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大規模回顧展「田名網敬一 記憶の冒険」を見に行ってみた!

皆さんは、田名網敬一(1936年-2024年)という日本人アーティストを知っていますか?
彼の作品は、色鮮やかな独特の世界観と、戦争体験やアメリカ大衆文化からの影響が色濃く反映されていることが特徴です。

国立新美術館(建物)(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
国立新美術館(建物)(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

そんな田名網の60年以上にわたる創作活動をまとめた初の大規模回顧展「田名網敬一 記憶の冒険」が、現在、国立新美術館で開催されています。
今回、実際に国立新美術館へと足を運び、田名網敬一の膨大な作品群を堪能してきました!

「田名網敬一 記憶の冒険」は国立新美術館にて開催

美術館内「記憶の冒険」の看板(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
美術館内「記憶の冒険」の看板(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

「田名網敬一 記憶の冒険」では、田名網が武蔵野美術大学でキャリアをスタートさせたころから、1975年に日本版『PLAYBOY』の初代アートディレクターを務めた時代、そして現在に至るまでの多岐にわたる作品群が展示されています。
彼はデザイナーとして培った技術をもとに、絵画、コラージュ、アニメーション、立体作品、実験映像、インスタレーションなど、ジャンルやルールに縛られることなく活動を続け、美術史に重要な足跡を残してきました。

今回の企画展で注目すべきポイントは、初公開の最新作を含む膨大な作品の数々です!
「記憶」をテーマに掲げた今回の展示は、戦争の記憶とその後の文化的影響を追体験するような構成になっており、これまで包括的に触れられることのなかった田名網の創作の全貌が明らかにされています。

展示について

美術館外にある「金魚の大冒険」(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
美術館外にある「金魚の大冒険」(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

国立新美術館の敷地に入り、室内に入っていく手前のスペースに、さっそく田名網敬一の作品『金魚の大冒険』が展示されています!
巨大なバルーンで作られた金魚は、金・土曜日の夜になるとライトアップされ、ミュージアムナイトを照らしてくれるそうです。
昼間とは違った印象の『金魚の大冒険』を鑑賞したい方は、ぜひ金・土曜日の夜にも訪れてみてください。

美術館外にある「金魚の大冒険」2(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
美術館外にある「金魚の大冒険」2(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

国立新美術館内に入ると広々とした空間が広がっています。

国立新美術館ロッカールーム(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
国立新美術館ロッカールーム(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

ロッカールームが充実しているため、荷物が多い方はチケットを購入したあとにロッカーに荷物をしまって、身軽な格好で回るのがお勧めです!
大規模な企画展で展示会場も広いため、ストレスなく見て回るなら荷物は少ないほうがよいでしょう。

展示会場では、田名網の作品をより深く理解し、楽しむためのオーディオガイドが無料で提供されていました。
スマートフォンでQRコードを読み取るだけで、アーティストの背景や作品の解説を耳で聞きながら鑑賞できます!
作品を目で見て鑑賞しながら、オーディオガイドでその背景に迫ることで、創作意図やメッセージがより鮮明に伝わってくるため、彼の生み出した膨大な作品の世界観をより深く味わいたいなら、オーディオガイドを聞くことをお勧めします。

特に、戦争やアメリカ大衆文化の影響を受けた作品は、彼の記憶や経験が作品にどのように反映されているのかを再認識させてくれました。
田名網敬一の広大なアートの世界を体感し、耳でも楽しんでみましょう!

全11章で構成された膨大な創作変遷を堪能できる「田名網敬一 記憶の冒険」

展覧会の入り口では、田名網の幼少期のエピソードと、最新作のインスタレーション『百橋図』で構成された「プロローグ」から始まります。
戦争の記憶やアメリカ文化の影響を受けた色鮮やかな作品群に引き込まれつつ、11章にわたって彼の創作の変遷をたどります。

『百橋図』インスタレーション(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
『百橋図』インスタレーション(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

企画展会場に入ってすぐ目に飛び込んでくるのが、圧倒的な存在感を放つ『百橋図』の絵画とインスタレーションです。
絵画は、屏風のような形で展示されており、その背後にインスタレーションが展示されています。
いくつもの太鼓橋が重なりあってジャングルジムのようにそびえたつこの作品には、プロジェクションマッピングにより魚たちが橋をわたっていく様子が表現され、幻想的な光景を生み出していました。

田名網は、「橋」は俗世と聖なる世界をつなぐものであり、また死とも密接に結びついた象徴的なモチーフであると語っています。
このモチーフは、まさに展覧会全体に流れる死生観を象徴するテーマでもありますね。
展覧会のプロローグにふさわしい作品であると感じさせられました!

 

多くの絵画が壁一面に並ぶ展示会場2(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
多くの絵画が壁一面に並ぶ展示会場(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

企画展示室内を進んでいくと、次に飛び込んできたのが天井から地上まで壁一面に飾られた数々の絵画です。
広い空間を埋め尽くす数と鮮やかさに圧倒されました!
壁一面に並べられた極彩色の絵画が目を引き、そのポップな色使いや力強い輪郭が特徴的であり、幼少期に経験した戦争の記憶が色濃く反映された作品の数々は、見る者に強烈な印象を残します。

コラージュ作品が並ぶ展示会場(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
コラージュ作品が並ぶ展示会場(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

フリーのグラフィックデザイナーとしても活躍していた田名網は、個人的な趣味としてコラージュ作品を多数制作していました。
国内外で活躍する著名人やキャラクターに加え、日本の歌舞伎役者も取り入れられた和洋折衷な作品たち。
今にもアニメーションのように動きだしそうなコラージュ作品に、思わず魅入ってしまいました。

「常磐松」シリーズ(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
「常磐松」シリーズ(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

田名網は、1980年に中国を旅行したときに見た自然の景観や、1981年に多忙な生活がたたり結核で4か月ほど入院した際に薬の副作用により見た幻覚を作品に取り入れていきました。
鮮やかな色使いはそのままに、病院から見た松の木がぐにゃぐにゃと曲がって見えた様子も作品に取り入れており、入院中の幻覚体験が彼に新しい創造を与えたともいえそうです。

『ピカソ母子像の悦楽』シリーズ(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
『ピカソ母子像の悦楽』シリーズ(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

企画展では、横幅3メートルを超える巨大な作品や、アニメーション、コラージュ、インスタレーションなど多彩なジャンルの作品が展示されています。
デザイナーからスタートし、多彩なアプローチで作品を生み出してきた田名網は、どの手法を用いても一貫してポップでおどろおどろしい世界観を展開しているのが印象的です。
まるで絵画や立体作品が今にも動き出しそうな感覚に襲われ、何度も田名網の世界観に入り込む感覚を味わえました!

ブランドやアーティストとのコラボレーション作品(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
ブランドやアーティストとのコラボレーション作品(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

終盤では、田名網が手がけたアーティストやブランドとのコラボレーション作品が並び、特に赤塚不二夫とのコラボ作品が印象的でした!
「シェー」のポーズでおなじみのイヤミやバカボンのパパ、ひみつのアッコちゃんなど、さまざまなキャラクターと田名網の独特な世界観が交じり合っていました。
赤塚不二夫が手がけた愛らしいキャラクターたちが、田名網の手によってモンスターに変貌し、キャンバスいっぱいに広がっているのが印象的ですね。

企画展の最後には、田名網のインタビュー映像が展示された「エピローグ」で締めくくられ、田名網敬一という人物の多面性を感じさせてくれる企画展でした。

「田名網敬一 記憶の冒険」のみどころ

「田名網敬一 記憶の冒険」では、田名網敬一の60年以上にわたる多彩な創作活動を余すところなく紹介しているのが魅力の一つです!
その作品は、戦後の日本文化や個人の記憶、夢、死生観など、様々なテーマが絡み合い、ジャンルを超えた豊かな表現が展開されています。
彼の過去の重要な作品から最新作まで、田名網がこれまで追求してきたアートの世界にどっぷりと浸ることができるでしょう。

日本の戦後文化史と密接に結びついた作品

『NO MORE WAR』シリーズ(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
『NO MORE WAR』シリーズ(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

田名網が生み出してきた作品は、日本の戦後文化史と深い結びつきがあります。
企画展では、1960年代から1970年代にかけて制作された、日本最初期のポップアートの一つともいえる『ORDER MADE!!』シリーズや、アメリカの『Avant Garde』誌が主催したベトナム反戦ポスターコンテストで注目された『NO MORE WAR』シリーズが展示されています。

アンディ・ウォーホルの影響を受けつつも、田名網独自の視点で表現されたこれらの作品は、当時の社会的・政治的な動きに敏感に反応したものばかりです。
これらの作品は、企画展に訪れる人々を、日本の戦後アートシーンの中心へと引き込んでくれるでしょう。

増幅を続ける「記憶」

田名網は、ここ数年「記憶」というテーマを深く掘り下げた作品を数多く手がけていました。
幼少期に体験した戦争や、病による生死を彷徨った経験が、彼の創作活動に大きな影響を与えていたといいます。
人間が記憶を無意識に作り変えながら生きているという考えに基づき、増幅される記憶をモチーフに制作された作品が本展でも多く展示されています。

第8章「記憶の修築」の全体像(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
第8章「記憶の修築」の全体像(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

展示には未発表の新作に加え、彼が長年にわたって記録してきた夢日記やドローイングも並び、田名網の記憶と創造力の深淵に迫ることができます!
これらの作品を通じて、彼がどのように自身の内面と向き合い、それをアートへと昇華させてきたのか、その過程が垣間見える展示内容となっています。

変幻自在なコラボレーション

田名網は、その長いキャリアの中で、多くのファッションブランドやミュージシャンとコラボレーションを行ってきました。
特に注目すべきは、adidasやJUNYA WATANABEとの協働や、EXILE TRIBEや八代亜紀、RADWIMPSとの音楽コラボレーションです。
また、ウルトラマンや赤塚不二夫とのコラボレーション作品も展示され、彼の幅広いクリエイティブな交流が紹介されています。
田名網の作品は、常に新たな視点や化学反応を生み出してきたため、こうしたコラボレーションの背景を知ることで、彼の多面的な魅力をより深く理解できることでしょう。

個性あふれる魅力的なグッズたち

特設ショップ(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
特設ショップ(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

展覧会を訪れた後は、ぜひ特設ショップにも立ち寄ってみましょう!
グッズショップでは、田名網敬一の世界観が詰まったオリジナルグッズが勢揃いしています。
定番のポストカードやポスターだけでなく、Tシャツ、トートバッグ、マグカップ、刺繡ワッペンなどの商品も販売。
どのアイテムも田名網の奇想天外なモチーフと極彩色のデザインが施され、ファンならずとも手に取りたくなるような魅力的なグッズばかりです!
企画展の思い出として、また田名網アートの一部を自分の生活に取り入れるアイテムとして、ぜひお気に入りのグッズを見つけてください。

濃密な色彩と膨大な作品数に圧倒される展示

「田名網敬一 記憶の冒険」では、鮮やかで濃密な色彩と膨大な作品の数に圧倒されました!
大胆なモチーフやユニークなコラージュ技法が織り成す独特の世界観は、観る者の感覚を刺激し、思わず見入ってしまう魅力がありますね。
彼の作品は、見た瞬間に心に残る強烈なビジュアルでありながら、その背後には戦争や文化、個人の記憶という深いテーマが潜んでいます。

「田名網敬一 記憶の冒険」は、田名網敬一というアーティストの全貌を知る絶好の機会ではないでしょうか。
60年を超える彼の創作活動を通して、私たちが普段意識しない「記憶」の力や文化的影響を感じ取ることができるでしょう。
ぜひ、皆さんも「記憶の冒険」に足を運んで、田名網敬一の世界を体感してみてください!

国立新美術館内カフェ・レストラン情報(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)
国立新美術館内カフェ・レストラン情報(「田名網敬一 記憶の冒険」国立新美術館)

国立新美術館内には、カフェやレストランがいくつか併設されています。
しっかりと食事をとりたいなら3Fのブラッスリーポールボキューズミュゼやカフェテリアカレがお勧めです!
軽食とドリンクを飲みながら、企画展の余韻に浸るならカフェコキーユもお勧めです。
図録を購入してお気に入りの作品を振り返ってみたり、友人と印象に残った作品について話したりするのもよいですね。

開催情報

『田名網敬一 記憶の冒険』
場所:国立新美術館
期間:2024/8/7 ~ 2024/11/11 ※休館日:毎週火曜日
公式ページ:https://www.nact.jp/exhibition_special/2024/keiichitanaami/
チケット:2000円(一般)、1400円(大学生)、1000円(高校生)

※詳細情報や最新情報は公式ページよりご確認ください

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