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新たな発見が生まれる「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション展」レポ

東京国立近代美術館では、パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館のコレクションを、テーマごとにトリオに分けて展示するユニークな企画展を開催しています。

トリオで並べて鑑賞することで、共通点を発見したり、意外な組み合わせに驚かされたりと、多彩な楽しみ方のある企画展です。

今回は、東京国立近代美術館で開催されている「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション展」に行ってきました!

トリオ作品をじっくりと鑑賞して新たな共通点や発見を楽しみましょう。

 

これまでにない組み合わせで作品を展示する「TRIO展」は東京国立近代美術館にて開催中

東京国立近代美術館(「TRIO展」東京国立近代美術館)
東京国立近代美術館(「TRIO展」東京国立近代美術館)

TRIO展は、独自の文化を育んできたパリ・東京・大阪の3都市にある美術館のコレクションが集結し、共通する特徴ごとにトリオで分けた珍しい企画展です!
展示会場となる東京国立近代美術館の前庭には、TRIOのオブジェが設置されており、訪れた人を歓迎しています。

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション展(「TRIO展」東京国立近代美術館)
TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション展(「TRIO展」東京国立近代美術館)

また、企画展に入ると撮影についての注意書きの看板が設置されているため、写真を撮りながら鑑賞を楽しみたいと考えている方は必ず確認しましょう。

 

 

「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション展」のみどころ

TRIO展の内容を紹介していく前に、みどころを簡単に紹介していきます!
テーマやコンセプトに沿って7つの章に分け、3つセットで比較しながら鑑賞していくTRIO展。
どのような点に着目して作品を鑑賞してみるとよいかの参考にしてください。

3つの美術館の作品が一堂に集結

TRIO展は、パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の作品が一堂に集結する夢の企画展です!
3つの美術館による共同企画であり、34のテーマに沿ってそれぞれの美術館が作品を提供しています。
「モデルたちのパワー」、「空想の庭」、「現実と非現実のあわい」など独特なテーマに沿って組み合わされた作品たちを比較しながら鑑賞すると、これまでとは違った新たな発見ができるかもしれません。

ジャンルの垣根を越えて110人約150作品が集結する豪華な展示会

TRIO展は、パブロ・ピカソ、岸田劉生、萬鉄五郎、ジャン=ミシェル・バスキア、草間彌生など、時代やジャンルを超えて全110人、約150作品が集結する豪華でにぎやかな展示会です!
20世紀から現代にかけて活躍した日本と西洋のアーティストの作品が集まり、トリオ展示ならではの魅力を見せてくれるでしょう。
モダンアートを代表する巨匠から、現代で活躍し続けているアーティストまで、時代やジャンルに捉われることなく、自由な視点で鑑賞を楽しむのがおすすめです。

意外なトリオの組み合わせを楽しもう

TRIO展では、共通するテーマに沿ってトリオで作品が展示されています。
たとえば、アンリ・マティス、萬鉄五郎、アメデオ・モディリアーニがTRIOになり展示されている作品があります。
アーティスト名を並べただけでは、何がテーマになっているか分かりませんよね。

マティス・鉄五郎・モディリアーニのトリオ作品(「TRIO展」東京国立近代美術館)
マティス・鉄五郎・モディリアーニのトリオ作品(「TRIO展」東京国立近代美術館)

作品を見てみると、3人の作家はみな女性が横たわる構図の絵を描いています。
3つの作品に描かれた女性たちからは、堂々とした女性の強い美を感じさせられます。

このようにTRIO展は、いままで比較して見たことがなかった作品たちを、テーマにあわせて比較しながら鑑賞できる貴重な企画展です!
バスキアと佐伯祐三の作品が、都市のグラフィティとして並んで展示されていたり、女神を描いた作品としてマリー・ローランサンと藤田嗣治が並べられていたりと、普段の美術館では見られない組み合わせを楽しみましょう。

音声ガイドは女優の「有村架純」さん

TRIO展では、女優の有村架純さんがナビゲーションを務める音声ガイドを楽しめます。
会場レンタル版とアプリ配信版があり、会場レンタル版はチケットで入場した後、展示会場前で受付を行っています。
貸出料金は1台650円(税込)です。
また、アプリ配信版は自分のスマホやタブレットが音声ガイドになり、展示会場内だけではなくどこでも自由に音声を楽しめます。
アプリ配信版は700円(税込)で、事前にダウンロードしておくと、当日はスムーズに鑑賞を進められるでしょう。

 

7つの章と34のテーマに分けられたTRIO展

TRIO展では、7つの章と34のテーマによって分けられた作品がトリオで展示されており、テーマに沿った共通点を発見しながら鑑賞を楽しめます。

コレクションのはじまり(「TRIO展」東京国立近代美術館)
コレクションのはじまり(「TRIO展」東京国立近代美術館)

ロベール・ドローネー『鏡台の前の裸婦(読書する女性)』
1915年 パリ市立近代美術館

安井曽太郎『金蓉』
1934年 東京国立近代美術館

佐伯祐三『郵便配達夫』
1928年 大阪中之島美術館

展示会場に入ってすぐに展示されているのがこの3つの作品です。
パッと見て分かる共通点は、モデルがみなイスに座っていることではないでしょうか。
そして、実はほかにも共通点があるのです!
『鏡台の前の裸婦(読書する女性)』は、パリ市立近代美術館の開館の契機を作ったジラルダン博士の遺贈品、『金蓉』は、東京国立近代美術館が最初に購入した作品の一つ、『郵便配達夫』は、大阪中之島美術館構想のきっかけとなった実業家の山本發次郎の急増品なのです。

つまり、3作品とも今回コラボした3つの美術館のはじまりに関連した作品です!
そのため、今回のTRIO展では「コレクションのはじまり」というテーマでトリオになっているんですね。
はじまりのきっかけとなった作品が、すべてイスに座った絵なのも新たな発見になりました。テーマになっている共通点だけではなく、自分だけの共通点も発見しながら楽しめます。

 

第1章の「3つの都市:パリ、東京、大阪」では、3都市をテーマにした作品が展示されています。

 

モーリス・ユトリロ『セヴェスト通り』
1923年 パリ市立近代美術館

長谷川利行『新宿風景』
1937年 東京国立近代美術館

河合新蔵『道頓堀』
1914年 大阪中之島美術館

この3作品は、それぞれ3都市での生活や風景を切り取って描いた作品です。
ユトリロが描いたのは、モンマルトルの丘近くにある石造りの建物が建ち並んでいる通りと、その道を歩く女性。
利行は、昭和初期の新宿のビル街と行き交う人々の賑わいを描いています。
新蔵は、水の都と呼ばれる大阪の道頓堀川に沿って建ち並ぶ建物と船を漕いで移動する人々を描きました。
別々の土地、異なるタッチで描かれたこの作品たちは、都市と人々を描いた作品という共通点のもとトリオで展示されています。

 

第2章の「近代化する都市」では、伝統的なテーマから脱却し、現代社会を表現することに挑んだ作品をメインに展示しています。

都市のグラフィティ(「TRIO展」東京国立近代美術館)
都市のグラフィティ(「TRIO展」東京国立近代美術館)
都市のグラフィティ2(「TRIO展」東京国立近代美術館)
都市のグラフィティ2(「TRIO展」東京国立近代美術館)

フランソワ・デュフレーヌ『4点1組』
1965年 パリ市立近代美術館

佐伯祐三『ガス灯と広告』
1927年 東京国立近代美術館

ジャン=ミシェル・バスキア『無題』
1984年 大阪中之島美術館

この3作品は、路上アートをテーマにしている点で共通しています。
パリの詩人であったデュフレーヌは、重なり合った複数のポスターをはがしてキャンバスに貼り、作品を制作しています。
佐伯は、いくつものポスターが重ね貼りされているパリの街角を、素早い筆さばきで描きました。
バスキアは、ストリートアーティストとして活躍していた芸術家で、ニューヨークと東京にインスピレーションを受けて描いた作品を展示しています。

路上アートという共通するテーマでありながら、ポスターそのものを使った作品、ポスターが貼られている風景を描いた作品、ストリートアーティストとしての作品と、異なる手法で制作された作品を並べて見比べるのは新鮮な気持ちでした。

バスキアの『無題』に描かれている漢字(「TRIO展」東京国立近代美術館)
バスキアの『無題』に描かれている漢字(「TRIO展」東京国立近代美術館)

東京からもインスピレーションを受けているというバスキアの作品の中には、漢字も描かれています。
3作品を比較しながら全体を鑑賞した後は、気に入った作品の細部をじっくり鑑賞し、新たな気付きを得られるのもTRIO展ならではの楽しみ方ですね。

 

第3章の「夢と無意識」では、シュルレアリスムをはじめとした幻想、空想、夢、無意識、非現実、メタファーなどを表現した作家の作品が展示されています。

ジョルジョ・デ・キリコ『慰めのアンティゴネ』
1973年 パリ市立近代美術館

イケムラレイコ『樹の愛』
2007年 東京国立近代美術館

コンスタンティン・ブランクーシ『眠れるミューズ』
1910-1911年ごろ 大阪中之島美術館

この3つの作品は、すべて頭部に大きな印象を受ける作品です。
絵画と彫刻作品がトリオになる新しい組み合わせが印象に残りました!
『慰めのアンティゴネ』は、ギリシャ悲劇の王女アンティゴネが盲目の父王オイディプスを腕に抱く様子を描いていますが、頭部はマヌカンで表情が見えず無気力な印象を与えます。
ブランクーシの彫刻も表情のないマネキンのような作品ですが、目鼻立ちを際立たせており、上品な顔立ちに見えますね!
タイトルになっているミューズとは、知的活動をつかさどる女神を指しており、作品には表情がないにもかかわらず、くっきりとした目鼻立ちから神秘性を生み出しているように感じられました。
『樹の愛』は、比較的新しい作品で、瞼を閉じた人の頭部を樹の愛という概念として表現しています。

 

第4章の「生まれ変わる人物表現」では、伝統的な人物表現から新たな表現を生むために、理想美の解体や新たな美の創造を追求していった作品が展示されています。

美の女神たち(「TRIO展」東京国立近代美術館)
美の女神たち(「TRIO展」東京国立近代美術館)

ジャン・メッツァンジェ『青い鳥』
1912-1923年 パリ市立近代美術館

藤田嗣治『五人の裸婦』
1923年 東京国立近代美術館

マリー・ローランサン『プリンセス達』
1928年 大阪中之島美術館

西洋絵画では、三美神と呼ばれる伝統的なテーマがありますが、20世紀に活躍していた画家たちは、この伝統に捉われず、さまざまな技法や人数によって女神たちを描いています。
『青い鳥』は、キュビスムの画家メッツァンジェが描いた作品で、メーテルリンクの童話創「青い鳥」をモチーフに描いています。
キュビスム特有の多視点から3人の女性を捉え、分割・統合しながら大画面に大胆に描いています。
ぱっと見ただけでは、どこに女神が描かれているのか分からない人も多いのではないでしょうか…。
じっくり鑑賞してみると、黄色い扇子で顔を隠している女性と、青い鳥をつかんでいる女性、横たわっている女性の3人が描かれています!

『五人の裸婦』は、藤田が初めて群像に挑戦した作品です。
藤田特有の乳白色の下地の色合いが表現された女性たちの肌の色が美しく、思わず見とれてしまいました。
それぞれの女性が独特なポーズをとっているのも印象的でした。

ローランサンの『プリンセス達』は、やはり淡い色彩表現が可愛い!
真っ白な肌と華やかな装いがマッチしていて女性の華麗さが際立っているように感じられました。
女性が抱いている犬のつぶらな瞳にも心惹かれてしまいました。

 

第5章の「人間の新しい形」では、都市化や工業化、世界大戦によって変化していく人間性や表現を追求した作品が展示されています。

プリミティヴな線(「TRIO展」東京国立近代美術館)
プリミティヴな線(「TRIO展」東京国立近代美術館)

カレル・アペル『村の上の動物たち』
1951年 パリ市立近代美術館

パウル・クレー『黄色の中の思考』
1937年 東京国立近代美術館

菅井汲『風の神』
1954年ごろ 大阪中之島美術館

この3作品は、自由奔放に引かれたかのような線を描いているのが共通する特徴です。
3人とも、子どもの絵や先史民族の象形文字、日本古来の神話などに注目して作品を制作しており、よく見ると人の形や動物の姿が認識できますが、一見落書きのような絵にも見えてしまいますね。
しかし、これらの作品は規範的で機械的な線からの解放を表現しているのです。
人々が古来より持ち合わせていた原始的な創造エネルギーが感じられるこれらの作品は、絵そのものを見るのではなく、描かれた創造のパワーを感じ取ることが大切かもしれません!

 

第6章の「響きあう色とフォルム」では、人物や風景を主題とするのではなく色や形そのものが作品のメインとなっていった20世紀の美術作品を展示しています。

セルジュ・ポリアコフ『抽象のコンポジション』
1968年 パリ市立近代美術館

辰野登恵子『UNTITLED 95-9』
1995年 東京国立近代美術館

マーク・ロスコ『ボトル・グリーンと深い赤』
1958年 大阪中之島美術館

この3作品は、どれも抽象的な要素で構成されており、色彩に目が惹かれます。
絵画や彫刻を構成する基本的な要素である色と形に焦点があてられた作品たちで、20世紀に入ってからの人物や風景などの主題をもたず、色や形が作品の主題になっていった作品の代表ともいえるでしょう。

 

第7章の「越境するアート」では、これまで生み出されてきた絵画や彫刻などの基本的な美術ジャンルには当てはまらない表現を用いた作品を展示しています。
使われている素材は、既製品や日用品、廃材など多種多様で、映像表現の作品も数多く展示されていました。
アートは時代を映す鏡ともいわれています。
現代社会で多様性のある働き方が広がっているように、美術界でも多様な表現方法が生み出されていっていると感じました。

TORIO展はオリジナルグッズも大充実

TRIO展ポストカード(「TRIO展」東京国立近代美術館)
TRIO展ポストカード(「TRIO展」東京国立近代美術館)

今回展示されていた作品をプリントアウトしたポストカードやピンバッジ、マグネットセット、丸皿などさまざまなオリジナルグッズが販売されています!
眠れるミューズクッションやオダリスクの椅子のクッションなど、癖の強いグッズも販売されていて、グッズショップも見どころ満載です。

また、東京国立近代美術館限定の複製画の予約販売も行われていました。
会場で販売されていたのは、ジクレーと呼ばれる複製技法を用いて制作される複製画です。
複製画は、4原色の掛け合わせにより印刷されるのが一般的ですが、ジクレーによって制作されるTRIO展の複製画は、10色を掛け合わせて制作されており、これまで以上に細かな色彩やタッチの強弱、作品の繊細なニュアンスなどが表現できるようになりました。
販売価格が数万円とほかのグッズと比べると高価ですが、精密に再現された複製画は、自宅に飾っておくと雰囲気をがらっと変えてくれるでしょう。
気に入った作品があれば、ぜひ予約複製画を検討してみてはいかがでしょうか。

TRIO展ガチャガチャ(「TRIO展」東京国立近代美術館)
TRIO展ガチャガチャ(「TRIO展」東京国立近代美術館)

ちょっとしたお土産を買いたいという方は、缶バッジやアクリルキーホルダーのガチャガチャがおすすめです。
グッズショップの出口付近にありますので、見逃さないよう注意しましょう!

 

奇想な展示で新たな発見を生み出す「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション展」

TRIO展の巨大パネル(「TRIO展」東京国立近代美術館)
TRIO展の巨大パネル(「TRIO展」東京国立近代美術館)

TRIO展は、これまで見たことがある作品も見たことがない作品も、新たな視点から楽しめる企画展です。
もともと知っている作品、気に入っている作品とトリオになって展示されている知らない作品にも興味をもつきっかけになりますね。
また、同じテーマの作品を比較して鑑賞することで、それぞれの特徴やよさなどの発見にもつながるかもしれません。
知らなかった作品に興味を抱き、知っている作品の魅力はさらに増し、美術鑑賞の方法や知識などを広げる素敵な企画展でした!
美術に詳しい人も詳しくない人も、それぞれの視点から自由に比較し共通点を探し出し、感性を豊かにしてくれるTRIO展。
「見て、比べて、話したくなる。」のキャッチコピーのように、鑑賞後は友人とカフェに入って感想を伝え合うのもよいですね。

東京国立近代美術館には、フレンチとイタリアンが融合したアートなレストラン「L’ART ET MIKUNI ラー・エ・ミクニ」が併設されています。
本格的なクリエイティブ料理を提供してくれるレストランで、店内からは皇居を眺められる点もポイントです。
東京国立近代美術館でアートを鑑賞した後は、皇居の自然を眺めながら優雅に食事をとり、展示会の余韻に浸りましょう。

 

店舗情報
L’ART ET MIKUNI ラー・エ・ミクニ
https://lart-et-mikuni.jp/

 

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクションは、2024年5月21日(火)~8月25日(日)まで開催中です。
2024年9月14日(土)~12月8日(日)までは、大阪中之島美術館 4階展示室にて開催予定のため、東京で見逃してしまった人は、ぜひ大阪中之島美術館で開催される際に訪れてみてください。

 

開催情報

東京国立近代美術館の看板(「TRIO展」東京国立近代美術館)
東京国立近代美術館の看板(「TRIO展」東京国立近代美術館)

『TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション展』
場所:東京国立近代美術館
期間:2024/5/21~2024/8/25
公式ページ:https://www.momat.go.jp/

チケット:一般 2200円、大学生 1200円、高校生700円

※詳細情報や最新情報は公式ページよりご確認ください

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