訪問着は、結婚式やお茶会、入学式など幅広いシーンで活躍するフォーマルな着物です。
その華やかさと上品さから、着物市場でも根強い人気を誇ります。
しかし、訪問着を手放す際には、どのようにすればより高く買取してもらえるのか気になるものです。
実は、訪問着の買取価格を上げるには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。
目次
訪問着とは
訪問着は、絵羽模様と呼ばれる縫い目をまたいで柄が続くデザインが特徴の着物です。
この美しい模様が、訪問着に上品で格調高い雰囲気を与えています。
結婚式やお茶会、入学式や七五三の付き添いなど、フォーマルな場からカジュアルなパーティーまで、幅広いシーンで着用できるのが魅力です。
また、年齢を問わず着られるため、長く愛用できる着物として人気があります。
色や柄の選び方、さらに紋の有無によって、着物の格やTPOへの適応度が変わるのも訪問着の特徴です。
色留袖や付け下げとの違い
訪問着と似たような着物に色留袖や付け下げがありますが、それぞれ用途やデザインに違いがあります。
まず、色留袖は未婚女性が着る黒留袖に対し、既婚・未婚を問わず着られるのが特徴です。
模様は着物の下半分に限られ、より格式の高い場面で着用されます。
一方、訪問着は全体に柄が広がるため、色留袖に比べてカジュアルな印象を与えます。
付け下げとの違いは、模様の構成です。
付け下げの模様は縫い目をまたがないよう配置されていますが、訪問着では縫い目をまたいで柄が続く絵羽模様が採用されています。
このため、訪問着の方が格上の着物とされ、フォーマルな場でもより自信を持って着られます。
高価買取してもらいやすい訪問着の特徴
訪問着はフォーマルな場からカジュアルなシーンまで幅広く使える着物として人気があり、買取市場でも安定した需要があります。
特にデザイン次第で高価買取になることがあります。
控えめなパステルカラー
結婚式や入学式、七五三など、お祝いの場で着用されることの多い訪問着。
そのため、落ち着いた淡い色合いのものが好まれる傾向にあります。
たとえば、淡いピンクや水色、クリーム色などのパステルカラーは、幅広い年代や場面で着用しやすいことから需要が高く、高価買取されやすい特徴の一つです。
派手な色や個性的な柄も魅力的ですが、控えめなデザインが買取価格を上げるポイントになることがあります。
丈が長くサイズが大きい
訪問着を含む着物の買取では、丈が長いものほど高く評価されます。
特に近年では、背の高い女性が増えていることもあり、丈が短い訪問着は需要が限られがちです。
一方、丈が長い訪問着であれば、小柄な方でも仕立て直しが可能なため、多くの人に着用してもらえるメリットがあります。
一般的に、身丈が160センチ以上の訪問着は高価買取されやすい傾向にあります。
有名作家が制作した訪問着
訪問着の中でも特に高値がつきやすいのが、有名作家による作品です。
たとえば、久保田一竹や羽田登喜男など、人間国宝に指定された作家が手掛けた訪問着は希少価値が高く、コレクターからの需要もあるため、買取価格が高くなりやすい傾向です。
また、作家の印である落款が入っていると、その訪問着の価値が一層明確になるため、高価買取の可能性が高まります。
伝統工芸品の訪問着
京友禅や加賀友禅といった伝統工芸品の訪問着も高価買取の対象です。
これらは日本の伝統技術が詰まった貴重な着物であり、現在でも国内外で高い人気を誇ります。
特に証紙が付属している場合、その訪問着の価値が一段と高く評価されるため、査定額が上がることが期待できます。
訪問着の買取価格を上げるコツ
訪問着を少しでも高く買取してもらうためには、いくつかの工夫が必要です。
査定額をアップさせるためにはあるコツを意識しましょう。
帯や小物もセットで査定してもらう
訪問着を査定に出す際は、帯や帯揚げ、帯締め、重ね襟などの小物を一緒に出すことで買取価格が上がることがあります。
訪問着は小物とセットで使用するのが一般的なため、これらがそろっているとそのまま使える状態として評価されます。
また、後板や腰紐といった基本的な小物も、セットで査定に出すと良いでしょう。
これらのアイテムが不足していると査定額が下がる場合があるため、訪問着の付属品がどれだけそろっているかを事前に確認しておくことをお勧めします。
落款や証明書がある
有名作家が手掛けた訪問着や、伝統工芸品として認定された訪問着を査定に出す際は、落款や証紙といった証明書類を一緒にそろえることが重要です。
たとえ非常に価値のある訪問着でも、それを証明できるものがない場合、適正な評価を受けられない可能性があります。
落款は作家のサインのようなものであり、その訪問着がどの作家によるものかを証明する大切な印です。
一方、証紙は訪問着が京友禅や加賀友禅といった伝統工芸品であることを示す証拠となります。
査定に出す前に、落款や証紙がきちんと保管されているかを確認しておきましょう。
複数業者に査定を依頼する
訪問着の買取価格をできるだけ高くするためには、複数の買取業者に査定を依頼することが効果的です。
業者によって査定基準や得意分野が異なるため、一社だけで決めてしまうのは損をする可能性があります。
たとえば、ある業者ではあまり高く評価されなかった訪問着が、別の業者では高額査定になるケースも少なくありません。
また、着物の買取強化キャンペーンを実施している業者を選ぶことで、さらに査定額アップが期待できる場合もあります。
最近では、スマホで写真を送るだけで簡単に査定ができるサービスも増えているため、複数の業者に手軽に見積もりを依頼可能です。
比較検討した上で、最も納得のいく査定額を提示してくれる業者を選ぶようにしましょう。

