長年自宅に眠っていた骨董品を思い切って手放そうかと考えている方にとって、買取店に売却したらどのくらいの価格になるのかは気になるところでしょう。
特に、両親から受け継いだ骨董品などは価値がわかりにくいかもしれません。
骨董品と呼ばれるものにはさまざまな品物があります。
一見すると汚れていてあまり価値がなさそうでも、意外な価格をつける場合があるのです。
そのため、自己判断だけで処分を決めず、まずは買取店に相談してみることをお勧めします。
目次
高く売れる骨董品の特徴
絵画や彫刻、陶磁器など、骨董品にはさまざまなものがありますが、そのなかでも高価買取が期待できる骨董品とは次のようなものです。
もし、お手元にお持ちであれば、一度査定だけでも受けてみるとよいでしょう。
有名な作家やメーカーの骨董品
有名な作家の作品や名の知れたメーカー・工房が制作した作品は、骨董品として価値があります。
高く売却できる可能性が高いため、骨董品に詳しい専門家への相談をお勧めします。
譲り受けた骨董品で品物にあまり詳しくない場合は、作家名などが書かれていないかチェックしてみてください。
鑑定書や説明書などがあれば大切に扱い、査定の際には一緒に出しましょう。
高価な素材で作られた骨董品
金製品や銀製品など、高価な素材で作られた骨董品は高く売却できます。
ほかにも象牙、珊瑚、翡翠など、素材自体が高価な骨董品は、品物のデザイン性や芸術性と相まってより高額での売却が期待できるでしょう。
金製品のように、品物に多少傷がある場合も素材が高価な骨董品であれば売却できる可能性が高くなります。
諦めずに査定を受けてみてください。
流通数が少なく希少性が高い骨董品
限定生産で世間へあまり流通していない骨董品は、希少性が高いため高額で売却できるでしょう。
比較的年代が新しいものであっても、絶対数が少ないことから高額な買取価格がつくかもしれません。
流通数が少ない品物を購入した際には、売却を考えていない場合も丁寧に扱うようにしましょう。
いずれ売却する際に、きれいな状態で保管されているほど買取価格が高くなります。
高く売れる骨董品ジャンル
骨董品とは古い時代に制作された品物で、ジャンルはさまざまです。
制作された時点で既に高額だったものもありますが、時間が経つにつれ歴史的な価値が出て高く売れるものもあります。
以下のようなジャンルの骨董品は、高く売れるかもしれません。
掛軸・絵画
山水画や花鳥画の掛軸や書家の作品を掛軸にしたもの、また、日本画や洋画の絵画など、有名な画家や書家が描いた作品は高額での取引が期待できます。
その掛軸や絵画が描かれた時点ではまだそれほど有名でなかったとしても、その後に人気が出てくると「無名時代の希少な作品」として買取価格が上がる可能性があるでしょう。
自宅で長年眠っていた掛軸・絵画が実は高額だったケースもあるため、謂れが不明なものでも買取相談してみることをお勧めします。
彫刻品
ブロンズや彫刻の置物、さらに木彫りや石彫刻も、作品によっては高額で取引されます。
特に高額買取が期待できる彫刻家としてフランス印象派のエドガー・ドガ、上野公園の『西郷隆盛像』を制作した高村光雲 、長崎平和公園の『長崎平和祈念像』を制作した北村西望 などがあげられるでしょう。
大きな彫刻品の場合は家庭に保管されているケースが少ないかもしれませんが、もしも見つかった場合にはぜひ専門家の査定を受けてみてください。
陶器・食器
陶器や食器は、産地・メーカー・作家によって高額での取引も可能です。
有田焼や備前焼、織部焼など有名な産地の陶器をお持ちであれば、査定を受けてみるとよいでしょう。
有名なメーカーには、愛知県発祥のノリタケやドイツの名窯マイセンなどがあげられます。
特に限定生産された古い時代のものは、高価買取が期待できます。
さらに、江戸時代から続く陶芸家である酒井田柿右衛門 の作品や、美食家としても知られた北大路魯山人 の作品などは、かなりの高値がつくかもしれません。
花瓶・ガラス瓶
花瓶やガラス瓶、壺なども、制作者によってはとても需要があります。
例えば、ガラス製品ではアール・ヌーヴォーを代表するフランスのエミール・ガレ 、同じくフランスにて19世紀後半から活躍したドーム兄弟 などの作品は高額での取引が可能です。
ただし、ヒビが入ってしまったり欠けてしまったりすると買取金額が大きく下がってしまうかもしれません。
割れやすい骨董品のため、売却を検討しているのであれば早めに手放したほうがよいでしょう。
香木
香木とはよい香りがする木のことで、香木を加熱してその香りを楽しむ芸道が室町時代に誕生した香道です。
香木には白檀・沈香・伽羅があり、なかでも伽羅は高品質で希少性も高いため高額で取引されます。
また、香道には聞香炉・火取り香炉・香匙などの香道具が使われます。
これらの香道具もお持ちであれば、一緒に売却されるとよいかもしれません。
その際、価値をきちんと判定できる専門の査定士の査定を受けることをお勧めします。
骨董品を高く買い取ってもらうためのポイント
骨董品を高く買い取ってもらうためには、いくつか大切なポイントがあります。
同じ骨董品でも、買取に出す際に少し工夫するだけで買取価格が上昇する可能性があるでしょう。
鑑定書をあわせて買取に出す
骨董品と一緒に鑑定書が保存されているようであれば、あわせて買取に出すようにしましょう。
鑑定書以外にも骨董品の説明書と思われるようなものなどがあれば、自分で内容が判断できない場合でも査定士に見せることをお勧めします。
他に、外箱なども重要です。
鑑定書・説明書・外箱などがあることで、その骨董品が制作された年代や制作者の情報などが得られる可能性があります。
骨董品の価値を証明するものにもなるため、手元にあるものはすべて買取に出すようにしてください。
複数業者に見積もりを取る
見積もりは複数業者に依頼することをお勧めします。
買取業者のなかには、骨董品に詳しい業者とあまり詳しくない業者がいます。
あまり詳しくない業者に売却してしまった場合、骨董品の価値を正確に理解してもらえず大きく損をしてしまうかもしれないのです。
そのようなリスクを避けるためにも見積もりは複数業者に依頼し、結果を比較して納得のいく金額を提示した業者と取引するようにしてください。
手数料のかからない買取業者を選ぶ
買取業者のなかには、査定や売却に手数料がかかる業者があります。
余計な手数料がかかってしまうと、買取の見積額自体は高額だった場合にも手元に入る代金は想定より少なくなってしまうかもしれません。
そのため、買取業者を選ぶ際には手数料の有無をしっかり確認しておきましょう。
「手数料なし」をうたっている買取業者はかわりに見積額が低くなるおそれもあるため、その辺りまでチェックしたうえで買取業者を決定してください。
適切な保管方法で劣化を抑える
骨董品は適切な環境で保管するようにしましょう。
保管時の環境が悪く劣化してしまうと、買取額が大きく変わってしまうかもしれません。
基本的には直射日光が当たらず湿気のない場所、風通しのよい場所に保管してください。
直射日光が当たると、日焼けで骨董品が色褪せてしまうおそれがあります。
湿気のある場所に置かれていたのでは、カビが生えてしまうリスクがあるでしょう。
保管方法が悪いために骨董品の価値を下げないよう、気をつけてください。
自己判断で修復や修繕を行わない
日用品や家具などを買取に出す際には、自分できれいに手入れをしてから売却するほうが買取額が高くなると言われます。
しかし、骨董品の場合は自己判断で余計なお手入れをする必要はありません。
お手入れしたことで傷をつけてしまい、骨董品の価値が下がってしまうおそれもあるからです。
プロの業者による修復や修繕も、あえて依頼しなくてよいでしょう。
汚れが気になるようであれば、売却時に買取業者に相談することをお勧めします。
複数の品をまとめて査定依頼する
手放したい骨董品が複数あるのなら、まとめて査定依頼するほうがお得です。
掛軸と食器のように種類が異なる骨董品であっても、ほとんどの場合は同じ買取業者で取り扱いできます。
まとめて査定するほうが買取業者にとっても手間が省けるため、1点ずつ売却する場合に比べて買取価格が上がるケースが多いでしょう。
売却を迷っているものがあればまとめて売却した場合の買取価格も確認し、その金額次第で決めてもよいかもしれません。

