小さなお子さんも一緒に楽しめる魅力的な演出ですね。
さらに通路を進んでいくと、西洋絵画の歴史が時系列ごとに並んだ展示が登場します。
新古典主義から始まり、ロマン主義、写実主義、印象派、アールヌーボー、フォーヴィスム、表現主義と、大まかな歴史を知ることができます。
西洋絵画のスタイルがどのように変化していったのかを知り、印象派がどの時代に盛り上がっていたのかを知ることで、より作品の鑑賞が楽しめるようになります。
印象派画家や西洋絵画の知識を深めたところで、いよいよメインとなる会場に入っていきます!
映像と光と音と香りで楽しむ没入型展覧会
ドキドキとわくわくを抑えながら会場内に入ると…巨大なスクリーンがいくつも設置されていて、入った瞬間からその迫力に圧倒されました!
また、会場内では映像に合わせてクラシックが流れており、作品の魅力をより引き立てるとともに、ほんのりとさわやかな香りも漂っているように感じられました。
植物や果実のような香りは、まるで自分たちも印象派画家と一緒に戸外に出て制作風景を間近でみているような感覚を味わせてくれます。
たくさんの巨大スクリーンに次々と映し出されていく印象派画家の作品たち。
一つひとつのスクリーンに別の作品が映し出されているため、どこをみればよいか迷ってしまいました…!
映像と演出は40~50分で1クールとなっていますが、場所やスクリーンを変えて何度も見たくなってしまう魅力があります。
メインとなる横長のスクリーンの前では、多くの人が座って鑑賞を楽しんでいました。
写真からもわかるように、映像が映し出されているのはスクリーンだけではありません!
床にも映像が投影される演出があり、座ってみているお客さんたちの服にも印象派の美しい筆致が映り込み、そこにいる人もあわせて一つの芸術作品をみているような感覚を覚えました!会場内に白い服を着ていけば、洋服にも映像が投影されて幻想的な世界により入り込めるかもしれませんね。
また、スクリーンに映し出される映像には、傷や汚れ、ゴミなどの映り込みがわざと取り入れられており、古い映写機で投影したような映像を楽しめる点も魅力です!
また、作品たちが映し出されているスクリーンを横から見てみると厚みがあり、白い布が貼られたような作りになっています。印象派画家たちが使っていたキャンバスをそのまま大きくしたような演出にも感動しました!
作品によって、背景と人物の映像が立体的になっていたり、絵の中の水面が揺らいだりと、絵画の特徴を生かすさまざまな演出が施されていました!
床の映像もスクリーンの映像と連動しており、カイユボットの『ヨーロッパ橋』では、床一面にタイルの映像が映し出されており、まるでパリに瞬間移動したような気分でした。大迫力のスクリーンと絵画にあわせた演出は、何度繰り返しみても飽きないボリュームです。
なお、展示会場は冷房が効いていて少し肌寒く感じられたため、スクリーンの映像をじっくり楽しむなら羽織を1枚もっておくと安心です。
「モネ&フレンズ・アライブ」のみどころ
フランス印象派の誕生から150年を迎える特別な年
第一回印象派展が開催されてから150周年を迎える今年、世界中で愛されてきた「フランス印象派」の世界を冒険する没入型展覧会「モネ&フレンズ・アライブ」を開催。本展では、社会的にも政治的にも混とんとした時代に生まれた印象派の歴史を紐解きます。
19世紀半ばから20世紀初頭にかけて活躍したクロード・モネや印象派の作品の数々に、力強いクラシック音楽と最新のイマーシブ技術を組み合わせることで、芸術性とエンターテインメント性を兼ね備えた没入体験をお届けします。
光、色、音、香りのなかで、クロード・モネ、カミーユ・ピサロ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、ポール・セザンヌ、エドガード・ドガらの大胆な筆遣いを巨大なスクリーンに映し出し、次々に流れるサウンドに身を委ねることで、印象派の世界の激しさと美しさに心を奪われる体験をお楽しみください。
Snow Manの阿部亮平さんからのスペシャルメッセージ
モネ&フレンズ・アライブでは、公式アンバサダーを務めるSnow Manの阿部亮平さんのスペシャルメッセージも楽しめます!
展示会場内の紹介パネルに掲載されているQRコードを読み取り、位置情報をONにすると会場内限定でメッセージを聞けます。
素敵なメッセージを聞きながら印象派の絵画を楽しみたい方は、イヤホンを持参しましょう。
クロード・モネの作品をイメージしたフォトスポット
印象派画家の紹介パネルが並ぶ通路の奥には、フランス・ジヴェルニーにある「モネの庭園」をイメージしたフォトスポットがあります。
鏡張りになっているため、鏡越しに自撮りもできる仕組みになっていました。
SNS映えも狙えるフォトスポットですが、多くの人が写真を撮ろうと並んでいたため、平日の午前など空いている時間を狙っていくと、ゆっくり撮影を楽しめるでしょう。
印象派画家の代表作を香りとともに楽しむ
上映会場を抜けてエスカレーターを下ると、最初のチケットを購入した会場に戻っていきます。
ここでは、今回開催されているモネ&フレンズ・アライブ限定グッズが販売されています。
シャツやソックス、スカーフ、トートバッグなどのファッショングッズも販売されており、さわやかで涼し気な青色をメインカラーにしたデザインが魅力的でした!
グッズ販売会場では、手軽に回せるガチャガチャも用意されていました。
印象派の絵画がデザインされたアクリルプレートやミニポーチがもらえるもので、好きな画家や気に入った絵画があれば挑戦してみるのもよいかもしれませんね。
視覚・聴覚・嗅覚を刺激する没入型展覧会「モネ&フレンズ・アライブ」
「モネ&フレンズ・アライブ」は、映像と音と光と香りで私たちの感覚を刺激し、感情を揺さぶる大迫力の展覧会でした!
本物の絵画は展示されていませんが、巨大スクリーンならではの魅力がたくさん詰まっています。
巨大スクリーンに映し出されるため、印象派画家それぞれがもつ特有の筆使いが感じられ、たくさんの絵画を紹介してくれるため、それぞれの絵画を比較できる点も魅力に感じました!
個人的には、ロートレック作品の人物の特徴を強調して描くスタイルが、巨大スクリーンによって確認でき、特徴をとらえた表情をはっきりと鑑賞できたのがうれしかったです。
「モネ&フレンズ・アライブ」が開催されているコレド室町では、各店舗でコラボメニューが発売されています。
ボリューム満点の展覧会を鑑賞したあとに一息つきたい人や、友人と感想を伝えあいたい人は、さらに「モネ&フレンズ・アライブ」の雰囲気を味わえるコラボ店で食事をしながら余韻に浸るのもよいでしょう。
「モネ&フレンズ・アライブ」開催情報
『モネ&フレンズ・アライブ』
場所:日本橋三井ホール
期間:2024/7/12~2024/9/29
公式ページ:https://monetalivejp.com/tokyo/
チケット:一般 3000円、高大生 2000円、小中生1500円
※詳細情報や最新情報は公式ページよりご確認ください