森鴎外記念館は、明治の文豪・森鴎外の誕生150周年にあたる2012年に、文京区千駄木の地に建設されました。
かつて「文京区立本郷図書館鴎外記念室」として親しまれていた施設が、新たな使命をもってリニューアルオープンし、現在では鴎外の旧居「観潮楼」の跡地に建っています。
この地は、鴎外が明治25年から大正11年に亡くなるまでの30年間を過ごした、彼の人生と創作の中心地です。
森鴎外は、小説家、戯曲家、評論家、翻訳家、そして陸軍軍医として、多岐にわたる分野でその才能を発揮しました。
また、同時代の文化人たちとの交流からも、彼の人間的魅力や社会的影響力の大きさがうかがえます。
記念館では、そうした鴎外の多彩な顔を知ることができるだけでなく、彼が暮らした時代背景や街の様子も体感できます。
明治の文豪森鴎外が誕生して150年目の2012年、2008年より改築のため休館しておりました「文京区立本郷図書館鴎外記念室」が、新たに「文京区立森鴎外記念館」として生まれ変わりました。
文京区千駄木は、鴎外がその半生を過ごした地です。記念館が建つ場所は、鴎外の旧居「観潮楼」の跡地で、鴎外は1892(明治25)年から、亡くなる1922(大正11)年までここで過ごしました。
小説家、戯曲家、評論家、翻訳家、陸軍軍医と、いくつもの顔をもつ鴎外は、その業績から傑出した才能は明らかですが、文化人たちとの交流からも人間鴎外の大きさを知ることができます。
展示
館内の「常設コーナー」では、森鴎外の60年にわたる生涯を丁寧に紹介しています。
展示室に入ると最初に出迎えるのは、1914年に彫刻家・武石弘三郎が制作した鴎外の胸像。
この胸像は生前、鴎外の旧居「観潮楼」の庭に設置されていたものです。
常設コーナーでは、彼の人生を節目ごとに解説し、肖像写真や時代を象徴する鴎外の言葉が掲示されています。
また、特別展や年2回のコレクション展にあわせて展示内容が入れ替わるため、何度訪れても新しい発見があります。
コレクション
文京区立森鴎外記念館では、森鴎外に関する貴重な資料が数多く収蔵されています。
約3,000点の遺品資料、約6,000点の森類旧蔵資料、約11,000点の図書資料を保管し、これらを通じて鴎外の多彩な業績や人間像を知ることが可能です。展示内容は定期的に更新され、訪れるたびに新たな発見があります。
代表コレクション:
『ヰタ・セクスアリス校正刷』
『鴎外筆於菟宛(記念寄書)』
『デスマスク』
特徴/ここがオススメ
森鴎外記念館は、展示だけでなく、鴎外が過ごした空間を感じられる庭園も見どころの一つです。
当時から残る大イチョウの木や、観潮楼にゆかりのある草花が植えられており、四季折々の自然を楽しめます。
庭園内には、鴎外や「三人冗語」の同人たちが親しんだ「三人冗語の石」も健在。
また、入口近くには観潮楼正面の門柱跡の礎石や敷石がひっそりと佇み、往時を偲ばせます。
森鴎外記念館は、彼の人生や作品の世界を深く感じ取れるだけでなく、訪れる人々に文学と自然の調和した特別な時間を提供しています。
美術館情報
文京区立森鴎外記念館
住所:〒113-0022 東京都文京区千駄木1-23-4
GoogleMap:https://maps.app.goo.gl/mjs1XSAoBWvbkTY79
アクセス:東京メトロ千代田線「千駄木」駅 1番出口徒歩5分 ほか
開館時間:10:00〜18:00(最終入館は17:30)
休館日:第4火曜日/4月、10月、11月
第4月曜日と火曜日/5月、6月、7月、8月、9月、12月、1月、3月
※最新の情報は公式サイトをご覧ください
料金:展示によって異なります
公式サイト:https://moriogai-kinenkan.jp/
近隣のおでかけスポット
森鴎外記念館の訪問とあわせて、周辺の魅力的なスポットを散策してみてはいかがでしょうか。
文学や歴史、自然が感じられる場所が点在しており、観光やちょっとした気分転換にもおすすめです。
須藤公園
須藤家から寄付された庭園を活用した公園で、高低差のある地形が魅力的。
斜面地にはクスノキをはじめとする豊かな緑が広がり、滝から流れ込む池には藤棚が設置されています。
春には野草が咲き誇り、四季折々の自然を楽しめます。
旧安田楠雄邸
1900年代初期の和洋折衷建築が特徴の歴史的建造物。
伝統的な書院造や数寄屋造に加え、洋風の応接間も備えた邸宅は、当時の裕福な暮らしぶりを物語っています。
根津神社
文豪・森鴎外や夏目漱石が散歩の際によく訪れた由緒ある神社です。
境内には、鴎外が日露戦争記念として奉納した砲台(現在は水飲み場として利用)や、「文豪憩いの石」と呼ばれる腰掛け石が残されています。
文学ファンにはたまらないスポットであり、散策がてら訪れるのがおすすめです。