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ペルシャ絨毯は手織りのみ?機械織りはペルシャ絨毯ではない?
ペルシャ絨毯とは、イラン国内で作られた手織りの絨毯を指します。ペルシャ絨毯は手織りのもののみです。イランで生産された絨毯でも、機械織りで作られたものはペルシャ絨毯と呼びません。手織りで作られたペルシャ絨毯は、その鮮やかな文様や手織りならではの歪みが味わい深く、芸術的な価値も高い織物製品です。 ペルシャ絨毯は手織り?機械織り? ペルシャ絨毯はイランの伝統的な織物製品です。ペルシャ絨毯を購入しようと考えたとき、イランで作られているかチェックすることはあるでしょう。しかし、手織りと機械織りの違いがあることを知らない方も多くいます。実は、ペルシャ絨毯はイラン国内で製作された絨毯の中でも「手織り」で作られたもののみの名称です。機械織りであるにもかかわらず、ペルシャ絨毯として販売されているものは偽物です。ペルシャ絨毯の本物か偽物かを判断するときは、手織りで製作されているかをチェックしましょう。 手織りペルシャ絨毯とは イランで作られた手織りペルシャ絨毯は、正真正銘本物のペルシャ絨毯です。機械で織られたものとは模様の繊細さや耐久性が異なります。手織りは時間をかけて一つひとつ職人が手作業で作り上げています。そのため、繊細な文様の表現が可能で、その鮮やかな色彩も相まって人々の心を魅了している織物製品です。 また、手織りで作られているため同じ製品はこの世に存在しません。唯一無二の製品であることが、さらにペルシャ絨毯の価値を高めています。ペルシャ絨毯の繊細な文様を表現するためには、ノットの密度が重要です。絨毯の編み目が細かければ細かいほどノット密度は高まり、より繊細な模様が織りあげられます。 編み目が細かくなれば必然的に織る回数が多くなり、製作時間も長くなります。手織りのペルシャ絨毯は手間と時間がかかるため、価格も高くなるのです。ノット密度の高いペルシャ絨毯は、手間はかかりますがその分耐久性も高まります。丁寧に手織りされたペルシャ絨毯は、丈夫で傷みにくく使えば使うほどに色の味わいが深まっていくでしょう。 耐久性が優れていることから50年、100年以上前に織りあげられた絨毯も現存しています。非常に希少価値が高く、なかには1000万円以上の価値が付く絨毯も。手織りのペルシャ絨毯は価格が高めですが、その分耐久性に優れ実用性が高いうえに、手織りならではの繊細な文様が美しく映え、世界に一つだけの輝きを放っているのです。 機械織りペルシャ絨毯とは 機械織りペルシャ絨毯は、正確にはペルシャ絨毯ではありません。そのため、機械織りの製品はペルシャ「風」絨毯といえます。ペルシャ絨毯が世界的に人気を集め、需要が高まった影響で、機械織の絨毯が大量生産されるようになりました。手織りのペルシャ絨毯は1つの製品を織りあげるのに1~3年、長いものでは10年かかります。 そのため、需要が高まっても、織りあげられる職人の人数や製作期間などの条件から、製作できる量が限られてしまいます。そこで、高まるペルシャ絨毯の需要にこたえるためにと、機械織りのペルシャ「風」絨毯が作られるようになったと考えられるでしょう。世界的に人気を集めたペルシャ絨毯は、イラン国内外問わず機械織りで作られるようになりました。 機械織りの絨毯はもちろん、イラン以外の国で作られた絨毯はペルシャ絨毯ではありません。イラン国内かつ手織りで作られている絨毯以外は、ペルシャ絨毯ではない点を覚えておきましょう。 機械織りの絨毯の中で、よくペルシャ絨毯と間違われるものの一つにウィルトン織りがあります。ウィルトン織りとは18世紀半ばに、イギリスのウィルトンで誕生した伝統的な機械織り絨毯です。機械織りの中でも最高級品とされており、手織りのような肌さわりや深みのある色合いが特徴的です。ウィルトン織りはパイルの密度が高いため耐久性に優れており、毛足がへたりづらく遊び毛が出にくい特性を持っています。パイル糸が高密度で織られているため、繊細な模様もはっきりと美しく表現され、色や柄のバリエーションが豊富な点も魅力の一つです。 高密度で繊細な模様の表現ができるうえに、手織りのような肌触りをしているためペルシャ絨毯と間違われたり、ペルシャ絨毯と称して転売されたりしてしまうのです。非常に似た特徴を持つペルシャ絨毯と機械を使ったウィルトン織り。ペルシャ絨毯の購入を考えたときに、誤って違う製品を購入してしまわないよう、見分け方を知っておく必要があります。 手織りと機械織りのペルシャ絨毯の違い、見分け方 ペルシャ絨毯以外の製品を誤って購入してしまわないよう、手織りと機械織理の特徴を知るとともに見分け方を押さえておくことも大切です。機械織りの中でも、よくペルシャ絨毯と間違われやすいのがベルギー製やトルコ製のウィルトン織り絨毯。 違いを見分けるためには製品の歪みに注目します。ウィルトン織りの絨毯は、定規でまっすぐ線を引いたように形が整っており、歪みがまったく見られません。ペルシャ絨毯には手織りならではの自然な歪みが見られます。 また、ウィルトン織りはフリンジのない製品も多く、フリンジを取り付ける際は本体に後から縫いつける方法で作られます。一方、ペルシャ絨毯のフリンジは本体の縦糸をそのまま使って丁寧に作られている点が違いの一つです。 ウィルトン織りのエッジはミシンがけで縫われていますが、ペルシャ絨毯では丁寧に手縫いされています。このように、非常に細かな箇所ではありますが、手織りと機械織りでは製品に違いが見られます。しかし、素人目で違いを確認し、手織りと機械織りどちらであるかを判断するのは難しいでしょう。日ごろからペルシャ絨毯を目にする機会があれば、どのような特徴を持っているか意識して鑑賞してみることをお勧めします。 絨毯の中でも最高級と称される、手織りペルシャ絨毯 手織りのペルシャ絨毯は魅力が多いですが、その分高級な織物製品のため、なかなか手が出せずにいる方も多いのではないでしょうか。ペルシャ絨毯が、絨毯の中でも最高級と称されるのには理由があります。ペルシャ絨毯が高級な理由の一つとして人件費が挙げられます。ペルシャ絨毯は手織りで製作されているため、製作費用のおよそ8割が人件費です。 一つひとつ職人が丁寧に織りあげており、1つの製品を完成させるのに数年かかることもあります。ペルシャ絨毯は、現在でも世界中で人気を集めている絨毯ですが、手織りのできる職人が少なくなりつつあるといわれています。今後、需要は高くても生産が追いつかない事態が発生する可能性は高いでしょう。そのため、今後もペルシャ絨毯の価値が下がることは考えにくく、むしろ希少性が増して価値が高まると考えられます。 年月を経ても美しい手織りペルシャ絨毯 機械織りの普及が進み、ペルシャ「風」絨毯はより身近なものになりました。多くの方がペルシャ絨毯を知ったり手にしたりするきっかけになったといえます。しかし、機械織りの絨毯はあくまでペルシャ「風」絨毯であって、ペルシャ絨毯そのものではありません。本物のペルシャ絨毯には、機械織りにはない手織りならではの美しさや味わいが存在します。丁寧に手織りされたペルシャ絨毯は、耐久性が高く長年使い続けることも可能です。繊細で密度の高い文様の鑑賞を楽しみながら、子どもや孫の代までペルシャ絨毯を受け継いでいくこともできるでしょう。 せっかくペルシャ絨毯を購入して利用するなら、機械織りではなく手織りのものを使用したいものです。ペルシャ絨毯の購入は、安い買い物ではありません。そのため、本物のペルシャ絨毯を購入できるよう、機械織りと手織りの違いを理解することが大切です。それぞれの特徴を知り、違いを判断できるようにするとともに、職人が丁寧に織った手織りのペルシャ絨毯のよさや魅力を深めましょう。
2024.09.12
- ペルシャ絨毯とは
- ペルシャ絨毯の種類
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ペルシャ絨毯はどうやって作られる?細かすぎる手織りの技法
独特な文様と鮮やかな色合いが魅力的なペルシャ絨毯。手織りで作られているため世界に2つとない、貴重な織物製品です。一つひとつ年月をかけて手織りされたペルシャ絨毯には、機械で製作された絨毯にはない特別な魅力を多くの人が感じているのではないでしょうか。希少なペルシャ絨毯がどのように製作されているかを知ることで、より鑑賞や使用を楽しめます。 美しく織られるペルシャ絨毯 ペルシャ絨毯とは、イラン国内で作られた手織りの絨毯を指します。「手織り」がポイントで、機械織りの絨毯はイランで製作されたものであってもペルシャ絨毯とは呼びません。一つひとつ伝統的な手法で職人が手織りしたペルシャ絨毯は、その美しい文様が人々の目を惹きつけています。 素材にはシルクやウール、コットンなどが用いられます。中でもシルクを使用したペルシャ絨毯は高級品として取り扱われている傾向です。ペルシャ絨毯は一つひとつが手織りのため、製作に長い期間がかかります。1つの絨毯を完成させるまで、およそ1~3年の期間が必要です。サイズが大きかったり、ノット数が多い緻密な作りのものであったりすると、10年の歳月がかかることも。 職人が手間暇かけて織りあげたペルシャ絨毯は、色鮮やかで美しい文様に心惹かれるのはもちろん、耐久性が高く実用的な織物製品であるため、使いながらその姿を楽しむのもよいでしょう。ペルシャ絨毯は使うほどに味わいが増すといわれているため、ぜひ自宅で利用しながら代々受け継いでいきたい製品です。 ペルシャ絨毯はどうやって作られる? 使って頼もしい、見て楽しいペルシャ絨毯ですが、あの美しい文様ができあがるまでの作り方を知らない人は多いのではないでしょうか。ペルシャ絨毯の魅力の一つである、色鮮やかな文様は、職人が一つひとつ手織りで製作しているのです。使われている素材や糸を染める染料がどのようなものなのか、ペルシャ絨毯はどのように織りあげられているのかを知ると、よりペルシャ絨毯の魅力にはまっていけるでしょう。 ペルシャ絨毯の素材 ペルシャ絨毯の主な原料は「シルク(絹)」「ウール(羊毛)」「コットン(綿)」の3つです。ペルシャ絨毯はパイル織りと呼ばれる手法で作られ、縦糸と横糸さらにはパイル糸と呼ばれる結び糸の3つから構成されています。 ペルシャ絨毯の縦糸にはシルク、ウール、コットンが利用され、地域や民族によって利用する原料が変わります。イランで製作されているペルシャ絨毯の縦糸にウールが使用されているものは数%のみです。約8割以上はコットンを使用しています。また、パイル糸にシルクが使われているものは縦糸にもシルクが、パイル糸にウールが使われているものは縦糸にもウールが使われるのが特徴です。一般的に、パイル糸がシルクの場合をシルク絨毯、ウールの場合をウール絨毯と呼びます。なお、シルク絨毯であっても横糸には一般的にコットンが使われています。特別な場合にはシルクを使うこともありますが、横糸にウールが使われるのは非常に珍しいようです。 シルクは高級な原料として扱われています。光沢があり肌触りがよい特徴を持ち、保温性・保湿性に優れているのが特徴です。また、引っ張る力に対しては、ウールやコットンよりも耐久性が優れているため、品質の高い高級ペルシャ絨毯にはシルクが使用されています。 ウールも保温性・保湿性に優れた素材です。繊維が空気を閉じ込め熱を逃がさないため、冬でも温かい特徴を持ちます。また、保湿性にも優れており、気温の高い時期に水分が蒸発すると発生する気化熱を吸収するため、夏は涼しく過ごせるでしょう。伸縮性や弾力性にも優れているため、折り曲げたり引っ張ったりしてももとに戻る特徴があります。ただし、紫外線による黄褐変がおきやすい点に注意しましょう。ただし、色の変化もペルシャ絨毯の味わいとして楽しむのもお勧めです。 コットンはシルクやウールと比べると強度は落ちてしまいますが、繊維に構造が密なため温度や湿度の変化による伸縮がおきにくい特徴を持ちます。また、コットンはシルクやウールと比べると産地や生産量が多いため安価に入手できます。そのため、手ごろな価格のペルシャ絨毯によく用いられている素材です。 ペルシャ絨毯の染料 ペルシャ絨毯の糸を染めるのに使われる染料は「天然染料」「アニリン染料」「アゾ染料」「クローム染料」の主に4つです。天然染料は、植物性染料と動物性染料の2種類に分かれます。天然染料は技術が必要なうえに手間がかかります。そのため、価格を抑えたペルシャ絨毯にはあまり使われません。天然染料が使われているペルシャ絨毯は、高級絨毯であるといえます。 アニリン染料は、アニリンから抽出される合成直接染料です。色の種類は少なく、鮮明な発色をする特徴があります。しかし、退色しやすいデメリットがあり、イランでは1903年に輸入と使用が禁止されました。 アゾ染料は、アゾ基を持つ合成直接染料です。簡単に合成できるため価格が安い特徴があります。また、色の種類が多く深みのある発色をするため、現在でも流通する染料の半分以上を占めるとされています。しかし、色の種類によっては定着しにくく、有害物質を含む染料があるという報告も。 クローム染料は、クローム塩といった金属化合物を媒染剤とする合成染料です。化学結合によって繊維に染色するため、退色しにくい特徴を持ちます。アゾ染料を改良した染料のため色の種類は豊富ですが、アゾ染料よりも価格がやや高めの傾向があります。 ペルシャ絨毯の織りの技術 ペルシャ絨毯は、下絵やワギレなどのデザイン画に沿って縦糸に横糸とパイル糸を絡めて絨毯を織っていきます。1本1本の糸を職人が手作業で操り、ノットと呼ばれる結び目を作って織りあげていくのです。織り機は、水平型と縦型の2種類があります。水平型は四角い枠のような織り機を水平に設置し、手前からパイルを結んでいきます。一方、縦型の織り機は地面に垂直に備え付け、下からパイルを結んでいく仕様です。 必要な道具もあまりありません。材料は縦糸と横糸とパイル糸の3つ。道具はナイフやハサミ、重たい櫛状の道具のみです。サイズが大きいペルシャ絨毯ほど1列織るのに時間を要します。1列で数ミリほど織れますが、この1列を織るのに1日かかることもあります。ペルシャ絨毯の美しい文様が見られるようになるには長い年月がかかっているのです。 ペルシャ絨毯はすべて手織りで製作されています。そのため、完成するまでにはおよそ1~3年ほどかかるのが一般的です。中には10年以上かかる製品もあります。また、手織りで作られているため、すべてが1点ものです。そのため、手間がかかるうえに、世界に1つしかないペルシャ絨毯は、価格が高くなるといえます。 既製品とは異なる、ペルシャ絨毯ならではの美しさ 経験と技術を積んだ職人が一つひとつ手織りしているペルシャ絨毯。手間と歳月がかかる高級な織物製品ですが、その価格に見合った実用性や芸術性があるのも確かです。機械織りの絨毯ではだせない味わい深さが多くの人を魅了しています。ペルシャ絨毯の作り方に触れ、より魅力とその希少価値を実感できたのではないでしょうか。
2024.09.12
- ペルシャ絨毯とは
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ペルシャ絨毯が完成するまでにはどれくらいの製作期間がかかる?
色鮮やかで独特な文様が魅力のペルシャ絨毯。ペルシャ絨毯は手織りで作られているため、製作に時間がかかります。丁寧かつ綿密に織りあげられたペルシャ絨毯は、はっきりと文様が浮かび上がり、美しさが際立つでしょう。手間がかかっている分、その価値も高まります。芸術的価値の高いペルシャ絨毯の製作期間や作業の様子を知り、その美しさと価値を再認識しましょう。 ぺルシャ絨毯の製作期間は? ペルシャ絨毯を1枚製作するためには、およそ1年から3年近くの時間が必要です。もちろん、サイズや目の細かさにより所要時間が変わりますが、織りの工程では1日に数ミリしか進められないため、製作には長い年月を必要とします。 ペルシャ絨毯はノットが高密度で、薄くしなやかな仕上がりなものほど価値が高まります。薄手の絨毯を作るには細い糸を使用しなければなりません。細い糸を使用すればその分製作期間も長くなるでしょう。そのため、完成まで10年の月日がかかることも。上質な素材と繊細な製作を行っているペルシャ絨毯ほど製作に時間がかかり、希少価値が増すのです。 ペルシャ絨毯の製作に年数がかかる理由 ペルシャ絨毯の製作は、年単位の時間がかかります。製作に膨大な時間と手間がかかるのは、ペルシャ絨毯が手織りで製作されているためです。ペルシャ絨毯は素材を希望する色に染め上げてから織る作業に入ります。 必要な材料や道具はいたってシンプルで、縦糸と横糸、パイル用の糸の3つの素材と、織り機とナイフやはさみ、重たい櫛状の道具だけです。織り機の縦方向に横幅分の縦糸を並べていき、そこに横糸を織りこみ、パイルを結んでいく作業を繰り返します。サイズが大きいほど1列にかかる時間も長くなり、この数ミリの1列を仕上げるのに1日かかる場合もあり、ペルシャ絨毯としての形になるには数年の月日が必要なのです。 ノット数が多く目が細かいほど製作期間は長くなる ノットとは、ペルシャ絨毯の編み目の細かさを表す言葉です。この結び目が多ければ多いほど、密度が高く、高価なペルシャ絨毯とされています。ノットが細かく数が多いということは、その分糸を織る回数も増えるでしょう。そのため、ノット数が多く目が細かいほど製作期間は長くなります。 ノットが荒いと、ペルシャ絨毯の醍醐味でもある美しい文様がはっきりと浮かび上がりません。そのため、ノット数はペルシャ絨毯の命ともいえます。ノット数が多ければ手間もかかりますが、その分美しい文様がはっきりと描かれた美しいペルシャ絨毯を作りあげられるのです。 製作期間をかけるからこそ希少で美しいペルシャ絨毯に ペルシャ絨毯の製作に時間がかかるのは、手織りにこだわり味わい深い文様を丁寧に製作しているためです。製作にはおよそ1~3年、長いものだと10年もの年月がかかります。天然素材や天然染料にこだわり、さらにノット数の多い密度の高いペルシャ絨毯には、より高い価値がつくでしょう。手織りならではの美しさは、時間と手間をかけて作り上げられています。ペルシャ絨毯は、数年の歳月をかけて丁寧に手織りされていると知ったうえで鑑賞すると、また違った楽しみ方ができるでしょう。
2024.09.11
- ペルシャ絨毯とは
- ペルシャ絨毯の種類
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色鮮やかなペルシャ絨毯にはどんな意味がある?
独特な文様や構図とともに鮮やかな色合いが魅力のペルシャ絨毯。天然染料や合成染料を用いて染め上げられています。とくに天然染料は貴重な素材も多く、染色に高い技術が必要なため、天然染料を利用したペルシャ絨毯は希少価値の高い製品です。天然染料の味わい深い色合いと、それぞれの色に込められた意味を知ることで、よりペルシャ絨毯が魅力的に見えてくるでしょう。 色鮮やかなペルシャ絨毯とその意味 メダリオン文様でよくみられる赤色をはじめとして、青・緑など色彩の美しさがペルシャ絨毯の魅力の一つです。色鮮やかなペルシャ絨毯の文様は、かつて自然に生息する植物や昆虫を利用して、味わい深い色合いに染め上げられてきました。ペルシャ絨毯の文様や構図にさまざまな意味があるのは広く知られていますが、実は鮮やかな色彩にも意味が込められているのです。自然から抽出した天然染料を用いて表現された美しい色合いの意味を考えていきましょう。 赤色 赤は太陽の色。「健康と喜び」「勇気」を表しています。代表的な染料としては、アカネやベニバナ、カイガラムシなどがあげられ、赤色に染色できる天然素材が少ない傾向です。 青色 青は空や海の色、天国の色ともいわれています。「真実」「平和」の意味を持ちます。代表的な染料としては、アイやタイセイなどがあげられ、赤色の天然染料と同様に抽出できる植物が少なく、貴重な素材として取り扱われてきました。 緑色 マホメッドの旗の色。再生や希望を意味する神聖な色として扱われています。予言者の上衣に使われる色であることから「不滅」「不死」の意味を持っています。代表的な染料は、ヒエンソウです。自然の植物の緑は耐光性がなく、すぐに褪色してしまいます。そのため緑色の染料を作り出すのには高い技術が必要とされています。 黄色 黄は「輝き」「太陽」「人生の喜び」を表しています。代表的な染料としては、ウコンやカモミール、カラカシなどがあげられます。黄色の染料となる素材は自然界に多く存在しており、ほかの染料よりも選択肢の幅が広い傾向です。ただし、素材によって染め上がりの色合いが異なります。また、黄色はもっとも褪色しやすい色のため、ペルシャ絨毯ではベースとしてあまり利用されていません。 白色 白は「悲しみ」「慈しみ」「平穏」を表しています。白はシルクやウールなど織物本来の色合いが利用されます。真っ白ではなく素材そのものの色合いが出るため、さまざまな白を味わえるのが特徴です。 ピンク色 ピンクは知恵や知性を表す色。「神の英知」の意味を持ちます。代表的な染料としては、ダイオウやリンゴなどがあげられます。ダイオウは通常、深みのある黄色の染料になりますが、アルミ媒染によりサーモンピンクの色合いに染めることが可能です。 現在製作されているペルシャ絨毯すべてに天然染料が使われているわけではありません。天然染料による染色は、手間がかかるうえに技術や経験が必要な作業です。職人の経験に頼った染色方法といえます。そのため、天然染料を使用しているペルシャ絨毯は希少価値が高く、高級な製品ほど天然染料が使われています。 ペルシャ絨毯の色に込められた思いや願いを知ろう ペルシャ絨毯には文様や構図だけではなく、色にも思いや願いが込められています。天然染料で染められたペルシャ絨毯は希少価値が高く、現在でも高値でやり取りされています。色合いの意味を知ることで、天然染料で染め上げられた色鮮やかなペルシャ絨毯を鑑賞したとき、より魅力を感じられるのではないでしょうか。
2024.09.11
- ペルシャ絨毯とは
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知っておきたい、ペルシャ絨毯の部位やパーツの名称
高い芸術性をもつペルシャ絨毯。伝統的な絨毯は全体が同じ文様で構成されることはありません。デザインによって部位の有無が変わりますが、文様の位置や形状により名称が決まっています。例えば、中央の文様の周囲を囲っている枠をボーダーやガード、枠の内部をフィールドなどと呼びます。文様の種類や部位の名称がわかると、よりペルシャ絨毯への理解や興味が深まるでしょう。 ペルシャ絨毯の構図や部位の名称 繊細かつ洗練された魅力をもつペルシャ絨毯。色鮮やかな色彩の中にあるさまざまな文様が多くの人の心を惹きつけ魅了しています。ペルシャ絨毯は、模様によってその全体の構成が異なります。主な構図ごとに部位の名称を見ていきましょう。構図や部位の名称・特徴を知ることで、美術品としても評価の高いペルシャ絨毯のアート性をより楽しめます。 メダリオン文様のペルシャ絨毯 メダリオン文様のペルシャ絨毯は、代表的な文様の一つです。中央に文様のメインとなるメダリオンが配置されています。その周囲をボーダーやガードと呼ばれる枠で囲っており、枠内にはフィールドと呼ばれる文様が広がっています。中心部の大きな円形のデザインが特徴で、楕円や八角形、花弁形などバリエーションも豊富です。また、上下左右が対象となるように構成されている特徴があります。 メヘラブ文様のペルシャ絨毯 メヘラブ文様のペルシャ絨毯は、モスクの尖塔をイメージした文様の絨毯です。中央にはゲンディールと呼ばれる吊りランプの文様があり、周りはガードやボーダーで囲われています。囲いの中にはフィールドと呼ばれる文様が広がります。モスクはイスラム教徒にとって神聖なものとされており、メヘラブ文様のペルシャ絨毯は祈祷用としても用いられるのも特徴です。また、装飾性の高いメヘラブ文様のペルシャ絨毯は、壁面を飾るタペストリーとして使われることもあります。 総柄文様(オーバーオール)のペルシャ絨毯 絨毯一面に同じ文様の総柄を敷き詰めている特徴のあるオーバーオール。総柄文様とも呼ばれます。細かく分けるとアラベスクや花柄のペルシャ絨毯によく用いられる構図です。フィールドに色鮮やかな総柄の文様が敷き詰められ、その周りをガードやボーダーが囲っています。中央にメダリオンを置かず、絨毯一面をキャンバスのように使って文様が描かれているのが魅力的です。 美しいフリンジ(ふさ)もペルシャ絨毯の特徴 ペルシャ絨毯の特徴の一つでもあるフリンジ。 フリンジとは、絨毯が織りあがったあとに切り離される織物の縦糸の端を指します。フリンジはペルシャ絨毯の部位の中でも傷みやすい部位のため、普段使いする際はフリンジを織り込んだり、ペットのいないところで使用したりしましょう。また、汚れや黒ずみが目立つ部位のため定期的なメンテナンスをすることもあります。 ペルシャ絨毯のパーツ名称を知るともっと楽しい 繊細で美しい文様のペルシャ絨毯にはさまざまな構図があります。構図や文様の違いによって表情を変えるペルシャ絨毯の部位や名称を知ると、よりペルシャ絨毯の鑑賞や利用を楽しめます。販売店で好きな文様を探す際も、この構図のメダリオンが気に入ったなど、細かくチェックして楽しめるのではないでしょうか。芸術性の高いペルシャ絨毯のパーツ名称や構図を知ると、ペルシャ絨毯の味わい方も増えていくでしょう。
2024.09.11
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ペルシャ絨毯にはどんなサイズがある?
床の上の芸術品とも呼ばれるペルシャ絨毯。ペルシア王朝時代から長きにわたって織り継がれてきた伝統的な絨毯です。ペルシャ絨毯は構図や文様もさまざまですが、サイズも複数あり大きさによって呼び名が異なります。敷物としてはもちろん、タペストリーとして壁に飾ったり、テーブルクロスとして使ったり、さまざまな使い方ができます。ペルシャ絨毯のサイズを知ることは、用途の幅を広げることにつながるでしょう。 ペルシャ絨毯のサイズ・用途はさまざま ペルシャ絨毯の明確な起源はわかっていませんが、遊牧民として暮らす人々が羊毛で衣類やテントを作って生活していたところから、糸を紡ぐ技術を身に付け敷物づくりが始まったといわれています。また、ペルシャ絨毯が広く利用されるようになったのはイスラム教徒の発展があったからです。イスラム教徒では1日5回、ひざまづいて祈祷を行います。その際に足元に敷くようになったのがペルシャ絨毯でした。 踏まれるほどに魅力が増すといわれているペルシャ絨毯はさまざまな用途に利用できます。玄関やリビングなどの敷物としてだけではなく、イスラム教の礼拝に利用されたり、装飾品として飾られたりもしています。また、古くからは敷物としてだけではなく、袋状にして物を収納したり、食品を貯蔵したりと収納用品としての活用もされてきました。カーテンのように部屋を仕切るインテリアとしても利用でき、遊牧民にとっては欠かせない生活アイテムの一つでした。 現在では玄関や家具の下に敷いて、自宅のインテリアとして利用する人も多くいますが、その構図や文様の美しさから、美術品としての扱い方もされています。独特の文様や存在感に魅了され、タペストリーとしてペルシャ絨毯を壁にかけ、楽しむ人も増えています。 用途にあわせたペルシャ絨毯のサイズ選びを ペルシャ絨毯はサイズや形が豊富にあります。サイズごとにお勧めな使い方は以下のとおりです。 ミニ:座布団として使いやすいサイズ。 ボシティ:クッションを意味するペルシャ語。本来はクッションを加工するためのもの。日本では玄関マットとしてよく使われている。 ザロチャラク:女性や子ども用の礼拝絨毯として使われていた。日本では玄関やベッドサイドでの利用が多い。 ザロニム:男性用の礼拝絨毯として使われていた。広めの玄関や2人掛けのソファーの足元に向いているサイズ。 ドザール:最も人気のサイズ。3人掛けソファーの足元にぴったりなサイズ。 バルデ:カーテンを意味するペルシャ語。3畳に近いサイズでリビングのテーブルやソファの足元に使いやすい。 キャレギ:頭を意味するペルシャ語。もともとイランでは部屋の中央にキャレギを敷いて、左右の側部にケナレ、上部に幅の狭いキャレギを敷く形が主流だったが、西洋式の家が増え敷き方が変わってきている。現在は、リビングやダイニングに用いられている。日本では和室に敷く場合もある。 ガリ:キャレギよりもさらに大きいサイズで、欧米で人気のサイズ。日本ではリビングの大きさに合いにくいため、あまり輸入されていない。 ケナレ:細長い形をしているため、日本では廊下に利用しやすいサイズ。 また、ペルシャ絨毯の形には、長方形はもちろん正方形(スクエア)や円形(ラウンド)、楕円形(オーバル)などがあります。ペルシャ絨毯は長方形の人気が高く、ほかの形の生産は少ない傾向です。 生活空間を彩るペルシャ絨毯はサイズもさまざま! ペルシャ絨毯にはさまざまなサイズや形があります。長方形の人気が高く、最も多く生産されています。正方形や円形、楕円形の生産は、長方形と比べると少ない傾向です。ペルシャ絨毯はサイズにより適した使用用途が異なるため、お買い求めの際はどのような目的で使いたいかを決めてから選ぶとよいでしょう。また、規定のサイズだけではなく、オリジナルの大きなサイズのペルシャ絨毯も作られています。自宅の大きさや雰囲気にあわせたペルシャ絨毯を購入するなら、オリジナルサイズの商品も検討してみましょう。
2024.09.11
- ペルシャ絨毯とは
- ペルシャ絨毯の種類
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大阪でペルシャ絨毯を高く売ろう!高額査定・買取のポイントとは
大阪でペルシャ絨毯買取を相談しよう ペルシャ絨毯の魅力はその構図や文様の豊富さで、多彩な製品が製作されています。 お気に入りの文様を見つけてタペストリーとして飾るのも素敵です。ペルシャ絨毯は単なる日用品としてだけではなく、芸術的な価値も見いだされている織物製品です。中古市場でも人気があり、産地や製品の種類によっては高値で販売・買取されています。ペルシャ絨毯は古いものほど味わいが深まり、価値が増す製品です。50年以上前のペルシャ絨毯をオールド、80年以上前のものをセミアンティーク、100年以上前のものはアンティークと呼びます。長い年月を経て醸し出される風格は、歴史的・芸術的価値も高く、中には1,000万円以上の価値がつくペルシャ絨毯も。 近年、大阪でもペルシャ絨毯の買取業者が多くいますが、やはり高価買取が期待できるかは、状態の良し悪しはもちろん、素材の種類や縫い目の細かさ、色柄の美しさなども関わってきます。縫い目の細かさはノット数で表され、細かく織られているほどノット数が高くなります。ノット数が高いほど職人の手間と時間がかかっているため、価値が増す傾向です。また、ペルシャ絨毯が作られた産地や工房を示す証明書があると、買取の際に金額アップが期待できます。証明書があれば本物である証拠にもなるため、もし大阪で査定を依頼する予定がある場合は、証明書がないか確認しておきましょう。 ペルシャ絨毯とは ペルシャ絨毯とは、イラン国内で製作された手織りの絨毯を指します。つまり、機械織りされた絨毯は、イラン国内で作られていてもペルシャ絨毯とは呼びません。3000年以上の歴史を持つペルシャ絨毯は、その文様の美しさに加えて実用性も兼ね備えています。耐久性があるため、クリーニングや修理も可能です。色鮮やかな文様のペルシャ絨毯は、国を選ばずさまざまなインテリアにマッチする織物製品です。 ペルシャ絨毯の主な素材は、シルク(絹)、ウール(羊毛)、コットン(木綿)の3つ。シルクは高級素材として知られています。シルクパイルの絨毯はサファヴィー朝のシャー・タハマスプの時代に製作されたといわれています。イランでは、カスピ海沿岸のラシュトがシルクの名産地として有名です。シルクは、保温性・保湿性に優れ、静電気が起こりにくい特徴があります。さらに、肌触りがよく光沢があり、引っ張る力に対する耐久性は、ウールやコットンよりも優れています。そのため、高級なペルシャ絨毯にはシルクが用いられているのです。 ウールもシルクと同じく保温性・保湿性に優れている特徴があります。繊維が空気を閉じ込めるため熱が逃げにくく、冬でも温かく過ごせるでしょう。また、保湿性も高く水分が蒸発するときの気化熱を吸収するため、夏は涼しく感じられます。染色性にも優れていて色落ちが発生しにくい特徴も。ウールは伸縮性や弾力性に富んでいるため耐久性が高く、折り曲げたり、引っ張ったりしても時間が経つと戻る習性があります。ただし、ウールは動物性繊維でありたんぱく質でできているため、紫外線により黄褐変しやすい点に注意が必要です。 コットンは、シルクやコットンより強度は劣りますが、繊維の構造が密で温度や湿度変化による伸縮が発生しにくい特徴があります。また、産地や生産量が多く安価で入手できる点も魅力の一つです。 ペルシャ絨毯の5大産地と呼ばれているのが、「クム」「イスファハン」「カシャーン」「ナイン」「タブリーズ」です。高級ペルシャ絨毯も多く製作されています。しかし、人気が高まり需要が増えると、品質の低下を招いてしまうのが現実です。現在でも高級ペルシャ絨毯を多く製作していますが、ニーズに応えるために生産量を増やすことで、品質にもばらつきが出てしまう点を理解しておきましょう。また、人気の産地や工房のペルシャ絨毯に似せた偽物も多く出回っているため、購入時には注意が必要です。 大阪でもペルシャ絨毯の偽物がある… ペルシャ絨毯のその見た目の美しさに心奪われる人は多いでしょう。伝統的な技術と熟練の職人によって緻密に手織りされたペルシャ絨毯の文様は、見る人の心を惹き付ける魅力があります。芸術性の高い織物製品で、コレクターも多く存在します。高級品では数百万円から数千万もの価値があるとされており、その高級品としての価値を利用しようと偽物も多く出回っているのです。 そもそも、ペルシャ絨毯と呼べるのはイラン国内で製作された手織りの絨毯のみです。したがって、機械織りの絨毯はペルシャ絨毯ではありませんが、ペルシャ絨毯と偽って販売されているケースがあります。手織りと機械織りを見分けるためには、生地の歪みに注目します。機械織りは、機械が計算し精巧に作っているため、生地の歪みがありません。また文様の線は定規で引いたように真っすぐです。一方、手織りのペルシャ絨毯では、一つひとつ職人が手作業で織っていくため、差はあれど生地に歪みが生じます。 また、フリンジとエッジも機械織りを見分けるポイントの一つです。ペルシャ絨毯は織られた本体の縦糸がそのままフリンジになりますが、機械織りでは本体を織った後にフリンジが縫い付けられます。エッジ部分に関しても、ペルシャ絨毯は手縫いであるのに対して機械織りではミシンで縫い付けられています。このように違いがありますが、素人目で判断するのは難しいでしょう。所有するペルシャ絨毯が本物か確認したい場合は、経験豊富な査定士への相談がお勧めです。 ペルシャ絨毯の中には、人気の産地や工房の高級ペルシャ絨毯に似せて製作を行い、工房のサインを偽装したものも多く出回っています。工房サインの見分け方は色合いです。偽の工房サインを入れるためには、既存のパイルを抜き取り、新しくパイルを結び直す必要があります。そのため、似た色を選び結び変えたとしてもまったく同じ色にはなりません。そのため、工房サイン周辺だけ色に違和感がある場合は、偽装されている可能性が高いでしょう。 大阪でも、実は身近なペルシャ絨毯 ペルシャ絨毯にはさまざまな文様があり、その中でも印象的なものにメヘラブ文様があります。モスクの尖塔をイメージしたデザインで、イスラム教徒の人々は祈祷用としてメヘラブ文様の絨毯を用いるのが特徴です。イスラム教徒の人々は、1日に5回礼拝を行います。その際に、アーチの頂点がメッカに向くようメヘラブ文様の絨毯を敷いて礼拝を行うのです。 大阪では、イスラム教の礼拝場所である「モスク」が大阪市内・市外にあり、多くのイスラム教徒が大阪で暮らしています。モスクが近くにあるため礼拝にも訪れやすいですが、1日5回必ず訪れられるわけではありません。モスクで礼拝が行えないときにメヘラブ文様の絨毯を敷くことで、私設モスクを簡単に用意できるため、自宅にメヘラブ文様のペルシャ絨毯を用意しているイスラム教徒も多くいるでしょう。 大阪のペルシャ絨毯買取は実績ある査定士へ 芸術的価値だけではなく実用性も兼ね備えているペルシャ絨毯は、現代においても人気の高い織物製品です。イラン国内で手織りしたもののみをペルシャ絨毯と呼び、一つひとつ職人が丹精込めて作り上げた文様の美しさに魅了される人も多いでしょう。芸術品としての楽しみ方もできるペルシャ絨毯には、多くのコレクターが存在しており、中古市場でも高価買取が期待できます。 使えば使うほど強度と味わいが深みを増していくペルシャ絨毯は、状態により差はありますが、古いものほど高い価値がつくことも。しかし、人気がある分偽物も多く出回っているため、本物との違いを見分けるための知識を身に付けておくことも大切です。しかし、素人目で確認しただけで、本物のペルシャ絨毯と断言するのは難しいでしょう。もし、ペルシャ絨毯をお持ちで、産地や工房が不明で価値がわからない場合は、一度実績や経験が豊富な鑑定士に査定を依頼してみましょう。古くに譲り受けたものやバブル期に購入したものでは、高価買取が目指せるかもしれません。ぜひ一度相談してみてください。
2024.09.11
- ペルシャ絨毯買取
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京都でペルシャ絨毯は売れる?高額買取のポイントを知っておこう
京都でペルシャ絨毯買取を相談しよう ペルシャ絨毯はインテリアとして実用性が高いだけではなく、その独特な文様や構図から多くの人々を魅了しています。文様や構図は産地や工房によって異なりさまざまな種類があります。数多くのデザインからお気に入りの1枚を見つけるのも楽しみの一つです。文様の芸術性の高さからコレクターも多く、タペストリーとして壁に掛けて飾る鑑賞方法もあります。芸術品としても高い評価を受けているペルシャ絨毯は、中古市場でも高値でやり取りされることも。 都内にお住まいの方で、自宅の整理をしていて出てきたペルシャ絨毯をお持ちの方は、京都でも査定が行えます。ペルシャ絨毯はその人気の高さから、偽物も多く出回っています。お手持ちのペルシャ絨毯が本物であるか、また価値のある製品なのか知りたい方は、京都でもペルシャ絨毯の査定経験が豊富な査定士に相談してみましょう。ペルシャ絨毯は古いほど価値が高いものも多いため、昔もらい受けたものやバブル期に購入したものがあれば、高価買取が期待できます。ぜひ一度査定をして価値を確かめてください。 ペルシャ絨毯とは 独特な文様や構図の美しさにより人々を魅了しているペルシャ絨毯。イランが世界に誇る織物製品で、使うほどにその魅力が増していくのもペルシャ絨毯の醍醐味の一つです。そのため、古いペルシャ絨毯も大変価値があり、50年以上前のオールドのペルシャ絨毯の中には、1,000万円以上の価値のあるものも。また、100年以上前のアンティークのペルシャ絨毯は希少すぎてめったにお目にかかれません。 ペルシャ絨毯の主な素材は、シルク(絹)、ウール(羊毛)、コットン(木綿)の3つです。また、ペルシャ絨毯は縦糸、横糸、パイル、耳の構成で作られています。シルクで作られたペルシャ絨毯には独特な輝きとツヤがあります。また、絹はパイルだけではなく縦糸にも利用されており、ウールやコットンと比べると緻密な織り方ができるのも特徴です。ウールは、主に羊の毛を利用していますが、ほかにもラクダやヤクの毛が利用されるケースもあります。一般的に足やお腹周りの毛よりも、肩やわき腹の毛の方が品質がよいといわれています。コットンは、産地や生産量が多いため安価なペルシャ絨毯によく利用されている素材です。 ペルシャ絨毯の産地はさまざまありますが、有名な地域としては「クム」「イスファハン」「カシャーン」「ナイン」「タブリーズ」などがあります。これらはペルシャ絨毯の5大産地と呼ばれています。有名な産地では高級なペルシャ絨毯も多く作られていますが、その分偽物も多く出回っているのが現状です。そのため、産地にこだわってペルシャ絨毯を購入したい場合は、産地の特徴を理解しておく必要があります。 日本でペルシャ絨毯の人気が広まった理由として、イランと日本の暮らしの共通点が関係していると考えられます。イランも日本も室内では靴を脱いで過ごす習慣があるため、絨毯の利用方法が受け入れられやすいものだったと推察できます。実用品としても人気の高いペルシャ絨毯ですが、独特な文様や構図が織りなすデザインの芸術性の高さから、美術品としての魅力も秘めている製品です。ペルシャ絨毯は使うほどに強度や風合いが増していき、時間が過ぎていけば作られた当初とはまた異なる表情を魅せてくれるでしょう。 ペルシャ絨毯には偽物がある?! リビングや家具の下に敷いて利用するペルシャ絨毯。現在では、美術的価値の高さから日常使いとしてだけではなく、鑑賞目的で壁に飾るタペストリーとして利用されることもあります。芸術的価値も見いだされたペルシャ絨毯は、人気の高さも相まって偽物が市場に出回ることも増えてしまいました。 たとえば、ペルシャ絨毯はイランで製作されている絨毯の中でも手織りのものを指します。機械織りされた絨毯は、イランで生産されたものであってもペルシャ絨毯とは呼びません。しかし、機械織りの絨毯も手織りのペルシャ絨毯と偽って販売されています。ほかにも、無名の産地や工房で製作されたペルシャ絨毯を有名な産地や工房のものと偽って販売することも。また、同じく価値が高い中国絨毯の段通と間違えて販売・購入されることもあるようです。 有名な産地や工房で製作される高級ペルシャ絨毯の文様に似せて製作し、産地や工房を偽って販売されているペルシャ絨毯は、染料やノット数などに違いがあります。本物の高級ペルシャ絨毯には、天然染料を使っていることがほとんどですが、安価な偽物には合成染料が使われています。また結び目の数を表すノット数は、本物の高級ペルシャ絨毯では約100万~121万ノットですが、偽物では約64万~81万と差があるのも違いの一つです。ノット数が多ければ多いほど高品質だとされており、1平方センチメートルに100個以上のノットがあると上級品に該当するでしょう。 また、中国絨毯「段通」がペルシャ絨毯として販売されているケースがあります。段通はペルシャ絨毯よりも分厚い作りであるのが大きな特徴です。結び目は1本1本手作業で仕上げられており、強度が高く耐久性や柔軟性にも優れています。この段通がペルシャ絨毯と間違われ販売されていることも。段通とペルシャ絨毯の大きな違いは織り方と絨毯の厚さです。 段通は、織るときに横糸を縦糸に通すだけで結びません。そのため、利用していくうちに結びが外れていき、穴が開いたような状態になります。一方、ペルシャ絨毯は縦糸と横糸を完全に結ぶ形で織っていきます。そのため、絨毯として使用し何度も力が加わると結び目がどんどんしまっていき強度が増すのです。そのため、ペルシャ絨毯は使うほどよいといわれ、古い絨毯でも高い価値がつくと考えられます。また、厚みにも違いがあり、ペルシャ絨毯はシルクやウールに関係なく薄く織られているため、利用しないときは畳んで保管が可能です。一方、段通は分厚く重いため折り畳むのは難しいでしょう。ペルシャ絨毯と段通の特徴を把握し、購入時に間違わないよう注意してください。 ペルシャ絨毯の偽物の流通は故意に行われているものもあれば、知識不足により名称を誤って販売してしまっていることもあるのです。また、商品の詳細がないために購入者が間違って購入してしまったり、購入者側の知識不足によりペルシャ絨毯と思い込んで購入してしまうなどもあるでしょう。本物のペルシャ絨毯を購入したいと考えたときに、誤って偽物を高値で購入してしまわないよう、基本的な知識を身につけておくことが大切です。 京都とペルシャ絨毯の深いつながり 現代でも高い人気を誇るペルシャ絨毯。 誕生したのがいつであるか正確な情報はわかっていません。およそ3000~4000年前に作られ始めたとされています。作られ始めたころのペルシャ絨毯は、現在作られているようなパイル生地ではなく、獣毛を固めたような製品でした。日本にペルシャ絨毯が伝わったのは桃山時代といわれています。当時は「毛氈(もうせん)」と呼ばれており、ポルトガルやスペインまたはオランダ東インド会社との海上貿易によって渡ってきたとされています。長崎・平戸の商人から数人の手を経て将軍や大名へ献上されていたといわれていますが、詳しい記述は残っていません。 京都市東山区の鷲峰山高台寺には、豊臣秀吉が所有していたと伝えられる陣羽織が所蔵されています。当時日本に入ってきたペルシャ絨毯を豊臣秀吉が気に入り、その美しい絨毯を裁断して陣羽織として利用しました。厳密には絨毯ではなく綴織のキリムを加工したものですが、ウールではなく金糸や銀糸が使われている特徴があります。そのため、16世紀後半から17世紀初頭にイスファハンやカシャーンの宮廷所縁の工房で製作された製品と推察できるでしょう。 また、京都祇園祭の南観音山の前懸として、17世紀中期に製作されたとみられるポロネーズ絨毯が使用されています。日本に渡ってきたペルシャ絨毯のいくつかは、山鉾の懸装品として使われてきたのです。ポロネーズ絨毯以外にも18世紀中ごろに日本に渡ってきたペルシャ絨毯があるとされていますが、実はその多くがムガール朝インドのデカン地方で製作された絨毯であると、近年の研究で判明しました。そのほか類似する絨毯は、徳川家の伝世品をいまに伝える徳川美術館に収蔵されています。 京都のペルシャ絨毯買取は実績ある査定士へ 実用性と芸術性を兼ね備えたペルシャ絨毯は、イランの伝統的な織物製品です。一つひとつ丁寧に手織りで作られており、独特な文様の美しさから世界中の人々を魅了しています。現在でも多くのコレクターがいるほど人気の高いペルシャ絨毯。手織りで希少価値の高いペルシャ絨毯は、製品によっては高価買取が期待できる芸術品です。ペルシャ絨毯は踏めば踏むほど強さが増し、味わいが出るといわれており、中には1,000万以上の価値がつくものも。しかし、人気や価値が高い分、それを利用して偽物も多く製作されています。 お手持ちのペルシャ絨毯が本物であるか、あるいは偽物やほかの絨毯であるか、なかなか素人目で判断するのは難しいでしょう。所有するペルシャ絨毯の価値を知りたい方は、経験豊富な査定士への査定依頼をお勧めします。サイズが大きいもの、状態がよいものに加えて、シルク素材で作られているものは高値がつきやすい傾向です。素材の確認も査定時に行えますので、まずはお気軽に査定士へご相談ください。
2024.09.11
- ペルシャ絨毯買取
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東京でペルシャ絨毯を高額買取してもらうなら、今がチャンス!
東京でペルシャ絨毯買取を相談しよう ペルシャ絨毯は家具の下に敷いたり、玄関に敷いたり実用的な使い方もできるうえに、その文様や構図の美しさから、タペストリーにして壁に飾ることもあります。美術品としての価値も高いため、コレクターも多く人気のペルシャ絨毯は高値で取り引きされています。都内にお住まいの方でペルシャ絨毯の価値を知りたい場合は、東京でも買取が可能です。文様や構図、産地によって人気の差はありますが、多くのペルシャ絨毯で高価買取が期待できます。自分で使っているペルシャ絨毯の価値が気になる方は、一度ペルシャ絨毯の査定を行っている査定士に相談してみましょう。 ペルシャ絨毯とは ペルシャ絨毯とは独自性のある豊富な構図や文様が魅力の織物製品です。イランの各産地で製作されており、昔から人々の暮らしの中に馴染んできた生活品の一つでもあります。一方で、独特な文様や繊細な手織りの技術などが相まって、芸術品としても高い評価を受けています。西洋骨董品として高値でやり取りされることも。実用的な製品でもあるため、踏まれるほどに味わいが増していくともいわれています。 ペルシャ絨毯の産地は数多くあり、その中でも5大産地と呼ばれているのが「カシャーン」「イスファハン」「クム」「ナイン」「タブリーズ」です。中でも日本に一番なじみ深いのはナイン産のペルシャ絨毯ではないでしょうか。ナインのペルシャ絨毯は品質を3つにランク分けしており、「チャハール(4)ラー」「シシ(6)ラー」「ノー(9)ラー」があります。数値が小さいほど糸が細くなり織りが細かくなります。ナインのペルシャ絨毯の色合いはベージュの割合がほかの産地に比べると多く、日本のシンプルな木造家屋の雰囲気にマッチしやすいのです。また、使っていくうちに色が変わり味わいが出てくる点も木工家具のようで親しみが持てます。 カシャーンやイスファハンは高級ペルシャ絨毯の産地としても知られていますが、人気が高まり需要が増えると品質の劣化は避けられないという問題を抱えているのが現状です。現在でも高級絨毯の産地として知られていますが、その品質にはばらつきが生じています。本物の高級ペルシャ絨毯を購入したい場合は、絨毯の特徴やポイントを頭に入れておくことが大切です。 ペルシャ絨毯の素材は「シルク(絹)」「ウール(羊毛)」「コットン(木綿)」の主に3つ。シルクは、軽くてしなやかな特徴があり、パイルだけではなく縦糸や横糸にも使われています。現在製作されている多くのペルシャ絨毯には、中国産のシルクが利用されています。ほかの繊維よりも高級品であるため、シルクのペルシャ絨毯はものによって100万円を超えることも。 ウールは主に羊の毛を使用した素材で、地域によってはラクダやヤクの毛を使用する場合もあります。気候により素材の品質が異なり、温暖な気候で育った羊よりも、寒さが厳しい山岳地帯で育った羊の方が品質がよいといわれています。弾力性や起毛力に優れており、ほかの繊維より燃えにくいことも特徴的です。価格もシルクとコットンの中間に位置しており、少しペルシャ絨毯への興味が深まってきたときに「コットンよりよいものを」と購入するのもよいでしょう。 コットンは生産地域や生産量が多いため、コットンを利用して製作されたペルシャ絨毯は、シルクやウールと比較すると安い価格で手に入れられます。品種改良により品質の高い綿花も多くなってきており、ペルシャ絨毯では縦糸や横糸の素材として利用されます。 宝石や金と並んで世界三大財産の一つに該当するペルシャ絨毯は、実用的でありながらも美術的価値が高い製品です。産地や素材を知ったうえで製品を見てみることで、少しだけ品質の良し悪しを自分で判断できるようになるでしょう。 ペルシャ絨毯には偽物がある?! 細やかかつ独特な文様で世界中の人気を集めているペルシャ絨毯。その芸術性の高さからコレクターも多く、希少価値の高いペルシャ絨毯を求めて中古市場を探し回る人もいます。しかし、その人気の高さから、偽物も中古市場に多く出回ってしまっている現状です。 手織りの絨毯をペルシャ絨毯と呼び、機械織りの絨毯にはペルシャの名称がつきません。イラン国内で製作されていても、機械織りであればペルシャ絨毯には該当しないのです。しかし、機械織りの絨毯でもペルシャ絨毯と謳って販売されていることもあります。 手織りと機械織りの絨毯を見分けるポイントは、生地の歪みです。機械織りは計算されて作られている分、生地に歪みが生じません。また、線は定規で引いたかのように真っすぐなことも特徴の一つです。一方で、手織りのペルシャ絨毯は製品によって程度は異なりますが、ほとんどの場合で歪みが生じます。 フリンジとエッジにも違いがあり、ペルシャ絨毯は織られた本体の縦糸がそのままフリンジになっていますが、機械織りでは後からフリンジを縫い付けています。エッジ部分もペルシャ絨毯では手縫いしてありますが、機械織りではミシンで縫いつけている違いがポイントです。 また、ペルシャ絨毯の中には、無名の産地や工房が有名産地の人気絨毯に似せて製作したものがあります。そして、産地や工房を偽造して販売されているのです。たとえば、日本でカシャーン・シルクとして人気を集めている絨毯のほとんどは、マラゲ産の絨毯にカシャーンの偽サインを後から入れたものになります。本物のカシャーン・シルクは生産数が少なく希少価値の高いペルシャ絨毯ですが、マラゲ産の絨毯は多く製作されており、比較的安価で購入できるはずの絨毯です。 ここからは、産地の違う高級ペルシャ絨毯と安価な絨毯を見分ける方法を確認していきましょう。 まず、染料の違い。本物のシャーン・シルクの染色には天然染料が使われていますが、マラゲ産の偽造品には合成染料が使われています。 次にノット(結び目)の比較。本物はペルシャ結びですが、偽造品はトルコ結びです。ノット数も本物は約100万~121万ノットであるのに対して、偽造品は約64万~81万と、品質でも差が大きく開いています。 このように偽物のペルシャ絨毯は、品質も劣る場合があるため、誤って高額で購入してしまわないよう注意が必要です。また、産地の偽装を見抜くためには、各産地のペルシャ絨毯の特徴を知っておくことが大切です。 東京でも実家の倉庫や相続でペルシャ絨毯が見つかることも ペルシャ絨毯とはとくに縁がないと思っていても、相続などで譲り受けることもあります。ペルシャ絨毯は美術品としての価値が高く、高価買取が期待できる製品です。何気なく譲り受けたペルシャ絨毯もしまったままにせず、一度査定を依頼して価値を確かめてみるのもよいでしょう。また、日本ではバブル期にペルシャ絨毯の需要が急激に増え、多くのペルシャ絨毯が輸入されています。ペルシャ絨毯は古くなるほどその価値が高まるため、昔購入したペルシャ絨毯が思わぬ高値で買い取ってもらえる可能性も。東京にお住まいの方でも、実家に眠っている価値の高いペルシャ絨毯が見つかるかもしれません。 東京のペルシャ絨毯買取は実績ある査定士へ ペルシャ絨毯は実用性と芸術性を兼ね備えた伝統的な製品です。繊細な技術で手織りされたペルシャ絨毯は現在でも人気を集めており、ものによっては高価買取の対象となっています。オールドのペルシャ絨毯では1,000万円以上の価値がつくことも。しかし、その人気の高さから多くの偽物も出回っています。 所有するペルシャ絨毯の価値を知りたい方、高価買取を希望する方などは、一度実績のある査定士に相談してみましょう。また、査定に出す際は、ペルシャ絨毯の産地や工房がわかる証明書がないか探してみてください。証明書により本物である証拠となり、価値が上がる可能性も。まずはお気軽に査定の依頼をしてみましょう。
2024.09.11
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ペルシャ絨毯を高額買取してもらう方法やポイントとは
自宅の倉庫にあるペルシャ絨毯や家族がコレクションしてきたペルシャ絨毯の買取依頼をお考えですか?さまざまな構図と文様で人々を魅了するペルシャ絨毯は、日常的に使える絨毯でもあり、高い美術的価値がある西洋骨董品でもあります。ペルシャ絨毯の歴史は古く、その長さと人気から偽物も多く出回っています。 もし買取を希望するなら、ペルシャ絨毯の目利き経験が豊富な査定士に依頼しましょう。査定の際にある程度知識をつけておくと価値を実感しやすいため、ペルシャ絨毯をあまり知らない方は産地や素材、歴史などに触れてみるとよいでしょう。 ペルシャ絨毯を高価買取してもらうには 構図と文様が豊富で魅力的な製品が多いペルシャ絨毯。自分のお気に入りの文様を探して、タペストリーとして飾っておくのもよいでしょう。家具としてだけではなく芸術品としての価値も高いペルシャ絨毯は、中古市場でも人気・価値ともに高く、コレクターが多い特徴があります。アンティークのペルシャ絨毯は非常に人気が高く、高価買取例も多く存在します。買取価格は状態にもよりますが、数万~数十万、非常に珍しいものだと100万を超えることも。 高く買い取ってもらえるペルシャ絨毯の特徴は、サイズが大きい、状態がよい、高価な素材で作られている、産地や工房の証明書があるなどです。ペルシャ絨毯は製作するのに手間がかかるため、大きいほど職人の手が多くかかっているため価値が高まります。また状態がよいことはもちろん、産地や工房の証明書があれば本物であると証明できるため高価買取が期待できるでしょう。ペルシャ絨毯の主な素材はシルクとウールです。このうち、シルクの方が高値で買取されやすい傾向があります。 ペルシャ絨毯とは ペルシャ絨毯はイランが誇る伝統的な織物製品です。昔から人々の生活品として役立ちながらも、構図や文様の高い芸術性が評価され、西洋骨董品としても高い価値をもっています。利用されて踏まれることで味わいが増すペルシャ絨毯は、唯一無二の美術作品ともいえるでしょう。ペルシャ絨毯の歴史をさかのぼっていくと、よりペルシャ絨毯の魅力に気が付かせてもらえます。産地や素材とともに歴史の流れを知り、ペルシャ絨毯の資産価値や美術品価値を把握しましょう。 ペルシャ絨毯の産地 ペルシャ絨毯の産地は小さな村や集落まで細かく分けると数百にもおよびます。しかし、文様や構図は似ている地域もあるため、それらをまとめ大きな地域の範囲で産地を見てみましょう。 ペルシャ絨毯の5大産地といわれているのが「クム」「イスファハン」「カシャーン」「ナイン」「タブリーズ」です。日本で人気を集めているのはナイン産のペルシャ絨毯。ナインのペルシャ絨毯にはベージュが多く用いられており、日本のシンプルな住宅の雰囲気にぴったりなのです。また、経年劣化によって徐々に飴色に変化していく様子が、木工家具のようだとして日本人に親しまれています。一方、イスファハンやタブリーズのペルシャ絨毯は色鮮やかで豪華な文様が多い特徴があり、ヨーロッパで人気があります。 クム クムはイラン中央部、クム州にある産地です。クムでは1930年代半ばごろに絨毯製作が始まり、当時はほかの産地の文様を真似たものが多く製作されていました。1960年代に入るとシルク絨毯が製作され始め、1980年代にはシルク絨毯が主流となり、ウール絨毯はほとんど製作されなくなっています。日本のバブルをきっかけに需要が急激に増加し、人気を集めました。 イスファハン イスファハンはイラン中央部、イスファハン州にある産地です。縦糸に絹を用いた緻密な織りの絨毯が特徴で、20世紀半ばにはケルマンやカシャーンに変わり、最高級品のペルシャ絨毯を製作する産地として有名になりました。しかし、需要の高まりとともに品質の低下が起こり、一部ではジュフティと呼ばれる誤魔化しの技術が使われるようになってしまいます。現在においても、イスファハンはペルシャ絨毯の最高級品を生産する産地として知られていますが、その品質にはばらつきがあることも理解しておきましょう。 カシャーン カシャーンはイラン中央部、イスファハン州にある産地です。20世紀初めに、それまで最高級絨毯の産地として知られていたケルマンに代わり、カシャーンのペルシャ絨毯が高い評価を受けるようになりました。第二次世界大戦で欧州が戦場と化し、輸出が低迷した影響を受けて品質が低下していき、最高級絨毯の産地の座をイスファハンに取って代わられてしまいました。1970年代には原油価格の高騰による富裕層の増加で、国内の需要が上昇しています。その後、カシャーンのペルシャ絨毯は実用品に近い製品が多く作られるようになりました。 ナイン ナインはイラン中央部、イスファハン州にある産地です。ナインのペルシャ絨毯は品質を「チャハール(4)ラー」「シシ(6)ラー」「ノー(9)ラー」の3つのランクに分けています。数字が小さいほど使う糸が細くなり、織りは細かくなっていきます。ノーラーの生産は1990年代にほとんど終了していて、現在多く出回っているノーラーは、イラン中東部のタバスやカシュマールで製作されたコピー品。使用されている染料は合成で、パイルの一部も木綿であるなど、本物のナイン産ペルシャ絨毯と比較すると品質が大きく劣っているため、注意が必要です。 タブリーズ タブリーズはイラン北西部、東アゼルバイジャン州にある産地です。タブリーズのペルシャ絨毯は、その文様の多様さが魅力の一つ。とくにリズ・マヒと呼ばれるヘラティ文様は大変人気のあるデザインです。1990年ごろからはナグシェと呼ばれるヨーロッパ風の豪華かつエレガントな文様の製品や、鑑賞用として楽しむために絵画・写真を忠実に再現したタブローと呼ばれる絨毯も製作されています。 ペルシャ絨毯の素材 ペルシャ絨毯の主な素材はシルク(絹)、ウール(羊毛)、コットン(木綿)の3つです。また、ペルシャ絨毯はすべて手織りであり、手織りでないものには「ペルシャ」の名がつきません。 シルクは高級素材であり、軽くてしなやかな特徴があります。ペルシャ絨毯においてもシルクを用いた製品の中には、100万円以上の価値がつく高級品も。 ウールはシワになりにくく、ほかの繊維と比べると燃えにくい特徴があります。ウールの中で最高級品とされているのが、ホラサン地方のウールです。弾力性や起毛性に優れている特徴があります。ウールの価格帯は、シルクとコットンの中間くらいのものが多い傾向です。 コットンは生産されている地域や生産量が多く、安価で取り引きされています。コットンの縦糸は歪みにくく床に馴染みやすいことが特徴です。 近年ではペルシャ風絨毯も多く販売されていますが、素材や手織りならではの美しさはまったく異なります。ペルシャ絨毯の魅力を十分に楽しむためには、素材からこだわって選んでみましょう。 ペルシャ絨毯の歴史 ペルシャ絨毯の明確な起源は判明していませんが、今からおよそ3000~4000年前に誕生したといわれています。絨毯は日常使いする実用品のため、石のような硬い素材でできた製品とは異なり、古くに作られたものがあまり残っていません。なお、当初のペルシャ絨毯は、現在のパイル織りの製品ではなく、獣毛を固めたような製品であったとされています。現在、鑑賞できる最古のペルシャ絨毯は、ロシアのエルミタージュ美術館に所蔵されているパジリク絨毯です。 また、絨毯の起源は西アジアの砂漠や山岳地域に暮らしていた遊牧民が、羊毛を用いて敷物を作ったことと考えられています。平織りのキリムに始まり模様のある敷物が作りだされていき、その後にパイル織りの絨毯が作られていきました。 日本にペルシャ絨毯が入ってきたのは桃山時代と考えられています。当時、権力者の豊臣秀吉が絨毯の美しさを気に入り、絨毯を裁断して陣羽織として活用していました。ペルシャ絨毯の産地であるイランは、日本と同じように室内で靴を脱いで生活する習慣があったため、同じ暮らしの文化をもつ日本でペルシャ絨毯の魅力が受け入れられていったと考えられます。 なお、本格的にペルシャ絨毯が伝来したのは桃山時代ですが、実はそれより太古にペルシャ絨毯は日本へ伝わっていました。魏志倭人伝では邪馬台国の卑弥呼に、海を渡ってきたものから感謝のしるしとして絨毯のような敷物が贈られたと記されています。また、遣唐使による工芸品に花氈というフェルトが使用されており、現在も正倉院宝物として残されています。このことから、桃山時代以前にも何度かペルシャ絨毯と思われる産物が日本に渡ってきていたと考えられるでしょう。 ペルシャ絨毯の試算的価値・美術品価値 ペルシャ絨毯は実用品としても人気が高い製品ですが、その高い芸術性からコレクターも多く、中古でも価値が高いものもあります。また、ペルシャ絨毯は実用性の高い製品であり、使っていくほどに風合いが増して、製作したてのときとは異なる表情を見せてくれる点も、多くの人を魅了する特徴の一つです。 世界三大財産と言われる、ペルシャ絨毯 ペルシャ絨毯は、金や宝石と並んで世界三大財産と呼ばれています。世界中で人気を集め、多くのコレクターがいるペルシャ絨毯は、アンティークになるほどその価値が高まるのが特徴です。製作から50年以上経っているペルシャ絨毯をオールド、100年以上経つペルシャ絨毯をアンティークと呼びます。ペルシャ絨毯はシルクやウールで作られているうえに実用品として利用されてきた製品のため、なかなか品質を保つのが難しいといえるでしょう。そのため、オールドのペルシャ絨毯には1,000万円以上の価値がつけられます。アンティーク絨毯にいたっては、めったにお目にかかれる製品ではありません。 ペルシャ絨毯は中古でも買取してもらえる? ペルシャ絨毯はその人気の高さから、偽物も多く製作され市場に出回っています。ペルシャ絨毯はすべて手織りとされていますが、偽物の中には機械織りされているものも。機械織りの絨毯は形にまったく歪みがなく、線は定規で引いたように真っすぐなのが特徴です。一方、ペルシャ絨毯は手織りのため、少なからず多少の歪みが必ず生じます。 また、工房サインを入れ替えた偽物も存在します。偽の工房サインを入れる場合、既存のパイルを抜き取って新たにパイルを結ぶ必要があるため、パイルの色が全く一緒にはなりません。そのため、サイン部分の色で偽物を判別することが可能です。 ペルシャ絨毯には産地特有の特徴もあります。有名な産地を謳っていても、特徴が異なる偽物のペルシャ絨毯が販売されていることも。産地の偽装を見抜くためには、各産地のペルシャ絨毯の特徴を知っておくことが大切です。 ペルシャ絨毯の高価買取はプロの査定士へ 自宅で長年使ってきたペルシャ絨毯、クローゼットの奥底に眠っていたペルシャ絨毯など価値がわからないまま所有している人も多くいます。「ずっと使ってきて汚れているから」「本物かどうかわからないから」と買取を諦めている方はいませんか。どのような状態でも製品によっては価値がつきます。 価値がわからなかったペルシャ絨毯の中に、高価買取が狙える製品が眠っていることもあります。ペルシャ絨毯には偽物も存在するため、買取を希望する方は、西洋骨董品の中でもペルシャ絨毯の査定経験が豊富な査定士に依頼するとよいでしょう。
2024.09.11
- ペルシャ絨毯買取