江戸時代ごろから人気を集めているジャンル「浮世絵」。
さらに、そこから複数のテーマに分類され、さまざまな題材が描かれている浮世絵が誕生しています。
現代でも人気のジャンルの一つが、花鳥画浮世絵です。
有名浮世絵師が描いた作品も多く残されており、作家や作品によっては高価買取が狙えます。
目次
浮世絵の美しい花鳥画…高額買取してもらえる?
浮世絵の中でも寛政期以降に人気を広げた花鳥画浮世絵。
浮世絵は、日本画の中でも人気なジャンルの一つで、さらにさまざまなテーマに分かれています。
武将絵や美人画、役者絵、風景画、花鳥画など題材が豊富なのも特徴の一つです。花鳥画浮世絵も人気ジャンルの一つで、作品や作家によって買取価格が高くなると予想されます。
買取時に価値の把握ができるよう、花鳥画浮世絵がどのようなものか知り、高価買取のポイントを押さえることが大切です。
花鳥画浮世絵とは
そもそも浮世絵とは、江戸時代から大正時代に描かれた町人の日常生活を表現した絵のことです。
浮世絵にはさまざまなジャンルがあり、その一つが花鳥画浮世絵です。
花鳥画そのものは、花や鳥、昆虫などをモチーフにした絵画を指します。
花鳥画の起源は、六朝時代の中国です。
宋時代以降には、民間の間で寓意を取り入れた花鳥画が広がりを見せます。
日本では、平安時代ごろから花鳥画の制作が始まり、南北朝時代には、禅僧による水墨画の花鳥画が描かれるようになりました。
その後、室町時代に色鮮やかな花鳥画が誕生し、隆盛期を迎えます。
桃山時代には、日本ならではの様式が確立され、江戸時代中期ごろからは、写実的な作品が多く制作されるようになりました。
花鳥画浮世絵は、俳諧や狂歌などの当時の文芸との関係性が深かったため広がりを見せました。寛政期を境に、当時の浮世絵2大ジャンルであった美人画と役者絵は、徐々に後退しています。
のちに風景画や花鳥画などがメインとなった浮世絵が多く描かれるようになりました。
花鳥画浮世絵は高く売れる?
江戸時代に暮らす人々の生活を描いた浮世絵には、ジャンルがさまざまあり、花鳥画浮世絵もその一つです。
花鳥画浮世絵は、日本だけではなく海外からも高く評価されている絵画で、作品によっては高価買取が狙えます。花鳥画浮世絵の価値は、描いた絵師が誰であるかも大きく関係しています。
歴史的に有名な絵師が描いた花鳥画浮世絵であれば、高値で買い取ってもらえることも。描いた絵師を確認するためには、落款やサインをチェックしましょう。
また、鑑定書や付属品がある場合は、一緒に査定に出すと評価が上がります。
有名絵師が描いた花鳥画浮世絵ほど、偽物も出回っています。
そのため、自宅にある花鳥画浮世絵の真贋や価値を知りたい方は、プロの査定士への査定依頼がお勧めです。
著名な浮世絵師も花鳥画を描いた
江戸時代の始まりとともに町民の間に広がりを見せた浮世絵。
日本絵画の一つでジャンルもさまざまあります。
有名な浮世絵師も花鳥画浮世絵を多く手掛けています。花鳥画浮世絵を描いた有名浮世絵師は、西村重長・歌川広重・小林清親などです。
有名な浮世絵師と人気作品をチェックし、自宅にある花鳥画浮世絵は、高価買取してもらえるかの判断材料にしましょう。
江戸時代初期に活躍した、西村重長
作家名:西村重長(にしむらしげなが)
代表作:『新吉原月見之座舗』『竹田新からくり』
生没年:1697年?-1756年
西村重長は、江戸時代の初期に活躍した浮世絵師です。
鳥居派の中でもとくに鳥居清信風の漆絵による役者絵を描いていました。その後は、西川祐信や奥村政信風のテイストも取り入れ、漆絵美人画や浮世絵、花鳥画、歴史画、風景画などの紅摺絵も描いています。
西村重長は、多彩な浮世絵師で墨線を使わず、紅、黄、緑、鼠色で摺った無線絵の一種である「没骨の水絵」と呼ばれる技法の作品も多く描きました。それらの作品は、のちに石川豊信・鈴木春信・礒田湖龍斎らの画風にも影響を与えたといわれています。
また、江戸通油町(現・東日本橋)の地主でもあり、晩年は神田で古書店を開業しています。
西村重長は、多くの浮世絵作品を手掛け、花鳥画浮世絵も描いたとされていますが、現代まで残されている作品は少ないのが現状です。
歌川広重の描いた、花鳥画
作家名:歌川広重(うたがわひろしげ)
代表作:『名所江戸百景 水道橋駿河台』『東都名所 日本橋之白雨』
生没年:1797年-1858年
歌川広重は、多くの人気風景画を残していることで有名ですが、実は花鳥画も多く手掛けています。その数は数百点にものぼるといわれており、多くの作品が短冊型で制作されています。
歌川広重が描く花鳥画浮世絵の特徴は、静止画でありながらも躍動感のある生き生きとした鳥の描写です。
ツバメやカワセミ、千鳥などが飛翔する様子や枝にとまった瞬間の様子、身体をさかさまにして枝にぶら下がる様子など、さまざまなシチュエーションの鳥を描いています。歌川広重が描いた花鳥画浮世絵には『水葵に鴛鴦』『萼あじさいに川蝉』などがあります。
”最後の浮世絵師”小林清親の描いた、花鳥画
作家名:小林清親(こばやしきよちか)
代表作:『東京五大橋之一両国真景』『於黄海我軍大捷第一図』
生没年:1847年-1915年
小林清親は、15歳の時に父が亡くなったことをきっかけに元服して家督を継ぎ、幕臣となりました。
第15代将軍徳川慶喜のもとで多くの合戦に参加しています。
その後、江戸幕府がなくなると、母親とともに徳川慶喜らを追って静岡に移住しました。母が亡くなった27歳ごろには、東京に戻り絵師としての活動を本格化させました。
西洋画家に師事したといわれていますが、誰に師事したかは明確になっておらず、一説では、イギリス人の風刺画家「チャールズ・ワーグマン」に師事していたといわれています。
小林清親の本格的なデビューは、1876年と明治時代に入ってからでした。
風刺画や風景画を多く手掛けていた小林清親ですが『鶏と蜻蛉』『柿に目白』など花鳥画も描いています。
人気の花鳥画浮世絵の買取は、プロの査定士へ相談を!
現代でも人気の高いジャンルの一つである花鳥画浮世絵。
多くの有名浮世絵師によって描かれており、作品や作家によっては、高価買取が狙えるでしょう。高価買取を狙いたい方は、まず手持ちの花鳥画浮世絵が、どの浮世絵師によって描かれているかのチェックがお勧めです。
また、買取価格には、作品の保存状態も大きく影響します。
破れやシワ、シミなどが目立つ状態だと、買取価格は下がってしまうでしょう。作品の買取を考えている場合は、保管方法にも気を遣うことが大切です。
自宅に眠っている花鳥画浮世絵がある方は、ぜひ一度プロの査定士へ査定を依頼してみてくださいね。