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葛飾 北斎が弟子のために描いた絵手本『北斎漫画』とは

日本を代表する浮世絵師・葛飾北斎は、19歳で絵師の道に進んで以来、生涯にわたって驚くべき数々の作品を手がけました。
90歳で亡くなるまで画業に情熱を注ぎ続け、自ら「画狂人」と称するほど絵を愛し、その圧倒的な技術と独創的な表現で江戸時代から今に至るまで多くの人々を魅了しています。

 

日本を代表する浮世絵師「葛飾北斎」と代表作

北斎の代表作のひとつである『北斎漫画』には、当時の庶民の生活風景、動植物、風景や名所、幽霊、神仏などが多彩に描かれており、あらゆるテーマを網羅しているのが特徴です。
特に、軽妙で洒脱な筆遣いや、動きのあるダイナミックな構図は、北斎ならではの魅力です。
一瞬をとらえたユーモアに満ちた描写からも、観察力と独自の感性が存分に発揮されているとわかります。
彼の作品には、視点の斬新さや繊細なディテールへのこだわりが随所に表れており、その画力は今なお世界中の人々を惹きつけてやみません。

 

弟子の絵手本として描かれた『北斎漫画』とは

『北斎漫画(部分)』葛飾北斎 [引用元:wikipedia]
『北斎漫画(部分)』葛飾北斎 [引用元:wikipedia]

作品名:北斎漫画
作者:葛飾北斎
制作年:1814年-1878年
技法・材質:半紙本
寸法:22.8 cm × 15.9 cm

 

『北斎漫画』は、葛飾北斎が弟子のために描いた絵手本として誕生し、当時の日本で「漫画」という言葉を広めるきっかけとなった作品です。
江戸時代には「漫筆」と呼ばれる、思いつくままに描くスタイルがあり、北斎はその自由な発想をさらに進化させて「漫画」という言葉を作り出しました。
ここでの「漫画」は、現在のストーリー性のある漫画とは異なり、日常の風景や人物、動植物などを軽妙に描き分けるスタイルを指しています。

絵手本である『北斎漫画』は、庶民の生活や自然に親しむ民衆に向けて制作され、粋なユーモアや風刺、また道徳観を織り交ぜて、多くの人々に親しまれました。
軽やかな筆致と風格ある構図で生き生きと表現された絵は、江戸時代の文化や美意識を感じさせるもので、当時の教養ある庶民に愛され、後世にわたってもその影響は計り知れません。

 

海外の芸術家にも影響を与えた絵手本『北斎漫画』

『北斎漫画』は、葛飾北斎が弟子や絵の初心者のために描いた絵手本ですが、その完成度は絵手本の枠を超え、多くの人々を魅了する内容になっています。
表紙に記された「伝神開手」という言葉には「絵画の神髄を初心者に伝える」という意味が込められており、画業を始めたばかりの弟子たちへ北斎の芸術のエッセンスを伝授する意図が示されています。

全15編にわたり4000を超える図が収められ、庶民の暮らしや風俗、動植物、自然現象などが精緻かつ洒落とユーモアを交えて描かれている『北斎漫画』は、その内容の奥深さと豊かさで江戸時代の教養ある庶民にも愛されました。

さらに、19世紀に日本からヨーロッパへ磁器や陶器を輸出する際、緩衝材として用いられた浮世絵や北斎漫画がフランスの画家たちの目に留まりました。
クロード・モネ、フィンセント・ゴッホ、ポール・ゴーギャンといった印象派の画家たちがその表現に強い影響を受け、ヨーロッパ美術における日本美術の魅力が広まる一因となったのです。

 

名前に江戸時代当時の北斗七星信仰が隠れている

『北斎漫画』には、江戸時代当時の北斗七星信仰の影響が秘められています。
2編から10編までの編尾の画の後ろに、「北斎改 葛飾載斗」筆、同門人「魚屋北渓 斗園楼北泉」校正と記されており、北斎の「北」と載斗の「斗」で北斗、北渓の「北」と斗園の「斗」で北斗の文字が現れ、陰陽道や妙見菩薩信仰に通じる北斗七星信仰が感じられる仕掛けとなっています。

単なる絵手本に留まらない深い象徴性が込められているのです。
北斎の名と弟子たちの名に隠されたこうした背景が、江戸時代の人々の信仰や文化を映し出し、独特な魅力を放つ作品に仕上がっています。

 

『北斎漫画』五編 柿本貴僧正は歌人・柿本人麻呂の伝説を描いている

『北斎漫画』五編には、有名な歌人・柿本人麻呂が「柿本貴僧正」として登場し、伝説を元にした姿が描かれています。
『北斎漫画』の後半には百人一首の歌人たちが多く登場しており、その一人として描かれている人麻呂は、三つ目で鬼の顔をした僧侶として表現されています。

人麻呂は、日本の代表的な歌人として3490もの歌を残したことで知られていますが、彼の詳細な経歴はほとんど不明です。
歴史的には、政治的な争いに巻き込まれ、その結果、すべての経歴が抹消されてしまったという説もあります。
そのため、後世にはさまざまな伝説が生まれました。

特に有名な伝説の一つに、彼が恋してはいけない高貴な女性に恋い焦がれ、最終的には鬼に変わってしまったという話があります。
北斎は、この伝説にもとづいて柿本人麻呂を描いており、十編に登場する柿本人麻呂は、立派な人の姿で描かれています。

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風景画で有名な葛飾北斎は『北斎漫画』にみられるユーモアも持ち合わせている

風景画で名高い葛飾北斎ですが、その作品には鋭い観察眼から生まれたユーモアも見受けられます。
北斎は、ただ単に美しい風景を描くだけでなく、日常生活や自然の中での人々の様子を精細にとらえることで、彼らの生き生きとした姿を表現しました。
『北斎漫画』では、当時の人々の日常や動植物が描かれるだけでなく、そこに思わず微笑んでしまうようなユニークなエッセンスも加えられています。

『北斎漫画』では、さまざまなシーンが展開され、北斎は人々のしぐさや表情を生き生きととらえています。
また、風景や風俗を描く中で、ちょっとした笑いや粋な風情を感じさせる点は、北斎の人間味と遊び心が表現されているといえるでしょう。

北斎は画家としての技術だけでなく、観察力やユーモアのセンスも兼ね備えた偉大な芸術家であることが、『北斎漫画』を通じて感じられます。
彼の作品は、時代を超えて今なお多くの人々に愛され続けているのです。

葛飾北斎と門人が描いた平安の美を味わえる「北斎が紡ぐ平安のみやびー江戸に息づく王朝文学」に行ってみた!

 

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